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EIAJ、IEEE1394と光ファイバーを利用し400Mbpsで100m以上の長距離データ伝送に成功と発表

2000年03月28日 00時00分更新

文● 編集部 小林伸也

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(社)日本電子機械工業会(EIAJ)は28日、IEEE1394インターフェースとプラスチック製光ファイバー(POF)を利用し、同インターフェースの最高速度400Mbpsを確保しながら100m以上の長距離データ伝送に成功したと発表した。同インターフェースは家電機器を結ぶホームデジタルネットワーク用インターフェースとして有望視されているが、金属線では最長4.5mまでと短いのがネックだった。対応製品は年内にも出荷されるという。

実験では、GI型POFと半導体レーザーを利用し、IEEE1394インターフェースの最高伝送速度である400Mbpsを保ちつつ、100m以上の伝送に成功したという。またマルチレイヤー型POFと発光ダイオードというより安価な組み合わせでも、400Mbpsで最長50mの伝送ができたという。

*GI型(Graded-Index)、マルチレイヤー型とも、光ファイバー内の構造の違いを指す。屈折率が均一で一般的に用いられているSI型(Step-Index)に対し、GI型とマルチレイヤー型は広帯域伝送用に開発された。マルチレイヤー型は同心円状の多層構造で、屈折率が非連続的に多段化している。これに対しGI型では屈折率が連続的に変化し、入射光は屈折率の分布に従いサインカーブを描いて伝播する。

IEEE1394インターフェースは、高速ながら金属線では最長4.5mまでと伝送距離が短いのが難点とされてきた。また多数の機器と接続した場合、金属線では機器へのノイズ漏れが問題になる。これらの問題を解決するものとして光ファイバーによる伝送に期待が集まり、ソニー(株)とシャープ(株)が“IEEE1394POF”規格の策定を進めるなど、実用化に向け動きが活発化している。

従来では200Mbpsで最長50mが限界だったが、今回の実験はこれを伝送速度、距離で上回る。EIAJでは「家庭内のデジタル機器をPOFですべてネットワーク化できるということ。家庭内では50mで十分と言われているが、100mにまで伸びたことで新しい利用法も考えられる」としている。新技術に対応した製品は年内にも発売される見込み。

実験は、家庭内ネットワークを推進する通産省の委託事業として行なわれた。参加メンバーは慶應義塾大学教授の小池康博氏と、松下電器産業(株)、三菱電機(株)、(株)日立製作所、三洋電機(株)、日本ビクター(株)、セイコーエプソン(株)、(株)ケンウッド、インフォシティ(株)、(株)テクノスコープ、スカイ・シンク・システム(株)、(株)プロメディアの10社。

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