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ソニー、バイオ戦略説明会で夏モデルを一斉発表――「2000年度はバイオをネットワークと“つなげる”」とITカンパニー新プレジデントの木村氏

2000年05月16日 00時00分更新

文● 編集部 桑本美鈴

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ソニー(株)は、同社PC“VAIO(バイオ)”のデスクトップPC、ノートPCの夏モデル新製品を本日一斉に発表、都内ホテルで説明会を行なった。

会場にずらりと展示されたバイオシリーズの夏モデル
会場にずらりと展示されたバイオシリーズの夏モデル



ITカンパニー新プレジデントの木村氏がバイオの事業戦略について説明

説明会では、4月1日付けで同社インフォメーションテクノロジー(IT)カンパニーのプレジデントに就任した木村敬治氏が、2000年度のバイオ事業戦略について語った。

ITカンパニー新プレジデントの木村氏
ITカンパニー新プレジデントの木村氏



同氏は、「ITカンパニーのビジョンは、“VAIO WORLD”を実現して新しい形のコンシューマーPC市場を作っていくこと。2000年度は、AVとITの融合によるコンシューマーPCで、新しいコンセプトの製品を提案していく。また、バイオと“つなぐ”というコンセプトを更に拡充し、2000年はネットワークへつなげることによる新しいアプリケーションを展開していきたい。特にインターネット上のサービスとつなげていくほか、家庭用のワイヤレスLANによるネットワークスタイルも提案していく」

「従来型のPCがビジネス用途であったのに対し、われわれのフォーカスはスタート時から個人用途だった。その中でわれわれは、デジタルイメージング、デジタルコミュニケーション、デジタルエンターテインメントの3領域で、“つながるVAIO WORLD”を提案していく。つなげるためのインターフェースとして、メモリースティックとi.LINKを今後も採用していく」

「最近のVAIOユーザーのアンケート結果によると、デジカメ所有率は34パーセントで、そのうちバイオと組み合わせて使用しているユーザーが68パーセント、デジタルカムコーダー所有率は26パーセントで、そのうちバイオと組み合わせて利用しているユーザーが62パーセントとなっている。これは“つながるVAIO WORLD”コンセプトが少しずつ、だが確実に浸透している結果だ。2000年から2001年に向けては、ネットワークサービスとバイオをつなげていく」

「夏モデルの製品戦略としては、ネットワーク、AV、ITの融合をさらに強化する。また、Windows 2000 Professionalモデルを各シリーズの上位機種に採用し、積極的に展開していく。MagicGate対応のメモリースティックもサポートする」

「ワールドワイドのPC市場では、コンシューマー向けPCの伸び率が企業向けPCの伸び率を上回っており、この傾向は今後も続くだろう。バイオはワールドワイドのコンシューマーPC市場で成長しており、日本国内での2000年度第1四半期におけるノート/デスクトップを合わせたコンシューマー市場ではNEC、富士通に次いで3位のシェア、欧米のノートPC市場でも3位のシェアとなっている」

「バイオの'99年度のワールドワイドでの販売数量はデスクトップPCが40万台、ノートPCが100万台で合計140万台であった。2000年度は、その倍となるデスクトップPC80万台、ノートPC200万台の合計280万台を目標としている」と語った。

ノート/デスクトップの担当者がそれぞれの製品戦略を説明

続いて、バイオノートPCを担当するITカンパニーモーバイルプロダクツ部門部門長の島田啓一郎氏、バイオデスクトップPCを担当するITカンパニーデスクトップコンピュータ部統括部長の辻野晃一郎氏が、それぞれの製品展開について説明した。

島田氏は、バイオノートの展開について、「バイオノートのビジョンは市場を創造するということ。映像や音楽の楽しみを広げ、いつでも持ち運べるという製品の方向性で、市場を作り出してきた。特にバイオノート505により、サブノート市場規模は10倍に拡大した。映像や音楽に強い、持つ喜びを感じる、本当に持ち運べる、通信に強い、これら4つのコンセプトを元に製品を展開していく」

「2000年度の製品戦略として、i.LINKとメモリースティックによる“つながり”を強化し、軽量かつスタミナのある製品を提供する。ブロードバンド時代に向けたパーソナルブロードキャストも視野に入れていく」

