【Spring Internet World 2000レポート Vol.4】Adobe GoLive 5の全容! JavaScriptを支援する新機能とは?
2000年04月10日 00時00分更新
3日からの5日間(現地時間)、Penton Media社主催のイベント“Spring
Internet World 2000”が米ロサンジェルスのConvention Centerにおいて開催された。900弱の企業が参加し、電子商取引、イントラネット、インターネットサービスプロバイダー、デザイン・開発など、インターネットビジネスをテーマにしたフォーラム、セッション、展示会が催された。
アドビシステムズの展示ブースでは、4日に発表されたウェブオーサリングソフトウェアの新製品『Adobe
GoLive 5.0』などの新機能が大スクリーンを使って惜しみなく披露された。本稿では、同社が展示ブースで紹介していた『Adobe
GoLive 5.0』のユーザーインターフェースと新機能、米アドビシステムズへのインタビューを掲載する。
アドビシステムズの展示ブースにあった『Adobe GoLive 5.0』のコーナー |
ソースコードを直接編集する“360Code”と“GoliveScript Debugger”
現行バージョン『Adobe GoLive 4.0』では“HTMLソースエディター”を使ってHTMLタグを編集することできる。だた実際にこれを使用してみると、せっかく編集したHTMLタグであるのに、『Adobe GoLive 4.0』側でさらに不必要な自動修正をしてしまうという問題がある。また、ほかのウェブオーサリングソフトウェアで作成したHTMLファイルを編集することも難しくなっている。『Adobe GoLive 5.0』では、上記の問題を完全に克服した“360Code”を搭載する。HTMLタグはもちろん、ASP、JavaScrip、XMLなど、あらゆるソースコードを例外なく使用することができる。また、同プログラムはJavaScriptのデバッガーである“GoliveScript Debugger”を搭載している。
“360Code”を使って、レイアウトとソース編集を別々のウインドーで行なえる。レイアウトを確認しながら、ソースコードを直接編集できる |
メニューバーにある“Test”と“Test 2”には、JavaScriptで作成したプログラムが登録されていた |
デザインにこだわるトレース機能
トレース機能は、ページレイアウトの元となる画像ファイルを作業ウインドーに表示する。『Adobe Illustlator』ですでにお馴染みの機能で、表示画像をトレースしながらレイアウトを進めてゆく。この画像はレイアウトの作業工程で使用するだけなので、HTMLタグに反映されることはない。“Tracing Image”パレットからは、元画像、表示の透明度、位置を設定できる。また、トレース画像をアクティブウインドー上でカッティングできる |
Flash(SWF)ファイルの取り込み
『Macromedia Flash』や『Adobe LiveMotion』で作成したFlash(SWF)フォーマットの動画ファイルを取り込むことができる。また、読み込んだ動画でウェブページに使用する箇所を、『Adobe GoLive 5.0』から直接時間選択できる。動画の“Layout”タグでは、レイアウトを編集できる |
ダウンロード条件で検索できるサイトレポート
“Site Report”は、サーバーに置かれているファイルをレポートする機能だ。たとえば、“9600bpsで表示するのに20秒以上掛かる画像ファイル”、“3日以内に編集したファイル”などの条件でリモートファイルを検索することができる。また、このときの検索条件はファイル保存し、後から同じ条件で検索を再実行できる。“Site Report”では、ファイルサイズ、ダウンロードにかかる時間、修正・作成日を条件に、リモートファイルを検索できる |
ショートカットの割り当て
ショートカットキーを、任意に変更できる。変更内容はセット単位で保存されるため、いつでも出荷状態に戻せる。また、用途ごとにセットを作成しておき、場合に応じてショートカットキーを使い分けることが可能だ。このセットは、ファイルに保存したり、テキストファイルへ出力することができる。ショートカットキーの設定画面。『Adobe Illustlator 9』などでも同様の機能があるが、これらのアプリケーションとショートカットキーのセットを共有することはできない |
そのほかの新機能
『Adobe GoLive 5.0』には、上記以外にも、テーブルのセルを選択しやすくした“Table”パレット、複数のデザイナーの同時作業を実現するWebDAV(Web Distributed Authoring and Versioning)プロトコルのサポートなど、さまざまな新機能が搭載される。また、米アドビシステムズでは、同社のホームページ上で『Adobe GoLive 4.0』に関する情報を提供している。(http://www.adobe.com/products/golive/)
GoLive Headquartersで『Adobe GoLive 5.0』をサポート
ascii24編集部では、米アドビシステムズでGoLiveのシニアプロダクトマネージャーを務めるジョン・クランツ(John Kranz)氏へのインタビューを行なった。米アドビシステムズでGoLiveのシニアプロダクトマネージャーを務めるジョン・クランツ氏。展示ブースでのデモストレーションも自身で行っていた |
――“360Code”ではHTML以外にも、JavaScript、ASP、XMLなどの言語をサポートしています。このうち、JavaScriptは“GoliveScript
Debugger”で、ASPは“Dynamic Link”でサポートされていますが、XMLに関してはどうなのでしょうか?
ジョン・クランツ氏(以下、同)「XMLに関しては、現在のところ『Adobe
GoLive 5.0』で“360Code”以外の特別な機能は用意していません」
――“360Code”は素晴らしい機能だとは思いますが、すでに『Macromedia Dreamweaver』が実現しているものと同じではないのでしょうか?
「“360 Code”では、例外なく、あらゆる言語をサポートしています。引き合いに出された『Macromedia
Dreamweaver』では、ASPをサポートしてません」
――3月の“flashfoward 2000”の基調講演において米アドビシステムズは、今後、W3Cが勧告しているScalable
Vector Graphics(SVG)言語をウェブオーサリングの全アドビ製品でサポートすると発表しています。『Adobe
GoLive 5.0』でも、SVGをサポートしているのでしょうか?
「しています。たとえば、『Adobe LiveMotion 1.0』で出力したSVGファイルを、『Adobe
GoLive 5.0』に取り込むことができます」
――『Adobe GoLive 5.0』では、画像オブジェクトの移動を手軽に再現できるようなJavaScriptの自動作成機能は備わっていますか?
「『Adobe GoLive 5.0』は、とても強力なJavaScriptの機能を備えています。たとえば、画像オブジェクトをAからBに移動するようなJavaScriptを、簡単に作成することができます。『Adobe
GoLive 5.0』では、あらかじめ56個のJavaScriptを用意しています。また、今後、ウェブサイト“GoLive
Headquarters”(http://www.golivehq.com/)において、JavaScriptのフリーウェアやシェアウェアのダウンロードサービスを行なってゆく計画です。JavaScriptのコミュニティーを、積極的に支援していきたいと考えています」