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コンテンツと映像に焦点をあてた“暮らしのデジタルインパクト展”ポスト展示――デジタルワンダーランドが開催中

2000年04月18日 00時00分更新

文● 編集部 井上猛雄

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東京・港区のTEPIA(機会産業記念館)において、第12回展示“暮らしのデジタルインパクト展――デジタルワンダーランド”が6月16日まで開催されている(日曜休館)。これは3月下旬に終了した“暮らしのデジタルインパクト展”のポスト展示としてリニューアルしたもの。今回は、主にコンテンツ=映像に焦点をあてて展示している。

14日に行なわれた開会式の模様
14日に行なわれた開会式の模様



展示会場の模様。モバイルウェアラブルコーナーより
展示会場の模様。モバイルウェアラブルコーナーより



展示は全部で12のコーナーに分かれている。デジタルスタジオ、デジタルコンテンツ、教育、エンターテインメント系の展示から、福祉・介護、環境技術にいたるまで幅広く紹介。この中で、今回あらたに展示コーナーとして追加されたのは、デジタルスタジオ、エンターテインメントワールド、デジタルコンテンツの3つ。本稿では展示品の中からいくつかをピックアップして紹介する。

デジタルスタジオでは、CG技術の手法を紹介。モデリング、マッピング、アニメーション、レンダリングといった一連の作業から、モーションキャプチャーまで、CG映像が作り上げられていく工程を説明。体の部位に赤外線リフレクター(反射板)を付け、3次元の位置検出をする赤外線モーションキャプチャーなども展示している。

展示員によるデジタルスタジオの説明
展示員によるデジタルスタジオの説明



エンタテインメントワールドでは、CG技術を用いて、仮想モール内を自由に動き回り、店舗内にある商品を紹介する『サイバーミラージュ』などを展示。店舗内の商品は、複数方向から実物の商品を撮影しているため、様々な角度から見られる。表示装置に立体ディスプレーを使えば、店舗や商品を立体的に閲覧することも可能。また、ソニーのメモリースティックの展示や、『プレイステーション2』と『ドリームキャスト』が並んだゲーム体験ブースもある。

ソニーのメモリースティック関連商品の展示
ソニーのメモリースティック関連商品の展示



デジタルコンテンツコーナーでは、東京大学総合研究博物館デジタルミュージアム研究室とパーソナルメディア(株)による『マルチユーザーダンジョン(MUD)』などを展示。MDUは、マルチデータベースを持つサーバーシステムで管理され、コンピューター上に仮想世界を構築する。ネットワークを通じてサーバーにアクセスすると、MDUの世界にユーザーの分身が現われ、仮想環境を表示。ユーザーはその環境の中で自分自身の分身を動かし、様々な操作を可能にする。

これ以外に、すでに展示してあるもので、目を引いた展示品を紹介する。

エントランスにあるトランジスタコンピューター『MARK-IVA』(国立科学博物館)。これは、'57年に電気試験所(現電子技術総合研究所)が開発した国産トランジスタ式計算機『MARK-IV』の改良版。トランジスタを接点型から接合型に変更、論理仕様も変え、メモリーには磁気ドラムを初めて利用した。展示品は磁心記憶装置を増設、語長を10進6桁から8桁に改良し、当時のコンピューターでは最高速度を誇っていた。



コンピューターの歴史を振り返る意味では興味深い展示品『MARK-IVA』。

MARK-IVAの内部。右側が演算部。平均演算時間は4.8ms(乗算) MARK-IVAの内部。右側が演算部。平均演算時間は4.8ms(乗算)



磁気ドラム記憶装置。磁気ドラムの記憶容量は1000語。製造は(株)北辰電機製作所磁気ドラム記憶装置。磁気ドラムの記憶容量は1000語。製造は(株)北辰電機製作所



また、14日には“TEPIAハイテク・ビデオ・コンクール”の入賞作品の表彰式も行なわれた。TEPIAでは、開館以来10年間にわたりハイテク関連映像を収集している。このコンクールは、ビデオライブラリーの柱となる作品を選考するため'91年から毎年開催されているもの。現在約3000点の作品が集まっている。今年度の最優秀作品賞・TEPIAグランプリに“ベンチャービジネスの源流――研究成果を社会へ”(理化学研究所)、最優秀作品賞・経済団体連合会会長賞に“未来につなぐ名工の技”(日本機械工業連合会)、最優秀作品賞・映像文化製作者連盟会長賞には“光とガラスで情報の新世界を拓く――平尾誘起構造プロジェクト”(科学技術振興事業団)が選ばれた。これらの作品はTEPIAライブラリーで視聴できる。

TEPIAハイテク・ビデオ・コンクール、授賞式の模様
TEPIAハイテク・ビデオ・コンクール、授賞式の模様



なお、会期中には展示以外にも、併設イベントとして“アジア・ウェアラブル・ファッショングランプリ2000”(5月12日)なども開催される予定。

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