今回新登場のシリーズ“バイオノートSR”について説明する島田氏(左)。「バイオノートSRは、オーディオビジュアルファンボックスというコンセプトの製品。マジックゲートメモリースティック対応により、数千曲の音楽を持ち運べる音楽サーバーとして楽しめるだろう。軽量とスタミナも両立させている。いつも一緒にいるわくわくさせてくれるバイオノートだ」
今回新登場のシリーズ“バイオノートSR”について説明する島田氏(左)。「バイオノートSRは、オーディオビジュアルファンボックスというコンセプトの製品。マジックゲートメモリースティック対応により、数千曲の音楽を持ち運べる音楽サーバーとして楽しめるだろう。軽量とスタミナも両立させている。いつも一緒にいるわくわくさせてくれるバイオノートだ」



辻野氏は、バイオデスクトップPCについて説明した。「われわれは、スタート時から、既存のPC市場に最後発で参入するという意識はなく、新しい市場の創造を目指していた。その結果、デスクトップはワールドワイドで40万台の販売数を記録した。2000年春モデルのマーケットシェアは、金額ベースで20パーセントのシェアを獲得した。これはエントリーモデル“バイオJ”の貢献が大きい」

デスクトップPC担当の辻野氏
デスクトップPC担当の辻野氏



「現在のデスクトップ市場のトレンドは、PCの家電化と低価格化。われわれは当初からPCをいかに家電に近づけていくかを考慮しており、今後もPCとAVの融合、PCの家電化を積極的に図り、ユーザーにわかりやすいコンセプトで製品を展開していく。今後はレガシーのAVマーケットを積極的に置き換えていき、ブロードバンド対応も行なう。広帯域化に向けたネットワーク環境における中枢にバイオ製品を位置して事業を展開する」

MS阿多社長もビデオメッセージで登場

さらに、マイクロソフト(株)の代表取締役社長である阿多親市氏のビデオメッセージが流された。阿多氏は、ビデオ中で、「昨年来、われわれはコンピューターの新しい可能性をどのように広げていくかについて何度も協議を重ねてきた。今後両社は、オーディオとビジュアルの市場を、Windows 2000とバイオとで、さらに充実したものにしていく」

マイクロソフトの阿多社長
マイクロソフトの阿多社長



「家庭におけるPCの主な用途は、上位から、インターネット、電子メール、年賀状作成、ゲーム、仕事の順となっている。われわれは、今後その中に、オーディオ、ビジュアルを自由に取り込んだり、編集/加工したりすることが確実に入ってくるだろうと考えている」

「今回のバイオのラインナップにWindows 2000が採用されたのも、Windows 2000がそれらの用途に必要なシステム要件を高いレベルで実現できるプラットフォームだからだ。Windows 2000は職場や家庭などあらゆる環境で個々人が快適に利用できるOSだ。ユーザーの生活により一層身近なOSとして使ってもらえると確信している」とコメントした。

会場には夏モデルとともに周辺機器も展示されていた。写真は、バイオと接続して、各種ウェブサイトの情報やテキストなどのデータを転送、画面に表示できるビューアー『パーソナルネットワークプレーヤー VNW-V10/A』。既存のバイオ周辺機器のビューアー『インフォキャリー』と同サイズ。インフォキャリーの本体カラーは黒だが、こちらはバイオカラーを採用している。推定小売価格は2万円弱程度
会場には夏モデルとともに周辺機器も展示されていた。写真は、バイオと接続して、各種ウェブサイトの情報やテキストなどのデータを転送、画面に表示できるビューアー『パーソナルネットワークプレーヤー VNW-V10/A』。既存のバイオ周辺機器のビューアー『インフォキャリー』と同サイズ。インフォキャリーの本体カラーは黒だが、こちらはバイオカラーを採用している。推定小売価格は2万円弱程度



IEEE802.11/802.11b対応の『ワイヤレスLANアクセスポイント PCWA-A100』(右)と『ワイヤレスLAN PCカード PCWA-C100』(左)。アクセスポイントはV.90対応モデムを内蔵しており、電話回線に接続することで、ワイヤレスでインターネットを利用できる。PCカードは最大16台まで同時にアクセス可能。PCカードを装着したバイオの画面上で、アクセスポイントの各種設定を行なえる専用設定ソフト『ワイヤレスパレット』が付属する
IEEE802.11/802.11b対応の『ワイヤレスLANアクセスポイント PCWA-A100』(右)と『ワイヤレスLAN PCカード PCWA-C100』(左)。アクセスポイントはV.90対応モデムを内蔵しており、電話回線に接続することで、ワイヤレスでインターネットを利用できる。PCカードは最大16台まで同時にアクセス可能。PCカードを装着したバイオの画面上で、アクセスポイントの各種設定を行なえる専用設定ソフト『ワイヤレスパレット』が付属する

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