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日本IBM、銅配線技術を採用したミッドレンジモデルのUNIXサーバーを発表――ウェブ販売でUNIX市場に本格参入

2000年05月15日 00時00分更新

文● 編集部 桑本美鈴

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日本アイ・ビー・エム(株)は、銅配線技術を採用したミッドレンジのUNIXサーバー『RS/6000 モデルF80』、『同 モデルH80』、『同 モデルM80』の3モデルを6月9日に発売すると発表、本日都内で記者発表会を行なった。

CPUに銅配線技術を採用した“RS64III”を搭載

3モデルとも、0.22μm銅配線技術を採用したCPU“Power PC RS64III”を搭載したミッドレンジサーバーで、OSには64bit対応のUNIX OSであるAIX4.3.3を採用している。

デスクサイド型のミッドレンジサーバー『F80』
デスクサイド型のミッドレンジサーバー『F80』



F80は、デスクサイド型のミッドレンジサーバー。CPUにRS64III-450MHz/500MHzを最大6基まで搭載可能で、メモリーは最大16GBまで、内蔵HDDは最大254GBまで搭載できる。また、PCIホットプラグスロット×10個を装備する。電源は100Vに対応。価格は285万7600円から。

H80は、ラック型のミッドレンジサーバー。CPUにRS64III-450MHz/500MHzを最大6基まで搭載可能で、メモリーは最大16GBまで、内蔵HDDは最大36GBまで搭載できる。PCIホットプラグスロット×14個を装備している。電源は200Vに対応。価格は396万5800円から。

M80は、ラック型のミッドレンジサーバー。CPUにRS64III-500MHzを最大8基まで搭載可能で、メモリーは最大32GBまで、内蔵HDDは最大36GBまで搭載できる。PCIホットプラグスロット×14個を装備しており、最大56個まで拡張可能。電源は200Vに対応。価格は1224万7400円から。

ラック型の『H80/M80』ラック型の『H80/M80』



ウェブサイトを利用した新しい販売方式を展開

なお同社は、今回の3モデルの発表に伴い、UNIXサーバー市場への事業展開を強化するため、キヤノン販売(株)、キヤノン・スーパーコンピューティングSI(株)、日本ビジネス・コンピュータ(株)の3社と、UNIXサーバーの販売促進活動を協業で行なうことを明らかにした。

具体的には、ウェブサイトによる販売方式を導入し、日本IBMのウェブサイト上に企業ユーザー用のポータルサイトを用意し、サイトおよび電話で企業ユーザーからの案件情報を収集する。日本IBMは、収集した案件情報および顧客情報を上記3社に提供し、3社は日本IBMのUNIXサーバーに、3社独自の製品/サービスを付加した統合システムを企業ユーザーに提供する仕組みとなっている。日本IBMと上記3社は、今後このウェブサイト販売方式による新ビジネスモデルの具体的な検討を開始するという。

また、日本IBMは、今秋発売予定の次期RS/6000サーバー製品に、同社の新技術である“SOI(Silicon-On-Insulator)”を搭載することも明らかにした。SOIは、サーバー内のトランジスターとシリコンの間に絶縁体を入れることで、トランジスターとシリコン間での電流の漏れを少なくし、処理速度を高めるというもの。また、電圧の立ち上がり時間が短縮されるため消費電力が削減されるという。

記者発表会で、同社理事でWebサーバー製品事業部長の安永登氏は、「これまでIBMはUNIXサーバー市場においてはハイエンドモデルとクライアントモデルが中心だったが、今回の3モデルにより、現在UNIXサーバー市場でいちばん大きな市場であるミッドレンジに本格参入していく。主なターゲットは中小企業ユーザー」と語った。

また、ウェブによる販売に対しては、「ウェブによる販売は、ユーザーが具体的な製品モデルを決めなくても、“こういうことをやりたい”とIBMに直接案件を提出できる。この案件をさらに一歩踏み込んだ形で、3社と協力し統合ソリューションとして提案していく。UNIXのボリュームマーケットに参入していきたいので、全国にネットを持っている3社と今回協業することになった。なお、従来のビジネスパートナーによる製品販売も継続していく。」としている。

左から、日本IBM理事でシステム製品事業担当の上口幸生氏、同じく理事でWebサーバー製品事業部長の安永登氏
左から、日本IBM理事でシステム製品事業担当の上口幸生氏、同じく理事でWebサーバー製品事業部長の安永登氏

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