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【INTERVIEW】ビジネス情報配信サービス“factiva Intranet”を今夏に開始--米ファクティバ社のグレゴリー・ガーディ副社長

2000年03月21日 00時00分更新

文● 編集部 高島茂男

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米ファクティバ社のプロダクト・マーケティング担当副社長のグレゴリー・ガーディ(Gregory P. Gerdy)氏が、ファクティバが提供しているサービスのマーケティング調査などのために来日した。ascii24編集部では17日に、東京・神谷町にあるロイター・ジャパン(株)のオフィスにて、ガーディ氏にファクティバの事業やサービスについて、お話を伺った。

ファクティバ、プロダクト・マーケティング担当副社長のグレゴリー・ガーディ氏。米ニューヨークタイムズインフォメーションサービス社でデータベースの構築やオンライン版ニューヨークタイムズに携わった後、'83年にダウジョーンズに入社。“ダウジョーンズ・インタラクティブ”の開発やマーケティングなどに従事。'99年5月ファクティバの設立により、現職に
ファクティバ、プロダクト・マーケティング担当副社長のグレゴリー・ガーディ氏。米ニューヨークタイムズインフォメーションサービス社でデータベースの構築やオンライン版ニューヨークタイムズに携わった後、'83年にダウジョーンズに入社。“ダウジョーンズ・インタラクティブ”の開発やマーケティングなどに従事。'99年5月ファクティバの設立により、現職に



ファクティバは、米ダウジョーンズ社と英ロイター社が共同で設立した会社。同社は、これまで競合製品だった“ダウジョーンズ・インタラクティブ”と“ロイター・ビジネス・ブリーフィング”両方の開発と販売を行ない、今年度中には両製品を統合した新しいサービスの提供を開始するという。

factiva ロゴfactiva ロゴ



ダウジョーンズ・インタラクティブ
ダウジョーンズ・インタラクティブ



ロイター・ビジネス・ブリーフィング
ロイター・ビジネス・ブリーフィング



7000を超えるニュースソース

--まず、ファクティバがどのような事業を行なっているか教えてください。

ガーディ「ファクティバは、ビジネスニュースやインフォメーションサービスをグローバルな企業に提供するのが主な事業です」

--どのような形で提供するのでしょうか?

「2つのビジネスがあります。これはまだ仮称ですが、1つが“factiva Intranet(ファクティバ・イントラネット)”。もう1つが“factiva.com(ファクティバ・ドット・コム)”です」

「ファクティバは、7000を超えるニュースソースや、産業、ビジネスの新聞、雑誌などと提携して、最新記事と保存記事をビジネスニュースとして提供しています。それに加えて、企業情報、財務情報、投資情報などを提供しています」

--7000もあるとユーザーは情報に埋もれてしまうのではないでしょうか? ユーザーが記事を選んだり、ファクティバがセレクトして配信するのでしょうか?

「記事は、基本的にユーザーがセレクトできるシステムを採用しています。媒体を選択できたり、キーワードで収集したい情報を絞り込んだりできます」

--“factiva Intranet”の場合、すべてが配信され、それを検索するのでしょうか?

「“factiva Intranet”の場合、企業がプロフィール(媒体の選択やキーワードなどの条件)の設定をあらかじめ行ないます。これはいくつ設定してもいいのですが、このプロフィールに基づいた情報を、ファクティバがイントラネットに配信することになります」

--ドットコムのほうはどうでしょうか?

「“factiva.com”の場合は、ファクティバのデータベースに蓄積してある情報に対して検索をすることになりますので、すべての情報が対象になります」

「最新の情報をイントラネット上の比較的多数のユーザーに提供するのが、“factiva Intranet”。一方、個別のユーザーがあるトピックに関して深い検索を行なう場合に使用するのが“factiva.com”。そうイメージしていただければいいかと思います」

“factiva Intranet”は今夏にサービス開始

--“factiva Intranet”はブラウザーでニュースを読むことができるのでしょうか?

「“factiva Intranet”は、ウェブブラウザーで見ることも、企業が構築したシステムで利用することもできます」

--サービスはいつから開始されるのでしょうか?

「“factiva Intranet”は、今年の夏に全世界を対象にサービス開始したいと思います。“factiva.com”については、まだ具体的には決まっていません」

「ロイターが提供している“ロイター・ビジネス・ブリーフィング”、ダウジョーンズが提供している“ダウジョーンズ・インタラクティブ”ともにうまくいっています。ファクティバは、それぞれの製品をベースにして、“factiva Intranet”、“factiva.com”を構築していくわけです」

--現行でうまくいっているサービスとどう差別化していくのでしょうか?

「(新しいサービスを提供する)背景には、顧客からの要望で、1つのサービスでグローバルなコンテンツを提供できないかという要望がありました」

「また、ダウジョーンズがどちらかといえば北米に強い。ロイターがヨーロッパやアジアに強いという面があります。そこで、両方を組み合わせることで、コンテンツ、セールス、サポートなどをグローバル化できるというメリットもあります」

英語からサービスを開始し、日本語でも提供する

--グローバルなサービスということは日本語やフランス語などのサービスも行なっていくのでしょうか?

「21の言語のコンテンツ、11言語のユーザーインターフェースを提供していきます。立ち上げの時点では、まず英語からサービスを開始していきます。日本語はコンテンツ、ユーザーインターフェースともにサポートします」

--日本語のサービスはいつ頃から提供されるのでしょうか?

「ロイター・ビジネス・ブリーフィングは日本語でもサービスを行なっていますので、今の段階でもまったくないというわけではありません。コンテンツの検索の場合でも、英語のコンテンツ、日本語のコンテンツ、または両方という検索を行なえます」

「ファクティバでの日本語サービスの開始時期を、明確にお答えすることは残念ながらできません」

--ビジネス面でいえば、ロイターやダウジョーンズの名前を使用してサービスを行なったほうがよいと思うのですが、あえてファクティバの名前で行なうのはどうしてでしょうか?

「ダウジョーンズやロイターといった、既に確立された名前を捨てるということではありません。ファクティバの下には、ダウジョーンズとロイターの名前も明記します。今、インターネット関連の会社、ドットコム企業が台頭してきていますが、ファクティバもインターネット関連の会社であるということを示すためにあえて新しいブランドを作りました」

「製品開発は、カスタマーに意見を聞いたり、実際に利用者がどのように利用しているかを観察したりして、開発を進めています」

--サービスのターゲット、目標を教えてください

「ターゲットとしては、世界のトップ2000社。長期的には中規模の企業にも浸透させていきたいと考えています。個人を相手にしたサービスをまったく考えていないというわけではありませんが、基本的には企業向けのサービスです」

--ビジネス情報以外のサービスも提供する予定はありますか?

「ビジネス情報以外のサービスを行なうこともあるかもしれません。また、PDAや携帯電話などに向けたサービスも検討しています」

--ありがとうございました

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