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インテル、ISPやインターネットデータセンター向けのネットワーク機器を発表

2000年05月24日 00時00分更新

文● 編集部 佐々木千之

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インテル(株)は24日、ISP(Internet Service Provider)やASP(Application Service Provider)、IDC(Internet Data Centor)向けに、キャッシュアプライアンス製品『Intel NetStructure 1500 Cache Appliance』と、トラフィック管理製品『Intel NetStructure 7140 Traffic Director』、『同7170』を発表した。価格はNetStructure 1500が250万円、NetStructure 7140が215万円、NetStructure 7170が395万円。いずれも25日に出荷開始される。

『Intel NetStructure 1500 Cache Appliance』




NetStructure 1500は、HTTP、FTP、NNTP、SNMPなどのプロトコルに対応したキャッシング機能を提供する、単一機能製品。ラックマウントタイプの筐体を使用しており、高さは2U(約9cm)に抑えた。機能を絞ることで、導入や運用の煩雑さを軽減したという。

CPUにはPentium III-550MHzを2基搭載し、512MBのメモリー、54GBのHDD、100BASE-TXのEthernetポート2つを備えている。ソフトウェアは、OSにサン・マイクロシステムズ(株)の『Solaris 7 Intel Pratform Edition』、キャッシングソフトウェアとしては米インクトミ社の『Inktomi Traffic Server Engine』を採用している。インテルでは、インクトミのソフトウェアを採用した理由として、「大手のISPやポータルサイトでの豊富な実績を重視した」(コミュニケーションシステム事業部マーケティングマネージャの宮園充氏)としている。

インテル、コミュニケーションシステム事業部マーケティングマネージャの宮園充氏
インテル、コミュニケーションシステム事業部マーケティングマネージャの宮園充氏



『Intel NetStructure 7140 Traffic Director』、『同7170』




NetStructure 7140/7170は、電子商取引サイトなど、複数のサーバーが置かれている環境において、サーバーの応答時間をもとにトラフィックを振り分け、サーバーの負荷分散を行なうトラフィック管理機能を提供する。さらにNetStructure 7170では、ユーザーからの要求に対して、あるサーバーがエラー(ユーザーの責任によらない内部エラー)を起こしてエラーメッセージを返した場合、7170がそのエラーメッセージをトラップして別のサーバーに要求を送り、ユーザーにはエラーを返さないという“インテリジェント・セッション・リカバリ”機能を搭載。このほか、コンテンツの種類(CGI、画像ファイル、ある特定のURLなど)ごとに別々のルールを設けてトラフィック管理を行なう“インテリジェント・コンテンツ・ルーティング”機能も持つ。

今回発表された製品はすべて、販売代理店である(株)ソリトンシステムズ、(株)マクニカ、昭和電線電纜(株)、日商エレクトロニクス(株)を通じて販売される。販売においては、代理店だけでなく、インテルからもサービスエンジニアが顧客まで赴いてサービスやサポートを行なうとしている。

インテル、コミュニケーション システム事業本部の宗像義恵本部長
インテル、コミュニケーション システム事業本部の宗像義恵本部長



コミュニケーション システム事業本部の宗像義恵本部長は、「これまでISPやIDCのサーバー室には(サン・マイクロシステムズやシスコなどの)他社の製品ばかりで、インテルの製品はなかった。今後は、NetStructureシリーズを橋頭堡として市場に食い込んでいきたい」としている。

米インテル社は、'99年4月に行なわれたアナリストミーティングにおいて、“インターネット経済を支えるクライアント、サーバー、ネットワーク、サービス/ソリューションの4分野においてインターネット・ビルディング・サプライヤーとなる”という企業戦略を発表した。それ以来、多くのネットワーク関連企業に対して、提携や資本参加、買収などを行なっている。今回発表されたNetStructure 1500/7140/7170はこの中の“ネットワーク”分野に当たる製品で、日本では2月にウェブ上の暗号システムであるSSLの処理を高速化する『Intel NetStructure 7110 e-Commerce Accelerator』とこれにトラフィック管理機能を追加した『同7180』を発表している。

インテルは各国の事情に応じて、投入する製品や時期を分けるなど細かなマーケティングを行なっている。具体的な新製品投入については明かされなかったが、NetStructureシリーズにおいても海外では多数の製品が発表されており、今後日本企業の“IT化”が進むにつれて、同社のネットワーク機器攻勢に拍車がかかりそうだ。

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