このページの本文へ

日本アイ・ビー・エム、DB2ユニバーサル・データベースのバージョンアップ版V7.1を発表

2000年04月25日 00時00分更新

文● 編集部 井上猛雄

  • この記事をはてなブックマークに追加
  • 本文印刷

25日、日本アイ・ビー・エム(株)は、同社のDB2ユニバーサル・データベースを機能強化したバージョンアップ版『DB2 UDB V7.1』を6月16日より出荷すると発表した。

V7の強化ポイントの3本柱は、eビジネスでの機能アップ、他社データベースからの容易な移行性、ビジネス・インテリジェンス機能の統合にある。

まず、eビジネスでの機能強化のポイントは、主にインターネット技術のサポートにある。XML(eXtended markup Language)エクステンダーによって、XML文書のエレメントや属性の索引からすばやく検索できるようになった。逆に企業間でのデータ交換用として、DB2の表からXML文書も作成できる。単語や語句のあいまい検索、ワイルドカードを使用したメモリー内検索(イン・メモリー・サーチ)も可能にしている。オプションの高速テキスト検索『DB2ネット・サーチ・エクステンダー』(価格72万2200円)を利用すれば、1日に9000万件を超えるテキスト検索を実行しながら、応答時間0.5秒未満をキープできる。

これ以外にも、Federatedデータアクセス機能により、DB2をフロントに置いて異なるデータベースにアクセスできる“透過的”なデータ検索も可能。

2番目の強化ポイントには、RDB用言語であるSQL99準拠の『SQL(Structured Query Language)ストアード・プロシージャ言語』に対応したことが挙げられる。これにより他社データベースからのスムーズな移行が可能になった。また、Javaサーブレット環境や開発ツールを提供するウェブアプリケーションサーバー『WebSphere』(スタンダード版 V3.02)も標準でバンドル。これは後述する(株)日立インフォメーションテクノロジーの携帯電話からのアクセス技術を可能にする。

さらに3番目の強化ポイントとして、ビジネス・インテリジェンス機能を統合し、eビジネスのデータを分析するツールを提供。多次元分析機能を備えた『DB2 OLAP(Online Analytical Processing)スターター・キット』を3ユーザーまで試すことができる。これを利用すれば、時間、地域、取引先、販路、製品などを元にして、売上げ金額や在庫数量などのビジネスデータや、利益率やマーケットシェアなどの計算データを分析できるようになる。

オプションとして、単一のユーザーインターフェースを提供するデータウェアハウスセンターの機能を拡張する『DB2ウェアハウスマネージャー』(123万円)や、地理情報DBMSを構築する『DB2地理情報エクステンダー』(100万9000円)なども用意している。

DB2 UDB V7の価格は、パーソナル版が3万8800円、ワークグループ版が12万9900円、エンタープライズ版が184万8000円。エンタープライズ拡張版は237万3000円。いずれも6月16日に発売されるが、サテライト版のみ年末の発売になるという。対応プラットフォームは、AIX、HP-UX、NUMA-Q、Windows95/98、WindowsNT、Windows2000、OS/2、Solaris、Linux。

当日の発表会では、SAPジャパン(株)や日本シーベル(株)の代表者も出席し、対Oracle陣営を組んだ。SAPジャパン、日本シーベルの両者は、日本アイ・ビー・エムとアライアンスを組み、パートナーシップを強化していくとした。すでにSAPジャパンは、同社のERPソリューション『SAP R/3』や『mySAP.com』のデータ―ベースとしてDB2を採用している。また、日本シーベルは同社の製品を販売するための専任スタッフを日本アイ・ビー・エムに配置する。

左より、日本アイ・ビー・エムの長野一隆氏、大沼明穂氏、SAPジャパンの高橋渉氏、日本シーベルの吉田融正氏
左より、日本アイ・ビー・エムの長野一隆氏、大沼明穂氏、SAPジャパンの高橋渉氏、日本シーベルの吉田融正氏



また、同日、(株)日立インフォメーションテクノロジーは、携帯電話からDB2へアクセスできる『ケータイサーバー for DB2』を発表した。これは、日本アイ・ビー・エムのウェブアプリケーションサーバー『WebSphere』と組み合わせることで、DB2上で構築したデータベースに対して、携帯電話からデータを閲覧したり書き込みができるもの。iモードやEZaccess、EZwebなどの携帯電話サービスに対応する。価格は98万円。

『ケータイサーバー for DB2』のデモ。携帯電話で顧客DBに入り、検索をかけて顧客の電話番号を調べる。在庫データベースから商品オーダーもできるようになる
『ケータイサーバー for DB2』のデモ。携帯電話で顧客DBに入り、検索をかけて顧客の電話番号を調べる。在庫データベースから商品オーダーもできるようになる

カテゴリートップへ

注目ニュース

ASCII倶楽部

プレミアムPC試用レポート

ピックアップ

ASCII.jp RSS2.0 配信中

ASCII.jpメール デジタルMac/iPodマガジン