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【MDOnline】WebObjects 4.5の説明会が開催、Mac OS Xでの稼動を強調

2000年04月21日 00時00分更新

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本稿では、20日にアップル本社セミナールームで開催された『WebObjects 4.5』の製品説明会の模様を、MDOから許諾を得て転載する。用字用語は、原文のまま。

アップルジャパンは04/20(木)14:00~16:00に本社セミナールームで、2000年の3月にアップデートされた「WebObjects 4.5」の製品説明会を開催した。

開催にあたって、米AppleでWebObjectsの開発チームに所属する秋本氏を招き、WebObjects 4.5の技術的な観点から説明をすることになった。内容は、はじめにプロダクトマーケティング製品担当の鷲滝氏から、WebObjectsに関しての簡単な説明がされた。3月中旬に日経ビルで開催されたセミナーとほぼ同じ内容で目新しい発表はなかった。

ただ、WebObjectsがJava2やEJB(Enterprise JavaBeans)に対応していないことに軽く触れ、Java2はまだ発展途上段階の技術であって、アップルとしてはまだ本格的に導入する段階ではなく、Mac OS X Client登場を機に徐々に取り入れていきたいという意向を示した。また、米国では導入実績が多いが、日本国内ではインストールベースを増やすべく、中小規模のサイトで導入をターゲットに展開していきたいとも述べた。

続いて、秋本氏が、WebObjects 4.5がどのようにしてダイナミックにRDBMSと連携してHTMLを生成しているのかをスライドで簡単に説明。また、WebObjectsはVer.4.5でマルチキャストを使用した負荷分散機能を搭載し、WebObjectsで生成したアプリケーションに対し、ソースコードの追加・改変なしに、全く同じソフトウェア構成のマシンをネットワーク上に追加するだけでアプリケーションサーバーの負荷を分散させることが出来ることを強調した。

その他、オブジェクト指向を取り入れているため、各オブジェクトを再利用することで開発効率が飛躍的に向上させられることも上げた。

導入事例として、フレームワークスソフトウェアの舛室氏の説明が40分ほど行われた。日産自動車Webサイト「羅針盤」でWebObjectsがどのように使われているのか、なぜWebObjectsを採用したのかなどが紹介された。SoralisとWebObjects3.5、Sybaseの構成で、2年間まったくフリーズなしで運営でき、大変堅牢であることを強調した。

そして、これまでの使用してきた評価として、PerlやCと比較して、開発効率が5~10倍である、UIとロジックが分割されているのでメンテが容易である、習得するにはやや難易度が高い、競合製品がないことをあげた(OracleのWebDBや、MSのIIS、他、SilverStream等々あるが、全機能包括型のアプリケーションサーバー開発環境としては、今のところWebObjectsだけと言える)。

また、WebObjectsを採用したパッケージソリューションとして、ブラウザ上でテンプレートやデータを入力すればHTMLを生成し、指定したFTPへアップすることができる「WebRelease」、顧客からメール問い合わせに対し、複数人数で返答などをしたのか、保留中なのかを管理できる「MailCenter」が紹介された。開発者にとっては、自分で開発できるのでは?と思うかもしれないが、すぐに導入できるパッケージとしては大変魅力的な製品であると感じた。

全体的な説明が若干長引いたため、質問が10分程度に限られてしまった。WebObjects 4.5は、前バージョンにくらべて、50%速度アップしたと言っているが、詳細はどうなのかという質問に対し、EnterpriseObjectFrameworkで30~40%、HTMLを展開する部分で2倍以上速くなっているということを秋本氏が説明した。

また、Mac OS X Server以外のプラットフォームへの展開、サポートは今後どうなるのか、という質問に対し、運用環境、開発環境ともにサポートは継続していくと鷲滝氏がこたえた(Windows 2000など)。が、アップルは今後、Mac OS Xを全面的に押し出し、かつ、その上でWebObjectsも稼働させると付け足した。

全体的に深い技術的な説明や情報がなく、やや物足りなく感じたが、MacOS X Server、WebObjectsといったエンタープライズ向けの製品群をアップルがどう展開していくのかに期待を寄せたい。[倉持哲也 千明社]

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