このページの本文へ

ベリサイン、事業戦略を説明--これからのBtoB取引には取引を証明できるデジタルレシートがキーになる

2000年03月28日 00時00分更新

文● 編集部 高島茂男

  • この記事をはてなブックマークに追加
  • 本文印刷

米ベリサイン社と日本ベリサイン(株)は28日、都内において、ベリサインの事業戦略と、電子認証の最新動向を紹介する会見を行なった。

その席で、米ベリサインの社長兼CEOであるストラトン・スクラボス(Stratton Sclavos)氏は、「これからのBtoB取引には取引を証明できるデジタルレシートがキーになる」と語った。米Network Solutions社(NSI)の買収が独占禁止法の対象にされるのではないかという質問に対して、「インターネット時代では、直近をみるのではなく、今後20年、30年先をにらんで企業を構築していくことが大事」と質問をかわした。

4月には、デジタルレシート、親展通信のサービスを開始

米ベリサインのスクラボス社長は、「2、3年前であれば、eビジネスといえば、“Amazon.com”“E*TRADE”だった。しかし現在では、世界各地のさまざまな業界の企業がeビジネスに向かってきて、いろいろなやり方を行なっている」と、今まさにeビジネスに変革が起きていると語った。

米ベリサインのスクラボス社長
米ベリサインのスクラボス社長



「eビジネスをきちんと実現していくためには“信頼”が大事。その信頼が物理的な社会の信頼から、デジタルな社会の信頼に移行してきている」、「ベリサインは、まず“認証”、次に“支払い能力があるのか”、そして最後に“取引を証明できるか”といったインターネット上で信頼を提供するサービスを提供している」と、同社の事業を紹介した。

スクラボス氏は今後の事業展開に関して、「来月には、“デジタルレシート”、“親展通信のメッセージ”などのサービスを開始する」、「これからのBtoB取引では、取引を証明できるデジタルレシートがキーになってくる」と述べた。

XML関連では、「2000年第3四半期に、ベリサインとして最初のXMLのサービスを出す」と、デジタル署名をしたXML、デジタルレシートサービスの2つを開発中であると語った。

3社の買収でユーザーのすべての要求を満たせる

スクラボス氏は、「昨年12月の南アのThawte Consulting社と米Siginio社、今年3月のNSIの買収により、顧客がeビジネスに求めるサービスにおいて、すべての要求を満たせるようになる」と、3社の買収について述べた。Thawte Consultingは認証サービスを、Siginioはインターネットでの支払いのプラットフォームを提供する会社。NSIはインターネットドメインのレジストリー/レジストラーの会社。

質疑応答で、NSIの買収が独占禁止法の対象にされるのではないかという質問に対して、「インターネット時代では、直近をみるのではなく、今後20年、30年先をにらんで企業を構築していくことが大事」と質問をかわした。

この点に関して、(株)国際調達情報の代表取締役社長であるロバート・コネリー(Robert F. Connelly)氏は、3月24日の“第2回インターネット・ガバナンス”の講演で、「ベリサインのNSI買収は、米商務省がOKしないだろう」とコメントしていた。

3月末には8000のウェブサーバーに証明書を発行できる見込み

日本ベリサインの代表取締役社長である児玉皓次氏は、「認証、証明書の日本の市場は、米国のそれに比べて、2、3年遅れている。しかし、2006年には1人1枚の証明書を持つぐらいに普及していくのではないか」と展望を述べた。

日本ベリサインの児玉皓次社長
日本ベリサインの児玉皓次社長



「日本では2003年にBtoBの3分の1が、BtoCの10パーセントが電子認証を使用するという資料がある」と説明し、3月末までにはウェブサーバーの証明書を8000に近い数字発行できるのではないかと語った。

認証や証明書については、「交通や通信、電力といったユーティリティーのように、認証や証明書がデジタルの世界で当たり前に存在するという概念で考えている」と、ユーザーが特に意識せず、当たり前に認証や証明書を利用するようにようになると述べた。

あわせて同日、日本ベリサインは、“ファイヤーウォール・トレーニング”“PKIによる電子商取引のセキュリティ確保 トレーニングコース”の2つのセキュリティー教育プログラムを5月に開始すると発表した。

カテゴリートップへ

注目ニュース

ASCII倶楽部

プレミアムPC試用レポート

ピックアップ

ASCII.jp RSS2.0 配信中

ASCII.jpメール デジタルMac/iPodマガジン