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米セキュジェン、電子商取引分野の指紋認証市場拡大で日本法人を設立――新素材による携帯電話向け認証ユニットを発表

2000年03月22日 00時00分更新

文● 若菜麻里

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独自の指紋認証技術を用いた製品開発・販売を行なう日本セキュアジェネレーション(株)は、22日、米国の本社にあたる米セキュジェンの代表取締役社長兼CEOのジュン・ヤン・アーン(Jun-Young Ahn)氏の来日に伴い、同社の経営および製品戦略を発表した。

向かって左から、米セキュジェン代表取締役社長兼CEOのジュン・ヤン・アーン氏、通訳、日本セキュアジェネレーション代表取締役社長の秋葉茂隆氏、ビジネスブレイン太田昭和の代表取締役社長の堀内英紀氏
向かって左から、米セキュジェン代表取締役社長兼CEOのジュン・ヤン・アーン氏、通訳、日本セキュアジェネレーション代表取締役社長の秋葉茂隆氏、ビジネスブレイン太田昭和の代表取締役社長の堀内英紀氏



日本セキュアジェネレーションは、米セキュジェンの日本法人として、2000年1月5日に設立された。資本金は1億4000万円。株主は、米セキュジェンが65%、経営コンサルティング会社の(株)ビジネスブレイン太田昭和が35%だ。社員数は、現在10名。

主力の製品は、指紋認証ユニットを搭載したマウス『EyeD(アイディー)マウスII』や、パソコン用の指紋確認装置『EyeDハムスター』だ。2製品ともに、価格はオープンで、推定価格は、1万4800円。本年度の売上は、約10億円を目指す。販売代理店経由で販売する予定で、本年中に10社と提携予定としている。さらに、指紋認証ユニットの国内組み込みベンダーへの販売を行ない、PC関連製品やATM、キオスク端末、入退室管理製品、ドアロックなどの製品を展開する予定という。

EyeDマウスII。PS/2ポートおよびパラレルポート(パススルー機能付き)の両方に接続して利用する
EyeDマウスII。PS/2ポートおよびパラレルポート(パススルー機能付き)の両方に接続して利用する



EyeDマウスIIのデモ。指を認証ユニット部分にあてて、システムにログインしようとしているところ
EyeDマウスIIのデモ。指を認証ユニット部分にあてて、システムにログインしようとしているところ



電子商取引の市場の拡大で指紋認証のニーズが増加

日本セキュアジェネレーション代表取締役社長の秋葉茂隆氏は、「生物学的な特徴を利用したバイオメトリクス認証は、パスワードによる認証に比べて、忘れたり、盗まれたりしないのが利点だ。バイオメトリクスの種類には、指紋のほか、顔、手相、目の虹彩、声、署名などが挙げられる」と説明した。「1999年の時点で、そうしたバイオメトリクス認証市場は約90億円、そのうち、指紋認証は3分の1にあたる約30億円だ。2002年には、指紋認証市場は、約880億円になると推定されている((社)日本防犯設備協会調べ)。さらに、米ガートナーグループの予測では、今年から来年にかけての動向として、米国では、1.8億人がインターネットで商品を購入。全企業の33%がバイオメトリクス認証を利用し、またネット利用者の65%がバイオメトリクス認証を利用する見込み」と語り、電子商取引の普及により、指紋認証の市場規模が急激に増加していると強調した。

同社の指紋認証ユニットの競合他社に対する優位点として、秋葉氏は、「精度の高さ、価格の安さ、コンパクトなサイズ」を挙げた。特に、「精度は、他人のなりすまし(他人許容率)を0.001%以下、また本人なのに認証されない確率(本人拒否率)を、0.1%に抑えた」としている。「今後、ハードウェア、ソフトウェア、SIなどにおいて、各社と提携し、付加価値をつけた再販を行なっていきたい」としており、当面はチャネル販売に力を入れていき、店頭販売は行わない方針であることを示した。

携帯電話向けの新素材の指紋認証ユニットを開発

同社では、今後、電子商取引における指紋認証技術の適用に力を入れていくという。アーン氏は、「電子商取引分野に関しては、カナダのING Direct BANKとの間で、インターネット・バンキングにおける指紋認証システムを利用したセキュリティーシステムを共同開発することで合意している。またINGでは、新規に口座を開設した顧客に対し、インターネット・バンキング向けに無償で弊社の指紋認証機能つきのマウスを提供し、付加価値のある売買を実現した。他社でも指紋認証を手がけているが、実際の電子商取引市場で利用されているのは、弊社の製品だけであり、事実上、リーダーカンパニーだ」とアピールした。

日本セキュアジェネレーションに関してアーン氏は、「電子商取引分野における基盤の確立を目指して、今年前半をメドに資本金を3億円追加で投資する。また、日本市場において、電子商取引関連の会社と広く提携していく予定」と語った。また「指紋認証ユニットの小型化に向けて、研究開発を重ねており、携帯電話向けの認証ユニットも開発中」であることを明らかにした。携帯電話向けのユニットの読み取り方式は、同社のマウス製品に用いられている光学ガラスや、他社で用いられている半導体ではなく、次世代の素材を開発中だという。「この素材は、単価が1~2ドル(約110~220円)程度。開発は、ほぼ完了している。しかし、市場での反響などをあらゆる角度から検討しており、大手電機メーカーとの提携が実現した段階で、実際に市場に投入したい」としている。

アーン氏は、「家のドアの施錠や、車のドアのロック、会社のパソコンへのログイン、携帯電話を利用した株の売買など、あらゆる場面で指紋認証を使うような世の中がいずれ日本にくる。その手伝いをしたい」と、日本進出への抱負を述べた。

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