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「IAベースのシステムならe-Businessの成長にも即応できる」――インテル社長兼CEOのバレット氏来日

2000年04月10日 00時00分更新

文● 編集部 小林伸也

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インテル(株)は10日、“Intel e-Business Forum 2000”を都内で開催し、来日した米インテル社長兼CEOのクレイグ・バレット(Craig R.Barrett)氏が講演した。バレット氏は「企業の競争力を強化するためにe-Businessは必須」と訴えた。その上で「ビジネスインフラを構築する場合、メインフレームと比べ小さくてオープンなサーバーを追加していく方が柔軟性に優れている」などと述べ、今年後半に正式出荷される64bitプロセッサー“Itanium(アイティニアム)”を初めとするIA(Intel Architecture)ベースのシステムを積極的に売り込んだ。

都内で開かれた“Intel e-Business Forum 2000”
都内で開かれた“Intel e-Business Forum 2000”



バレット氏はまず前提として、「現在、産業の成長をけん引するのはインターネットだ。企業がインターネットを利用してe-Businessを手掛けるのは、よりよいサービスの提供と生産力の向上を図るためだ」と述べた。

インテル社長兼CEOのクレイグ・バレット氏 インテル社長兼CEOのクレイグ・バレット氏



電子商取引(EC)では、オンラインショッピングなどB to C(企業-消費者間取引)が華やかだが、規模の大きさではB to B(企業間取引)がはるかに上回る。日本のB to BのECは、2004年に約8000億ドル(約85兆円)規模に拡大すると予測されている。しかしバレット氏は日本におけるインターネットユーザーの拡大や通信料金の低額化などが進んでいることから、成長が予測を上回る可能性も十分にあるという。その上で「e-Businessは企業の競争力をアップさせるのが目的。日本の将来は、日本がe-Businessでどれだけリーダーシップを発揮できるかにかかっている」と日本企業が積極的にe-Businessに取り組むよう呼び掛けた。

ではe-Businessには何が必要になるのか。従来の企業内ネットワークといえば、社内業務に利用するものがほとんどだった。だが「e-Businessが盛んになり、外部の顧客企業と取引したり、蓄積したデータを元にデータマイニングを行なうなど、e-Businessは指数関数的に成長していき、同様にインフラへの負荷も増大する」。この事態に対応していくため、あらかじめ成長を織り込んだ柔軟なインフラ構築が必要になると指摘した。

そしてこのインフラは、従来のようにメインフレームを基盤とした垂直的なシステムではなく、ERPソフトもECアプリケーションも共通に利用できるオープンで水平型のものでなければならないという。「メインフレームを増やす“スケールアップ”でインフラを拡張する手段もあるが、より小さくオープンなサーバーを継ぎ足して拡張する“スケールアウト”という手段もある」と述べた。ItaniumやPentium III Xeonなど同社のサーバー向けプロセッサーをベースにしたサーバーを組み合わせることで、より柔軟なシステム構築が可能だと強調した。

Itaniumと64bit版のWindows 2000を搭載しているというサーバーがデモで紹介された Itaniumと64bit版のWindows 2000を搭載しているというサーバーがデモで紹介された



バレット氏は昨年来日した際、インテルが「ネットワークのビルディングブロックサプライヤー」であることを強調。今回の講演でも、ブロック(IAベースのWindows NTサーバー)を一つ一つ積み上げる手法でインフラ構築を進めれば、将来の成長や変化にも即応できると主張する。日本では今月から“ソリューション・ワークショップ”を開催し、国内企業にIAベースのシステムを売り込んでいく方針だ。

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