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日本SGI、Linux/Windows NT4.0両対応のビジュアルワークステーションを発売――新開発のグラフィックサブシステム“VPro”を採用

2000年05月23日 00時00分更新

文● 編集部 桑本美鈴

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日本SGI(株)は、LinuxとWindows NTをOSに採用したIA-32ビジュアルワークステーション『Silicon Graphics 230 Visual Workstatrion』、『同 330』、『同 550』を発表した。

ビジュアルワークステーション『Silicon Graphics 230/330/550』
ビジュアルワークステーション『Silicon Graphics 230/330/550』



今回発表されたビジュアルワークステーションは、同社初のLinuxワークステーションで、CPUにはインテルのPentium IIIまたはPentium III Xeonを採用している。プレインストールOSは、Red Hat Linux 6.1かWindows NT Workstation 4.0を選択可能。

OpenGLハードウェアアクセラレーション『SGI ProPack 1.2 for Linux』を搭載しており、Linux上でOpenGLの3Dグラフィックス機能をハードウェアレベルで高速化できる。このハードウェアアクセラレーションは、Red Hat以外のディストリビューションでも動作可能。

また同社は、グラフィックサブシステム“VPro”を開発し、ビジュアルワークステーションに採用することも合わせて発表した。VProはDDRグラフィックスメモリーを32MBまたは64MB搭載しており、既存製品と比較してグラフィック処理が向上するという。

エントリーモデルの『230』は、CPUにPentium III-667MHzを採用したモデルと、Pentium III-733MHzを採用したモデルの2種類が用意されている。667MHzモデルは、128MBのメモリー(SDRAM)と20GBのHDD(IDE)を搭載する。グラフィックチップはVPro 32MB DDR。733MHzモデルは、256MBのメモリー(SDRAM)と9.1GBのHDD(Ultra2)を搭載する。グラフィックチップはVPro 64MB DDR。

ミッドレンジモデルの『330』は、CPUにPentium III-800MHzを最大2基まで搭載可能。512MBのメモリー(SDRAM)と18.2GBのHDD(Ultra60)を搭載する。グラフィックチップはVPro 64MB DDR。

ハイエンドモデルの『550』は、CPUにPentium III Xeon-800MHzを最大2基まで搭載可能。512MBのメモリー(RDRAM)と18.2GBのHDD(Ultra60)を搭載する。グラフィックチップはVPro 64MB DDR。

全モデルとも、48倍速CD-ROMドライブとFDD(1.44MB対応)を装備する。インターフェースはシリアル×2、パラレル、USB×2、PS/2(キーボード/マウス)。

価格は、『230』の667MHzモデルが、Linuxプレインストールで33万6000円、Windows NT4.0プレインストールで34万8000円。733MHzモデルが、Linuxプレインストールで56万2000円、Windows NT4.0プレインストールで57万4000円。両モデルとも本日より発売する。『330』と『550』は6月下旬発売で、現時点では価格は未定。出荷開始時点で価格を発表するという。

また同社は、この新ビジュアルワークステーションの販売に関し、カテナ(株)とマスターディストリビューター契約を締結したと同時に発表した。これによりカテナは、同ワークステーションをCTO方式で販売/流通する。

具体的には、カテナは、ワークステーション販売の際、ユーザーからの要求に合わせて各種デバイスや周辺機器の取り付け、OSのプレインストールなどを行ない、製品を出荷する。両社はマーケティング活動においても協力していくという。なお、製品サポートとメンテナンスは日本SGIが担当する。

発表会場で、日本SGIの和泉法夫社長は、「カテナにマスターディストリビューターとなってもらい、流通コストを削減する。PC市場に強いカテナとともに徹底したローコストのオペレーションを行ない、カテナの3000拠点以上の取引先を通じて全国に製品を展開していく」

「ワークステーションの市場としてはしばらくはまだWindows NTのほうが大きいだろうが、ハイエンドユーザーにはLinuxを提供していく。Linuxのコミュニティーへも積極的に貢献し、ともかくLinux人口を増やしたい」と語った。

また、既存モデルの『320』と『540』で採用していたインテルとの共同開発によるグラフィックチップセット“Cobalt”を、今回のモデルで採用しなかったことについて、「Cobaltチップは、インテルのチップをカスタマイズしたものだが、インテルチップの製品展開スピードが速すぎて、それらに個々に対応していくとコストがかかり過ぎる。これは結果的にエンドユーザーに提供する際の価格アップにつながる。そのため社のストラテジーを変更し、今回のワークステーションはスタンダードな製品で組み上げた」としている。

握手を交わす日本SGIの和泉社長(左)とカテナの小宮善継社長。小宮社長は「ローコストオペレーションには自信を持っている。製品は可能な限り低価格を実現したい。流通戦略については、既存のSGI販売店と、カテナの得意とするPC市場とを統合して展開していく」とコメント
握手を交わす日本SGIの和泉社長(左)とカテナの小宮善継社長。小宮社長は「ローコストオペレーションには自信を持っている。製品は可能な限り低価格を実現したい。流通戦略については、既存のSGI販売店と、カテナの得意とするPC市場とを統合して展開していく」とコメント

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