このページの本文へ

【Oracle e-business Days Vol.4】Oracle8i R8.1.6のXML対応により、アプリケーションの開発効率がアップ

2000年03月16日 00時00分更新

文● 若菜麻里

  • この記事をはてなブックマークに追加
  • 本文印刷

日本オラクルが3月15日から16日にかけて開催中のイベント“Oracle e-business Days”の初日は、午前中に基調講演が2講演、また午後に28セッションが行なわれた。その中のひとつ、“Oracle8iとXMLを利用したアプリケーション構築例”では、同社のマーケティング統括本部システム製品統括部サーバーテクノロジーグループの赤木伸氏を講師に迎え、最新のデータベース製品『Oracle8i R8.1.6』(以下、R8.1.6)でのXML(eXtensible Markup Language)関連の新機能を中心に紹介した。

日本オラクル、システム製品統括部サーバーテクノロジーグループの赤木氏
日本オラクル、システム製品統括部サーバーテクノロジーグループの赤木氏



XMLは、インターネットで企業間取り引きを行なう際のデータ交換のための記述言語として、近年注目されている。R8.1.6では、XMLへの対応が強化され、基本コンポーネント製品“Oracle XML Developer's Kit”が提供されたほか、Javaのクラスライブラリーの“XML SQL Utility for Java”、ウェブアプリケーションで利用可能なJavaのプログラム(サーブレット)“XSQL Servlet”をサポートした。

基本コンポーネントを集めたXML Developer's Kit

Oracle XML Developer's Kit(XDK)は、XML文書の読み込みや操作、変換、閲覧のための基本的なコンポーネントの集まりで、XML文書が文法的に正しいか分析する“Oracle XML Parser”や、DTD(Document Type Definition)に基づいてクラスを生成する“Oracle XML Class Generator”、Javaアプリケーション向けのコンポーネント“Oracle XML Transviewer Beans”で構成される。赤木氏は、生成されたクラスを利用してXMLを出力するサンプルコードなどを示しながら、「複雑な処理をしないなら、XML Class Generatorを利用してXML文書を作成すれば、作業が効率化できる。またXML Transviewer Beansは、“JDeveloper”と統合することで、XMLを用いたデータベースアプリケーションが作成できる」と、性能をアピールした。

Javaのクラスライブラリを提供するSQL Utility for Java

XML SQL Utility for Javaは、データベースにクエリーを投げることによって、その結果をXML文書として生成可能なJavaクラス群だ。またXML文書をデータベースのテーブルに書き込める。赤木氏は、XML SQL UtilityによりネストしたXMLの例などについて、サンプルコードを用いて説明した。また、これらのコンポーネントの関連性について、「まず、クエリーをXML SQL Utilityに投げることで、XML文書またはDTDが生成できる。ここで生成したDTDをXML Class Generatorに送ることで、各要素ごとにクラスが生成される。これらのクラスを用いたJavaのアプリケーションで、XML文書を生成できる。ここで生成されたXML文書は、DBのスキーマから作成したDTDを用いているため、そのままXML SQL Utilityを利用することにより、簡単にDBに挿入できる。また、XML SQL Utilityで作成したXML文書はXSLなどと共にXML Transviewer Beansを利用して、閲覧や操作ができる」。

問い合わせ結果をXML形式に置換するXSQL Servlet

XSQL Servletは、ウェブサーバーのサーブレットとして動作するツールだ。XML文書内の<xsql:query>タグ内にSELECT文を埋め込んでおくと、その部分の問い合わせ結果を表わすXMLに変換される。またスタイルシートを用いて、HTMLなどに変換できる。

「XSQL Servletを利用すれば、複数のXSQLファイルに対して、ひとつのスタイルシートを使うことにより、デザインが統一できる。それとは逆に、ひとつのXSQLファイルを複数のスタイルシートに変更し、ユーザーごとに見せるデータと見せないデータを振り分けることなどが可能だ。XSQLは、通常のHTMLと同様、コンパイルの必要がなく、開発が非常に容易であることも特徴だ」。

最後に、同社の新人3人が共同で作成した、ワークフローによる週報システムの一部が紹介された。「新人はそれぞれ、Javaの経験が半年、XMLのスキルはゼロだったが、アーキテクチャーを完全に3分割し、分担を3つに分けることで、約1ヵ月という短い期間で完成した」と赤木氏は話しており、R8.1.6のXMLにおける開発効率の高さを強調した。

カテゴリートップへ

注目ニュース

ASCII倶楽部

プレミアムPC試用レポート

ピックアップ

ASCII.jp RSS2.0 配信中

ASCII.jpメール デジタルMac/iPodマガジン