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NTTデータ、2000年3月期の連結決算は最終損益181億円の赤字――退職金関連響く、当期は210億円の黒字化見込む

2000年05月22日 00時00分更新

文● 編集部 小林伸也

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(株)エヌ・ティ・ティ・データ(NTTデータ)は22日、2000年3月期の連結決算を発表した。売上高は7253億円と前の期に比べ2.1パーセント増だったものの、純利益(最終損益)は181億円の赤字となった。退職給与引当金403億円を特別損失として計上したのに加え、一部プロジェクトで原価が増加したことも響いた。ただし税金の先払い分を含めると約60億円の黒字になるという。来期の純利益は210億円の黒字に戻す見込みとしている。

決算を発表するNTTデータ社長の青木利晴氏 決算を発表するNTTデータ社長の青木利晴氏



2000年3月期の連結決算は、売上高7253億円に対し、営業利益は507億円(前期比マイナス10.7%)、経常利益は346億円(同マイナス8.1%)と増収減益となり、上場以来初の減益決算となった。期末配当金は1株当たり500円で、中間と合わせ年間配当金は1000円となる。

2001年3月期は、システムインテグレーション(SI)事業、ネットワークシステムサービス事業とも順調な受注を見込み、売上高は7740億円と前期比6.7%の増収を見込む。また退職金関連費用が今期は20億円で済むことから特別損失に計上せずに営業外損益で処理、「退職金関連は今期で整理し終わる」(同社)という。営業利益は顧客獲得に向けた販売促進費の増加で前期比マイナス3.4%の490億円。経常利益は、社内システムと建物の除却費が減り、営業外利益が改善するため9.5%増の380億円、純利益は210億円と黒字化する見込みだ。年間配当金も前期並みの1株当たり1000円としている。

同社は決算発表に伴い、今後3年間程度の中期経営計画を発表した。都内で記者会見を開いた同社社長の青木利晴氏は、計画について説明し、「ネットビジネス中心に新規ビジネスの開拓と、SI事業の競争力強化を重点的に進める」と述べ、単なる“ソリューションプロバイダー”から一歩進んだビジネスモデルへの転換を図るとの方針を説明。その上で「ネットビジネスとSIの間で“ビジネスバリューチェーン”を構築し、両者のシナジー効果を活かしながらIT市場を拡大していく」などと述べた。

具体的には、新規ビジネスとしては社内外のベンチャーを育成するインキュベーションセンターを設立。SI事業では、コンサルティングの強化による高付加価値なサービス提供を目指す――などとしている。

中期経営計画の成果として、2002年度の売上高は9000億円(年平均伸び率7.5%)、経常利益500億円、ROE(株主資本利益率)7.0%、現在赤字のフリーキャッシュフローの黒字化を目指している。

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