ソニーコミュニケーションネットワーク(株)(以下、SCN)は6日、インターネット音楽配信サービスのプラットフォームの提供を事業とした新会社“株式会社レーベルゲート”を4月上旬に設立すると発表した。新会社社長は、SCN社長の山本泉ニ氏が兼任する。同社は、複数のレコード会社と提携し、楽曲検索用のポータルサイト“Label
Gate”を、5月下旬に本格スタートさせる。(株)ソニー・ミュージックエンタテインメント(SME)や(株)ポニーキャニオンなどレコード協会加盟のレコード会社12社がこれに参画する予定。
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SCNと新会社の社長を兼任する山本泉ニ氏(中央)。記者会見にはSME、エイベックス、キングレコードなどレコード会社6社の代表も出席した |
新会社の設立時の資本金は5000万円で、So-netが全額出資する。5月下旬のポータルサイトの開設に先立ち第三者割当増資を行ない、前出のレコミとは、エイベックス(株)、キングレコード(株)、(株)ジャニーズ・エンタテイメント、(株)ゼティマ、SME、(株)徳間ジャパンコミュニケーションズ、(株)BMGファンハウス、(株)フォーライフレコード、(株)プライエイド・レコーズ、ポニーキャニオン。そのほか、(株)バップ、(株)ワーナーミュージック・ジャパンが参画を予定している
新会社は検索サービスを提供、データ販売は各レコード会社のサイトで
ここでは、サービスの概要を中心に紹介し、各社代表のコメントは続報でお伝えする。新会社が提供するレコード会社に提供するサービスは、(1)ダウンロード楽曲データのホスティングサービス、(2)楽曲検索用のポータルサイト“Label Gate”の開設、(3)ユーザーサポート、(4)課金・決済と著作権保護を目的としたユーザー認証のためのプラットフォーム*の提供。店頭設置型の情報端末や、携帯電話といった次世代流通への対応も視野に入れて事業展開を行なっていくという。
*課金・決済システムについてはSCEが受託
楽曲のデータ販売は、各レコード会社の販売サイトが担当。ユーザーが楽曲を購入する場合、“Label Gate”で楽曲検索を行ない、実際のダウンロードは同サイトとリンクした各レコード会社の販売サイトで行なうことになる。新会社の事業はプラットフォームの提供であり、楽曲の販売について、例えば1曲あたりの販売価格などはレコード会社が決定する。
“Label Gate”の検索サービスを含めた形での本格稼動は、5月下旬。これに先立ち、4月上旬にプレオープンし、4月下旬よりサービスを開始する予定。同サイトに参画を表明している12社のうち、サービス開始当初にダウンロード販売サイトを立ち上げているのはSMEとエイベックスの2社のみ。当面は、この2社が提供する楽曲が、その対象となる見込み。
音楽データの圧縮方式はATRAC3で、AACなど他の方式については今後採用を検討していく。配信技術方式は米IBMが開発した“EMMS(Electronic Music Management System)”を採用。課金方式はVISA/MASTER/JCBのクレジットカード決済、So-netが提供するプロバイダー決済“Smash”、プリペードカード決済のWebMoney。個人情報はSSLにより保護される。
この配信技術方式と課金方式については、必ずしも上記の方式に限定するものではなく、例えば、エイベックスが(株)リキッドオーディオ・ジャパンの配信技術の採用を表明しているように、各レコード会社の方針にあわせ柔軟に対応される見込み。これらも、技術や市場の動向を見ながら、新たな方式の採用を検討する予定。
同事業による2001年3月末までの販売目標には、50万曲ダウンロードで、1曲350円をベースとして計算した場合、約6500万円の手数料売上を見込んでいる。
