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JPNIC、“第2回インターネット・ガバナンスに関する研究会”を開催--認定レジストラーになる方法

2000年03月27日 00時00分更新

文● 編集部 高島茂男

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(社)日本ネットワークインフォメーションセンター(JPNIC)は24日、“第2回インターネット・ガバナンスに関する研究会*”を開催した。

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インターネット・ガバナンスに関する研究会:ICANNを中心に、インターネットの資源調整に関する国際的動向の情報提供や、テーマを設定して定期的に定例会を開催し、理解を深めることが目的の研究会。2000年7月までの設置で、月1回程度の定例会を開催

今回は、(株)国際調達情報の代表取締役社長であるロバート・コネリー(Robert F. Connelly)氏が、ドメイン名の登録ができるレジストラービジネスの始め方などを講演した。そのほか、3月7日~10日にエジプトのカイロで開催されたICANNカイロ会合の報告などが行なわれた。

コネリー氏はまず、米Network Solutions社(NSI)が独占的に行なっていた“.com”“.org”“.net”といったドメイン名の登録を、NSI以外のレジストラーがそれを行なえるようになるまでの流れを説明した。

ロバート・コネリー(Robert F. Connelly)氏
ロバート・コネリー(Robert F. Connelly)氏



商標は消費者保護のためのもの

ICANNの統一ドメイン名紛争処理のポリシーについて、商標というのは消費者保護のためのもので、ドメイン名紛争ではレジストラーの処理能力が問われると語った。

コネリー氏は「商標というのは、消費者を保護するためにあるもの。その商標の製品が、確かにその商標を所有する企業の製品であることを明確に理解できるためのもの」と、本来はそういうものであったはずと述べた。

インターネットのドメイン名では、商標やその変形が本来の商標の所有者以外によって登録され、“居座り”などが発生。「これまではいくらでも登録できた。うその住所、氏名、電話番号でも登録できたので、訴訟したくても相手がわからないといった問題もあった。ドメインを申し込んだら支払い義務が応じる形であれば、こういった居座りなどは減少していくだろう」

「こういったドメイン名紛争が発生した場合、レジストラー側にも何らかの責任がある。レジストラーは、ドメインがほかに移されるのを防ぐなどの適切な処置を取らないと、レジストラーの評判が落ちることになるだろう」と語った。

レジストラーになるには

次にコネリー氏は、ICANN認定のレジストラーになるにはどうすればよいのかを簡単に解説した。

それによると、まずICANNに1000ドル(約10万7000円)の出願料と申請書類を提出する。「申請書類が日本語だと翻訳に係る時間が必要。英語の申請に比べて、認可が出るまでに時間が余分にかかる」(コネリー氏)という。

レジストラー事業を運営するための資金として、最低7万ドル(約750万円)の運営資金があることが必要。これは、たとえば銀行の残高証明書などで証明する必要があるという。

次に認可が下りた後には、認可料として5000ドル(約53万円)を支払う。さらに契約履行保証として、10万ドル(約1070万円)のボンドや保険で保証を行なう。

あとはレジストラーとして運用していくためのシステムや、顧客との契約事項などを整備すれば、事業を開始できるという。認定レジストラーの詳細は、ICANNのウェブページを参照してほしい。

ICANNカイロ会合では大きな動きはなし

JPNIC副理事のの丸山直昌氏は、「カイロでは大きな動きはなかったが、横浜で重要な決定がみられるのではないだろうか」と語った。JPNICによるICANNカイロ会合の報告では、“Names Council”が新gTLD(global Top-Level Domain)の導入に関する勧告を4月20日までに理事会に提出することが決議。この勧告を受け、理事会は横浜の会合でポリシー案などの決議を行なう予定だという。ICANN横浜会合は、7月15日・16日に開催される予定。

一般会員組織“At-Large”のメンバー登録状況についても報告され、それによるとICANNの目標であった5000名は達成できたという。しかし、そのほとんどが北米からの登録であり、アジアからの登録が少ない点を指摘。アジアの意見を反映させるためにも、At-Largeへの積極的な登録を呼びかけていた。

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