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通信機械工業会、新会長に富士通会長の関沢氏が就任

2000年05月19日 00時00分更新

文● 編集部 小林伸也

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通信関連メーカーで構成する業界団体・通信機械工業会(CIAJ、234社)は19日、定時総会を開き、会長の佐々木元氏(日本電気(株)会長)が退任し、新会長に富士通(株)取締役会長の関沢義氏が就任する役員人事を決めた。関沢氏がCIAJ会長に就任するのは、富士通社長時代の'92~'94年に続き2回目。関沢氏は就任後の記者会見で、「インターネットやモバイルが普及する中、単なるインフラ事業からソリューションへの転換を目指す必要がある」と激変期の業界リーダーとして抱負を述べた。

CIAJ新会長に就任した関沢義・富士通会長 CIAJ新会長に就任した関沢義・富士通会長



関沢氏は68歳。'90年に富士通社長に就任、'98年に同社会長に就任した。'99年5月から日経連副会長も務めている。

関沢氏は就任に当たり、「インターネットやiモード、次世代移動体通信といった新しい動きの中、我々も単なるインフラだけでなく、それに付加価値を付けて提供する必要が出てきた。顧客の多様な要求に応えられるソリューションを業界全体として目指していく」と語った。
業界の課題については、「以前は旧電電公社とその得意先企業だった通信機械工業会も、今ではインターネット関連企業などが会員に加わるなど変化してきている」と指摘。その上で「過去の成功体験を捨てて、いかに21世紀に成長を遂げられるかが課題だ。富士通の経験でも、'80年代におけるメインフレームの成功を捨ててオープンシステムへと転換するのは難しかった。業界が過去のカルチャーを捨てるため、工業会としても役に立ちたい」と自らの経験をもとに業界の脱皮を目指す決意を語った。

日本の通信事情が米国に比べ遅れているという指摘については、「平均値としてみれば日本のほうが進んでいるという米国人もいる。日米を比較すると、底の部分は日本の方が明らかに高い。日本の識字率は世界一だ。字が読めない人がITを使ってどうするのだろうか。日本が遅れているからと悲観する必要はない」などと述べた。

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