富士通(株)、第二電電(株)(DDI)、および米シティグループの3社は、携帯電話を利用した決済サービスを共同で提供すると発表した。新サービスでは、ユーザーがTVや雑誌広告を見ながら携帯電話で商品を注文できる仕組みや、レストランやタクシーを利用したときに携帯電話で決済ができる仕組みを開発する。サービス開始は12月末日の予定。
携帯電話で注文から決済までをカバー
3社が提供するサービスは、商品の注文から決済までを、携帯電話で一元的に行なえるというもの。携帯電話を利用することで、オンラインショッピングで懸念されるセキュリティー面の強化を図ることが可能だという。決済に関しては携帯電話による簡便なオンライン決済を導入する。金融機関各社、移動体通信キャリア各社に参画を求め、携帯電話を利用したインターネット決済サービスの標準となることを目指す。シティグループは、日本で同サービスが成功した場合、同グループがサービスを展開する他地域での導入も検討する方針だ。
都内で開催された発表会の席上、握手を交わす富士通(株)の秋草直之社長、シティバンクのフリッツ・シーガース(Frits Seegers)氏、第二電電(株)の奧山雄材社長(左から) |
商品番号と暗証番号を電話で送信
商品の購入に際しては、各商品に個別の商品番号を付与。雑誌/新聞/テレビ/ウェブといった広告媒体を通じて商品番号を告知し、ユーザーは携帯電話に商品番号を入力することで注文が完了するという、一種のカタログ通販のような仕組みを採る。代金の決済については、携帯電話を1回操作するだけで支払いが完了する仕組みを提供する。また、通常の買い物に際しても、レストランなどの店舗電話番号を同サービスのデータセンターに予め登録しておくことで、携帯電話で支払いができるようにする。このほか、消費者間で携帯電話を利用した送金を可能にするなど、電子マネーとして利用できるシステムの構築を目指す。
商品購入画面のサンプル。商品番号を入力すると、この表示が携帯電話の画面に現われる |
口座番号などの個人情報については、同サービスのデータセンターで一括して保護、管理を行なう。また、情報の送信時に暗号化を行なうことで、プライバシー保護の徹底を図る。ユーザーが商品を注文する際には、個人情報の登録時に付与される4桁の暗証番号を入力することで、個人認証を行なう仕組み。口座番号などの登録方法や、データセンターの運営方法についての詳細は、現在のところ検討中だという。
3社の役割は、富士通がインターネットを中心とするIT関連技術を、DDIが携帯電話サービスを、シティグループが金融サービスをそれぞれ提供する。12月末日にもサービスを開始し、2004年度には1200万人の利用者数を見込んでいる。
サービス開始当初は、シティバンクに口座を開設しているユーザーが対象。同サービスは携帯電話を利用したインターネット決済の標準となることを目指しており、オープンなプラットフォームとして金融機関各社、移動体通信キャリア各社に参画を求めていくという。すでに、通信キャリアとしてジェイフォン東京(株)が賛同の意向を表明している。