米AMD社は27日(現地時間)、ニューヨークで年次株主総会を開催、ジェリー・サンダース(W.Jerry
Sanders III)会長兼CEOがスピーチを行なった。
AMDのウェブページに掲載されたリリースによると、スピーチの中でサンダース会長は、「'99年の第2四半期('99年4~6月)には巨額の赤字になったものの、'99年の第4四半期('99年10~12月)には9億6900万ドル(約1033億円)、2000年第1四半期(2000年1~3月)には10億9000万ドル(約1160億円)という収入を得るまでになった。これは長年にわたる、技術の研究開発に投資してきた成果である」と述べた。
フラッシュメモリーについて
今期においては、「研究開発の投資のうち半分以上を、フラッシュメモリーとPCプロセッサーのプロセステクノロジーに向けて振り向ける」という。フラッシュメモリー事業においては、富士通(株)と共同で設立した富士通エイ・エム・ディ(株)を中心に生産を拡大し、2001年中に生産規模を2倍にする予定で、2002年にはさらにその2倍にする計画が進行中であるという。PCプロセッサーについて
PC向けプロセッサーについては、Athlonコアを使ったプロセッサーの総販売数を、2000年第1四半期の120万個から、第2四半期には180万個、第3四半期に360万個、第4四半期に720万個と急激に増加させ、2000年におけるK6ファミリーを含めた同社のPCプロセッサー総出荷数は、2500万個(うちAthlonコアプロセッサーは1380万個)に達すると期待しているという。6月に出荷予定とされている新Athlonプロセッサー“Thunderbird”については、「256KBのオンダイ2次キャッシュメモリーを搭載し、テキサス州のFab 25とドイツのドレスデンに建設したFab 30の両工場で生産する」とした。また、昨日ブランド名が明らかにされたDuronについては、「Fab 25で生産する」、2次キャッシュメモリーの容量については「バリューセグメント向けの競合製品よりも多くのオンチップキャッシュを搭載する」と、Celeron(2次キャッシュメモリー128KB)よりも多くの2次キャッシュメモリーを搭載する可能性について示唆した。
この総会では1GHzで動作するThunderbirdのシステムと、700MHzで動作するDuronのシステムのデモンストレーションが行なわれた。サンダース会長は「今後も動作クロック重視のスタンスは変わらず、クロックにおけるリーディングポジションを維持していく」とし、「もし今のAthlonがホームランだとすれば、これらの新プロセッサーはグランドスラム(満塁ホームラン)だ」と述べた。
さらに続けて、2000年第4四半期にはAthlonコアを拡張したコアを搭載した“Ultimate AMD Athlon”を発表するとした。このプロセッサーでは、「1MBまでのオンダイ2次キャッシュメモリーを備え、パワーマネージメント機能と、いくつかの“驚くような”機能を搭載する」という。
なお、同社が第8世代x86プロセッサーとする“SledgeHammer”については、「またの機会に話すときがあるだろう」と、詳しくは触れられなかったが、「将来は現在のAthlonの地位に取って代わり、さらにワークステーションやハイエンドサーバー市場に浸透していくもの」とした。