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シリコンコンテンツ、独自開発の著作権保護技術による画像配信サービスを開始--サンリオが採用を決定

2000年05月12日 00時00分更新

文● 編集部 桑本美鈴

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(株)シリコンコンテンツは、同社が独自に開発した著作権保護技術を利用したインターネット上での画像配信サービス“Exsix”の提供を開始すると本日発表した。

右から、シリコンコンテンツ社長の岩元勇氏、同社会長の野澤正平氏、サービス採用を決めたサンリオの野村達朗氏
右から、シリコンコンテンツ社長の岩元勇氏、同社会長の野澤正平氏、サービス採用を決めたサンリオの野村達朗氏



独自の著作権保護技術と専用ソフトで不正利用をプロテクト

Exsixは、画像ファイルを外側からプロテクトする“ファイルカプセル”形式の著作権保護技術により、画像ファイルの不正コピーを防止しており、コピーされたファイルは使用できない。また画像ファイル自体も暗号化するため、一般のレタッチソフトなどでは画像の編集/加工ができないようになっている。また、画面自体をキャプチャー(スクリーンショット)しようとした場合にもプロテクトがかかり、キャプチャーできないという。また、配信する画像に対して、使用期限を設定することも可能。

Exsixで提供する画像は、家庭で画像をはがきなどにプリントアウトするための“プリントカード”形式と、メールに添付して送信するための“メールカード”形式の2種類。どちらの画像も、購入後に利用するには専用ソフトが必要。この専用ソフトはExsixのサービス専用サイトから無償ダウンロードできる。ソフトはWindows用とMacintosh用が用意されており、それぞれユーザーインターフェースの色調がピンクとブルーの2種類から選択できる。機能はどちらも同じ。

プリントカード用ソフト『ExsixPrint』のピンクバージョン。メールカード用ソフト『ExsixMail』も用意されている
プリントカード用ソフト『ExsixPrint』のピンクバージョン。メールカード用ソフト『ExsixMail』も用意されている



プリントカード形式の画像は、画像購入(ダウンロード)時に印刷枚数を指定し、その枚数分だけプリントアウトできる。指定した枚数分を印刷し終わると、その画像は使用できなくなる。

メールカード形式の画像は、JPEG形式でメールに添付して送信できる。ただし、専用ソフトで画像に何らかの文字入力(メッセージ入力)を行なわないと利用できないようになっている。同社は、今秋にはメールカードもコピーできない独自のファイル形式に変更し、メールカードを受信したユーザーは専用ビューアーまたはウェブブラウザーの専用プラグインを利用して画像を閲覧できるという仕組みに変えていくという。

画像を購入したいユーザーは、サービス用のウェブサイトで専用ソフトをダウンロードし、ユーザー登録を行なう。その後、ユーザーは購入したい画像を選択し、暗号化された画像をダウンロードできる。購入時の決済は、サービス開始当初はSmashとWebMoneyのみだが、クレジットカードや銀行振込、各ISP専用決済などに順次対応していくという。

個人ユーザーも画像配信可能

Exsixは、企業向けの“ExsixServer”と、個人向けの“ExsixGallery”の2種類がある。

ExsixServerは、サービス契約を行なった企業が、自社のウェブサイト上で画像配信サービスを開始できるもので、契約料は5万円。同社は、システムの提供および決済の代行を行ない、売上の30パーセントを手数料として受け取る。

ExsixGalleryは、画像コンテンツに特化したショッピングモールサイトで、サービス契約を行なうと、同社の運営するショッピングモールに仮想店舗を展開できる。決済は同社が代行する。契約料は2万円で、売上の40パーセントが手数料となる。

“ExsixGallery”画面。サムネイル表示された画像コンテンツからほしいものを選択すると、画面右側のショッピングカード部分に表示される
“ExsixGallery”画面。サムネイル表示された画像コンテンツからほしいものを選択すると、画面右側のショッピングカード部分に表示される



現在までに、(株)サンリオ、(株)テレビ東京、(株)講談社、(株)シンコーミュージックなど15社がExsixの採用を予定している。最初にサービスの採用を決めたというサンリオは、ハローキティなど同社のキャラクターのプリントカード画像を配信するサービスを5月16日に開始する。カードは1枚30円で、合計66種類が用意される。

キティちゃんも応援

サンリオが運営するテーマパーク“サンリオピューロランド”内で行なわれた記者発表会の席上で、シリコンコンテンツの代表取締役会長である野澤正平氏は、「画像コンテンツを持っている会社のほとんどが、インターネットでの画像配信に対し、著作権の問題などで悩みを持っている。そういった悩みやリスクを解決するのがExsixだ」と挨拶した。

また、同社代表取締役社長の岩元勇氏は「現在、インターネット上では画像の不正コピーや不正加工が氾濫している状況。そのため正規の画像コンテンツ所有者による画像配信はほとんど行なわれていない。Exsixを利用することで、誰でもすぐに画像配信サービスを行なえるだろう」としている。

サンリオのインターネット事業部の野村達朗氏は、「これまでデジタル画像に関しては、著作権を守るため、低画質のものをCD-ROMに収録して配布するというやりかたをしていた。本当はもっと高品質であるにも関わらず、低画質なものを提供するのは不本意であった。今回Exsixのサービスを利用することで、従来より3倍は高画質になった画像コンテンツをユーザーに提供できる」としている。

同社は、ExsixGalleryの試験運用を本日開始し、6月に本格サービスの提供を行なうという。同社は初年度のExsix契約社数が200社、売上が7億円を目標としている。

発表会場に応援に駆けつけてくれたサンリオピューロランドのキティちゃん
発表会場に応援に駆けつけてくれたサンリオピューロランドのキティちゃん

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