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松下電器がデジタルテレビ用リアルタイムOSを発表

2000年05月11日 00時00分更新

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松下電器産業(株)は11日、デジタルテレビ向けのリアルタイムOS『PiE-OS V2.0』の発表会を都内で行なった。同OSはこれまで国内のDIRECTVやSkyPerfecTVの受信チューナー(セットトップボックス:STB)用にバージョン1.0が、英国のBSkyBなど海外向けのSTB用に機能強化したバージョン1.5が搭載されるなど、すでに2年以上の実績を持つ同社オリジナルのリアルタイムOS。正式な開発発表は今回が初めてとなる。

「DTVにおけるコアソフトとして前バージョンから数百に及ぶ機能を強化した」と話す同社マルチメディア担当取締役の櫛木氏
「DTVにおけるコアソフトとして前バージョンから数百に及ぶ機能を強化した」と話す同社マルチメディア担当取締役の櫛木氏



PiE-OS V2.0の特徴は、(1)日米欧のDTV規格への対応、(2)家電レベルに迫る高い信頼性と使い勝手の提供、(3)ネットワークへの対応――の3点。PiE-OS V2.0は、“PiEカーネル”と“DTVライブラリ”、“ネットワークライブラリ”で構成されており、ドライバーを介して同社製のDTV用システムLSI上で動作する。DTVでは受信した電波から番組情報や制御情報、MPEG-2データなどを取りだしつつ、MPEG-2のデコード処理を行なって映像や音声を出力し、なおかつ同時にデータ放送や電子番組表(EPG)の処理も行なうなど複数の処理を並行して実行することになる。PiE-OSではPiEカーネルにおいて映像や音声などのリアルタイム処理とEPGやデータ放送などのインタラクティブ処理を別々にスケジューリングする“デュアルスケジューリング”機能により映像や音声が途切れない安定した動作を保証している。また、リモコン操作により表示されるウィンドウシステム関係のライブラリを充実させることで使い勝手を向上させるとともに、PiE-OS上のアプリケーション開発を支援するためのシミュレーターやアナライザーなども同時に提供している。ネットワークライブラリはIEEE1394とインターネット(TCP/IP、PPP、POP3、HTTPなど)に対応、HAViやホームネットワークなどのアプリケーションにも容易に対応できる。

今回から設けられたPiE-OSのロゴ。PiEはPersonal Information Entertainmentの略
今回から設けられたPiE-OSのロゴ。PiEはPersonal Information Entertainmentの略



PiE-OS V2.0は今後同社製のBSデジタル放送用STBやDVDレコーダーなどに搭載されるほか、海外向けSTBにも採用、またデジタル家電用OSとして広く使われる予定だ。システムLSIとペアでのOEM供給の動きもあるという。同社はMicrosoftとのリアルタイムOS分野での提携も行なっているが、放送事業者があらかじめOSを指定した場合はそれに従うが、それ以外はPiE-OSを売り込むとしている。なお、この分野ではソニーも『Aperios(アペリオス)』と呼ばれるリアルタイムOSを持っているが(STBやAIBOなどに採用)、今回の発表は今後の営業面も考慮してPiE-OSの名称を浸透させる狙いを含め、同社のDTV事業への意気込みを表わすものと言える。

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