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エプソン、カラーレーザープリンターの新機種を発表――1.5倍高速化したA3ノビ対応機種、30万円切るA4対応機も

2000年05月15日 00時00分更新

文● 編集部 小林伸也

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セイコーエプソン(株)とエプソン販売(株)は15日、企業向けカラーレーザープリンターの新製品を発表し、都内で発表会を開いた。従来機比1.5倍の高速化を実現したというA3ノビ対応の『インターカラー LP-8500C』と、A4対応ながら30万円を切る普及価格帯の『インターカラー LP-3000C』の2機種。ネットワーク対応スキャナー『エスパー・スキャナ ES-8500』やプリントサーバー『PSサーバ PS-6200』も同時に発表した。両社では「今年はカラーレーザー普及元年」と位置付け、新機種で約3割のシェア獲得を目指す。

従来機比1.5倍のスループットを実現した『LP-8500C』


『エプソン インターカラー LP-8500C』
『エプソン インターカラー LP-8500C』



LP-8500CはA3ノビ対応のカラーレーザープリンターの新機種。266MHz動作の64bit RISCプロセッサー『R5000』を採用し、新開発の画像処理専用ASICも搭載。このため印刷データ処理時間の短縮が可能になり、前機種『LP-8200C』と比べ、印刷命令から出力までのトータル印刷時間が約1.5倍高速化したという。印刷スピードもA4カラーで毎分6枚、同モノクロで毎分26枚と前機種(カラー毎分4枚、モノクロ毎分16枚)から向上している。

印刷解像度は600dpi。ドキュメント内の写真と文字、グラフを自動識別して最適な印刷を行なうという“MSPT”、多階調印刷を実現するドット制御技術“C-RIT”といった技術を搭載し、“写真高画質”を実現したという。また新開発のトナーにより発色性が向上したという。

オプションの自動両面印刷ユニット(5万円)を装着することで、カラー毎分6枚、モノクロ毎分20枚の両面印刷が可能になる。インターフェースはパラレルのほか、100BASE-TX/10BASE-T対応のEthernetポートを標準装備し、TCP/IPやIPX/SPXなど各種ネットワークプロトコルに対応する。オプションでIEEE1394インターフェースカード(5万円)も用意される。

サイズは幅650×奥行き646×高さ554mm、重さ約71.2kg。価格は49万8000円。発売は6月9日。

アドビシステムズ(株)の『Adobe PostScript 3』を内蔵ROMで搭載したDTP向けモデル『LP-8500CPD』も同時に発表された。価格は64万8000円で、出荷開始は7月上旬。

またLP-8500Cに、同社のA3対応スキャナー『エスパー・スキャナ ES-6000H』とコピーユニット『CS-6500』を取り付けてカラーコピーシステムを構成したモデル『エスパー・ステーション LP-8500CCS』も発売される。価格は89万8000円で、発売は7月上旬。

30万円を切るA4対応カラーレーザープリンター『LP-3000C』


『エプソン インターカラー LP-3000C』 『エプソン インターカラー LP-3000C』



LP-3000CはA4対応のカラーレーザープリンター。29万8000円と30万円を切る低価格が特徴となっている。

印刷スピードはA4カラーで毎分5枚、同モノクロで毎分20枚。LP-8500Cと同様に64bit RISCプロセッサーと専用ASICを搭載して高速化を実現したという。印刷解像度は600dpiで、MSPTやC-PGIなどのプリント技術により高画質な印刷を行なうことができるという。

オプションの両面印刷ユニット(5万円)を利用すればカラー毎分5枚、モノクロ毎分13枚の両面印刷が可能。インターフェースはパラレルを標準装備。Ethernetポートはオプション(3万円)。IEEE1394インターフェースカード(5万円)も利用できる。

サイズは幅463×奥行き559×高さ511mm、重さ約44.5kg。発売は6月下旬の予定。

光学解像度1600dpiのスキャナー『ES-8500』、PostScript搭載プリントサーバー『PS-6200』


『エプソン エスパー・スキャナ ES-8500』
『エプソン エスパー・スキャナ ES-8500』



ES-8500はA3対応の企業向けフラットベッドスキャナー。独自開発の『Hyper CCD』により、光学解像度1600dpi、各色14bit入出力と「ドラムスキャナーに迫る高精細入力」(同社)を実現したという。また画像処理専用ASICによりスキャン速度を高速化。A4フルカラー、1600dpiで1枚当たり35秒、A4モノクロ、1600dpiで1枚当たり14秒で済むという。

インターフェースはSCSI-2とUSBを標準装備。オプションのIEEE1394インターフェースカードも利用できる。さらに『ネットワークスキャニングボックス』(7万円)により、Ethernetを介して直接ネットワーク接続することが可能になる。オプションで透過原稿ユニット(10万円)、オートドキュメントフィーダー(15万円)も用意される。Windows/Macintosh対応のTWAINドライバーや、ネットワークスキャナー共有ソフト『EPSON Scan Server』などが付属する。

サイズは幅656×奥行き458×高さ176mm、重さ約22kg。価格は25万8000円。発売は5月31日。

『エプソン PSサーバ PS-6200』 『エプソン PSサーバ PS-6200』



PS-6200は、アドビシステムズのPostScriptを搭載したDTP向けプリントサーバー。CPUに200MHz動作の64bit RISCプロセッサーR5000、64MBのSDRAMメモリー、4GBのHDDを標準搭載した。米Electronics for Imaging社のカラー画像処理技術“ColorWise”を搭載。LP-8500Cと組み合わせて利用することで、PostScript環境での高画質なプリントが可能になるという。

サイズは幅150×奥行き290×高さ350mm、重さ約5kg。価格は60万円で、発売は6月上旬。LP-8500Cとセットにしたモデル『LP-8500CPS』を99万8000円で発売する予定。

エプソン販売専務の白石吉昭氏 エプソン販売専務の白石吉昭氏



低価格化とシェアの両面で激しい競争が続くカラーレーザー市場だが、同社では普及価格帯の製品など新製品を投入することでラインナップを拡充、競争力を高める。都内で開かれた発表会で、エプソン販売専務の白石吉昭氏は、「カラーレーザープリンターの市場規模は、'99年は約9万台だったが、今年は約18万台になる」と予測。その上で「10万台を超える今年がカラーレーザー普及の元年になる。A3機で4万台、A4機で2万台の合計6万台を販売し、シェア3割を獲得したい」と意気込んだ。

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