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【Oracle e-business Days Vol.2】Java 2の実行環境を搭載した『Oracle8i R8.1.6』を発表

2000年03月15日 00時00分更新

文● 編集部 高島茂男

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日本オラクル(株)は3月15日と16日、東京・赤坂でセミナー“Oracle e-business Days”を開催している。同セミナーは、同社の最新データベース『Oracle8i R8.1.6』をはじめとする製品群、およびその導入事例などを紹介するというもの。午前の基調講演に続いて、同製品の出荷について記者会見が行なわれた。

同製品は、eビジネス環境に必要となる機能を備えたリレーショナルデータベース。最新バージョンでは、Java 2 Enterprise Edition(J2EE)を基本に、Java 2標準に準拠したサーバーサイドJava実行環境が搭載された。XMLにも対応しているほか、音声やビデオなどマルチメディアのデータの管理も行なえるようになったという。

価格は、UNIX版が320万円(8同時ユーザー)から、Windows NT/2000版が160万円(同)から。出荷は4月28日から。Linux版は米国で4月、日本で6、7月ごろの予定という。

同製品では、“プライマリーノード”と“セカンダリーノード”の2つのノードに特化してパフォーマンスの向上をめざした。プライマリーノードで更新処理を、セカンダリーノードで検索や管理の処理を行なうことで、スケーラビリティーが向上したとしている。Java実行環境でも、セッションごとのVMの割り当て、メモリーのリソースを無駄使いしないようにしたことで、eビジネスで数千のユーザーが同時にアクセスできるスケーラビティーを確保できたという。

XMLは、XMLをそのまま文書のフォーマットとして扱う方法と、XMLをアプリケーション間のデータ交換のフォーマットとして捉える方法の2つのパターンに対応している。フォーマットとして捉える方法では、XMLをテキストやHTMLに変換して、アプリケーションへ渡す。

コンテンツ管理の面では、オプションの『Oracle interMedia』で、テキストや画像のほかに、MP3などの音声やMPEG形式などのビデオを扱える。ストリーミングサーバー“RealServer”と連携して、ストリーミング配信もできるという。

意思決定支援という面では、OLAP処理を行なうアプリケーション開発のために、ランキングを求める、上位10位を取り出すといった分析関数が新たに追加され、SQLによるデータ分析が可能になったとしている。

日本オラクル常務取締役の吉田明充氏は「米国と比べて、3、4倍のIT投資額の格差がある。数年、米国より遅れているとすれば、2000年には日本でもITへの投資が大きく見直され、投資がなされていくのではないだろうか」と述べ、同製品のリリースのタイミングがそれに合っていることを示唆した。

日本オラクルの吉田明充常務取締役日本オラクルの吉田明充常務取締役



基調講演に続いて参加した、マーケティング統括本部システム製品統括部バイスプレジデントである佐藤聡俊氏も、「(同社に持ちかけられる)案件の多くがクラアント/サーバーシステムから、インターネットにシフトしてきた」と述べた。

また、R8.1.6については、「R8.1.6をマイルストーンとして、てんこ盛りで全部盛り込んだ」、「(同製品の周辺製品も)R8.1.6ベースで出荷していく」とも語った。

Javaの技術者について佐藤氏は「Javaに関わっている人が少ないようだ。Javaの技術者を組織化するなり、Javaの開発ファームに商売が流れていく仕組みを何らかの形で考えていく必要があるかもしれない」と、ビジネスプロセスをインプリメントしていくことも検討すると付け加えた。

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