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デジタルカメラで動くエミュレーター──米フラッシュポイント、『Digita』をデモ

2000年05月16日 00時00分更新

文● 編集部 小林久

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デジタルカメラ用OS『Digita』の開発で知られる米フラッシュポイント テクノロジー社は、16日、都内のホテルで記者発表会を行なった。同社は16~17日の2日間、国内初の開発者会議“Digitaテクニカル会議”を開催中で、今回の発表会はそれに伴ったもの。同社の日本オフィスの設立から約1年が経過し、Digitaを搭載したデジタルカメラの出荷数は累計で50万台に達している。今回の発表会は、同社の現状と今後の製品への取り組みの報告が主となった。

デモを通じ、Digitaの魅力を紹介

Digitaは、米ウインドリバーシステムズ社のリアルタイムOS『VxWorks』をベースとしたデジタルカメラ用のOS環境である。『Digita Script』と呼ばれるスクリプト言語や『Digita SDK』と呼ばれるアプリケーション開発環境が用意されており、ユーザーがプログラミングを書き、独自の機能を実現できるのが特徴である。Digitaは、コダック(株)の『DC-290Zoom』やセイコーエプソン(株)の『プリントン』シリーズなどで使用されており、今後、旭光学工業(株)からもDigita搭載デジタルカメラが発売される予定だ。

発表会の目玉は、このDigita上で動作するさまざまなアプリケーションのデモである。『M.A.M.E.D』と呼ばれるビデオゲームエミュレーターを始めとして、Digita上で動作するメールソフト『Digita Post』、Digita上で動作するMP3プレーヤーなど、多彩なソフトを通じて、Digitaの応用範囲の広さが強調された。



M.A.M.E.D上で動作するパックマン。写真ではわかりにくいが画面は非常に鮮明で、(エミュレーター自体の立ち上がりは遅いものの)動作も快速だ
M.A.M.E.D上で動作するパックマン。写真ではわかりにくいが画面は非常に鮮明で、(エミュレーター自体の立ち上がりは遅いものの)動作も快速だ



特に注目したいのが、オープンソースのエミュレーター『M.A.M.E.D(Multiple Arcade Machine Emulator for Digita)』だ。これは、ハードウェアの入手が困難なアーケードゲームをデジタルカメラ上で実行できるもので、1500本以上のタイトルをサポート。パックマンやギャラクシアンといった懐かしの名作がDigita上で軽快に動いていた。同ソフトはウェブサイトからダウンロードできる。



メールソフトの『Digita Post』。今回、IrDAポート搭載のISDN公衆電話やコンパフラッシュ型携帯電話用インターフェースを使った通信のデモが行なわれた
メールソフトの『Digita Post』。今回、IrDAポート搭載のISDN公衆電話やコンパフラッシュ型携帯電話用インターフェースを使った通信のデモが行なわれた



Digita Postを使ったメール送信では、撮影した画像にテキスト/音声を付加して、通常のプロバイダーに接続することが可能。カメラ内部で接続プロバイダーの設定が行なえるほか、赤外線経由でISDN公衆電話に接続したり、デジタルカメラのコンパクトフラッシュスロットに携帯電話用のインターフェースカードを利用することができる。今後は、ノキア製のiモード端末『NM502i』などの対応も考えていくという。

また、発表会では国内発売が予定されている、旭光学工業(PENTAX)のデジタルカメラについても言及されたが、実機等の展示はなし。現在最終調整中とのことで、出荷予定日などに関しても未定。「できれば、ボーナスシーズンに合わせたい」(同社製品事業部担当執行副社長スティーブ・D・セイラー氏)とのこと。

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