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富士通、“picoJava-II”コアのチップを開発し、同チップを搭載した評価キットを販売開始

2000年04月05日 00時00分更新

文● 編集部 高島茂男

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富士通株は4月5日、東京・丸の内の同社において、“picoJava-II*”コアのチップ“MB86799”を開発したと発表した。同チップを搭載した評価ボードや、JTRON準拠OS、ミドルウェア、ドライバーソフトなどをまとめた“J-REALOS/PJ”を6月1日から販売する。価格はJ-REALOS/PJが個別見積り、評価キットが34万8000円。

*picoJava-II:米サン・マイクロシステムズ社が開発したJavaバイトコードを直接、機械語として実行するマイクロプロセッサーコア

Javaチップ“MB86799”
Javaチップ“MB86799”



picoJava-IIコアを採用

同チップは、組み込み用途向けに開発されたもので、携帯電話や携帯端末、携帯ゲーム機、ナビゲーションシステムなど、ネットワーク情報機器の制御に利用されることを想定しているという。

コアにはpicoJava-IIを採用し、Javaバイトコードを直接実行できる。動作周波数66MHz動作時の消費電力は360mW、電源電圧は2.5V。40MHz動作時は、消費電力90mW、電源電圧1.7Vと低消費電力で動作可能となっている。

JTRONサポートパッケージ“J-REALOS/PJ”は、JTRONリアルタイムOS、JTRONクラスライブラリー、JavaVM、JavaAPI、TCP/IPやPPPなどの各種ミドルウェアやドライバーで構成されている。

評価ボードは、Javaアプリケーションを評価するためのAT規格ボード。キーボードやマウス接続端子、シリアルポート、パラレルポート、PCIスロットが搭載されている。グラフィックチップやサウンドチップも搭載されており、あらゆる機能について評価可能だとしている。

評価ボード
評価ボード



開発ツールは、C/C++コンパイラー、アセンブラー、デバッグツールを提供するという。

量産チップは今年の年末頃

富士通の電子デバイス事業部統括部長である三小田雅美氏は、「富士通、(株)富士通研究所、サン・マイクロシステムズの3社の協力で、チップ化できた。これにより、ホスト、サーバーのテクノロジーが組み込み機器に降りて来る。2000年は組み込みJava元年になるのではないか」と語った。

富士通の電子デバイス事業部統括部長である三小田雅美氏
富士通の電子デバイス事業部統括部長である三小田雅美氏



同チップはpicoJava-IIチップとしては世界初のチップ化で、実際に機器に組み込む際には、「今回のチップをコアとしたASICを出荷する」(同氏)という。

ソフトウェアのロイヤリティーは1個あたり数百円程度で、量産チップは今年の年末頃に生産の予定だとしている。

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