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カノープス、『GeForce2 GTS』を搭載したグラフィックカード『SPECTRA 8400』と、ビジネス向けの『SPECTRA Light T32 PCI』を発表

2000年05月01日 00時00分更新

文● 編集部 佐々木千之

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カノープス(株)は、グラフィックアクセラレーターカード『SPECTRA 8400』と、ビジネス用途向けの価格を抑えた『SPECTRA Light T32 PCI』を5月下旬に発売すると発表した。SPECTRA 8400は、グラフィックチップに米NVIDIA社の『GeForce2 GTS』を採用、32MBのグラフィックメモリーを搭載する。価格はオープン。予想店頭価格は5万5000円程度としている。同Light T32 PCIの価格は2万2800円。

『SPECTRA 8400』

SPECTRA 8400に搭載されている『GeForce2 GTS』SPECTRA 8400に搭載されている『GeForce2 GTS』



『SPECTRA 8400』
『SPECTRA 8400』



SPECTRA 8400は、200MHz動作のGeForce2 GTSを搭載し、カノープスの最上位となるグラフィックアクセラレーターカード。グラフィックメモリーは166MHz動作のDDR(Double Data Rate)SDRAMを搭載する。最大表示モードは2048×1536ドット(1600万色、水平同期周波数95.3kHz、垂直同期周波数60Hz)、設定コントロールユーティリティーソフトと、DVD映像や音楽CD、MP3ファイルなどのプレーヤーソフト『MEDIACRUISE』が付属する。MEDIACRUISEは同社オリジナルで、DVD Videoの再生エンジンには米InterVideo社製を採用、ソフトウェアのパネル部分のデザインは、(株)ケンウッドのカーオーディオ製品などのデザインを手がける(株)ケンウッドデザインが行なった。

SPECTRA 8400に付属する『MEDIACRUISE』
SPECTRA 8400に付属する『MEDIACRUISE』



SPECTRA 8400には、『SPECTRA 7400』で採用された*“SSH”、“DFS”といった高画質のための技術、流体軸受けを採用したチップ冷却ファン(松下電器産業(株)製)、ファンとチップを密着させる*熱伝導率の高いシリコングリースはそのまま採用されている。

*SSH(Signal Super Highway):ビデオDAC(Digital-Analog Converter)から出力されたアナログビデオ信号配線を、カード基板から浮かせることでデジタル回路からのノイズの影響を抑える技術。

*DFS(Dual Filter System):出力するディスプレーの特性に合わせて、2種類のフィルターを切り替えて設定できる仕組み。

*高品質のレギュレーター回路:GeForce2 GTS用として、Athlonプロセッサー用マザーボードでも使われている、4層スイッチングレギュレーターを使用し、一般に使用されている単層スイッチングレギュレーターと比較して、電圧の変動を低く抑えた。

グラフィックチップとメモリーに安定した電源を供給するために、*高品質のレギュレーター回路を用意し、さらにAGPからのグラフィックカードの電流消費が、マザーボードのメモリー向け電流を不安定にしないよう、パソコン内部の電源コネクターから直接電源を取るようにした。SPECTRA 7400では約5割を外部(AGP以外の)電源から取っていたが、8400では約9割と、カードで消費される電力のほとんどを外部から取るようにしたとしている。

*熱伝導率の高いシリコングリース:窒化金属を配合し、従来のシリコングリースと比較して約3倍の熱伝導率を持つ、信越化学工業(株)製『G765』を使用している。

そのほか、DDR SDRAM信号の安定を図るため、*変則6層プリント基板(インピーダンスマッチング基板)を使用、カード上のコンデンサーには通常のアルミニウム電解コンデンサーに比べてノイズに強いなどの特性を持つOS(有機半導体)コンデンサー(三洋電子部品(株)製)を採用している。

*変則6層プリント基板: 通常の多層プリント基板では、それぞれの層の厚みは同じだが、回路のインピーダンス整合を取るために、その厚みを層によって変えたプリント基板。

また、従来グラフィックカードでビデオBIOSの設定変更を行なう場合には、DOSを使って起動して設定ユーティリティーを使う必要があったが、SPECTRA 8400では、プロパティーからビデオBIOSの設定が行なえるため、Windows 2000環境でも設定の変更が行なえる。オプションの、『SPECTRA Video Port 600A』(1万9800円)を使った、ビデオキャプチャー機能もWindows 2000をサポートした。同じくオプションとして、8400からの出力をBNCで行なえる映像出力コネクター『SSH TypeB』(9800円)も用意されている。

カノープスでは、「グラフィックカード市場においては最近、グラフィックチップメーカーが評価用に供給しているリファレンスカードをそのままコピーしたような製品ばかりで、品質の良くないものが出回っている。当社は、グラフィックチップごとにきちんと設計を行なう数少なくなってしまったメーカーとして、画質にこだわった製品を投入する」、「SPECTRA 8400のメモリー容量を64MBにした『SPECTRA 8800』も開発中」としている。

『SPECTRA Light T32 PCI』

『SPECTRA Light T32 PCI』
『SPECTRA Light T32 PCI』



SPECTRA Light T32 PCIは、グラフィックチップにNVIDIA製の『RIVA TNT2 Pro』(142MHz動作)を採用し、32MBのSDRAM(125MHz動作)を搭載したビジネス用途向けグラフィックカード。価格も同社製品としては低く抑えた。

カード基板の幅を狭くしてあり、映像出力コネクター部分(Mini SSH)を取り替えることで、薄型筐体のデスクトップパソコン(ロープロファイルPC)でも使用できるが、現時点ではロープロファイルPC用のMini SSHの販売は未定としている。最大表示モードは1920×1440ドット(1600万色表示、水平同期周波数97.1kHz、垂直同期周波数65Hz)で、設定コントロールユーティリティーソフトが付属する。

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