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シャープ、富士ゼロックス、米ゼロックス、インクジェットプリンターの開発と生産を協業体制に

2000年03月15日 00時00分更新

文● 編集部 井上猛雄

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15日、シャープ(株)、富士ゼロックス(株)、米ゼロックスコーポレーションは、東京・千代田区の赤坂プリンスホテルにおいて、インクジェットプリンターの開発、生産で協業すると発表した。

この協業体制の狙いは、それぞれが持つ資産を活用して、新しいエンジンを作り出すことにある。富士ゼロックスは、インクジェットプリンターの基幹部分の開発と生産を、シャープはその基幹部分を用いたプリンティングベースエンジンとインクジェット商品の開発生産を担当する。キヤノン、HP、エプソンなど、現在大きなシェアを占めるプリンターメーカーに対して、十分な競争力のある低価格な製品を投入していく。製品第1弾は、米ゼロックスコーポレーションが、6月から欧州、北米市場に向けに発売していく予定。

なお、コアとなる共通エンジンは、フィリピンにあるシャープの合弁会社で生産する。あくまで技術開発、生産体制の協力であり、販売についてはそれぞれのメーカーが持つ流通チャネルで行なうことになる。

シャープのドキュメントシステム事業部副本部長、田中豊基氏は、「インターネットの急速な普及によって、いつでも誰でもどこでも情報を入手できる時代になった。それに伴ってインクジェットプリンターの急速な需要拡大が見込まれている。また、オフィスの中のワークスタイルも変化しており、オフィスの分散化が始まっている。サテライトオフィスやSOHOなどにマッチした機器が必要になってきた」と語り、SOHO分野でのカラープリンターの必要性を強調した。

左から、シャープの田中氏、富士ゼロックスの川井氏、米ゼロックスコーポレーションのJames Miller氏
左から、シャープの田中氏、富士ゼロックスの川井氏、米ゼロックスコーポレーションのJames Miller氏



富士ゼロックスの執行役員兼パートナービジネス統括部長、川井巖氏は、「少人数の事業家が確実に増加し、SOHO市場に対する大きな需要が見込まれている。我々はインクジェットの技術、従来から研究している高品質な印字技術を提供し、SOHO市場に戦略的な展開を図っていく」と、3社協業体制の意気込みを示した。

また、米ゼロックスコーポレーションのゼネラルマネージャー、James Miller氏も来日した。

「レーザープリンターのように高品質で、高速なインクジェットプリンターを開発し、数十億円の市場を創出していく。6月に発売する予定の新製品については、通常3色を一体化しているインクカートリッジを、個別のインクタンクを持つインクロジックにする。これによりインクのコストが安くできるようになる。また、プリントヘッドの交換をしなくても済む長寿命ヘッドを採用する。パテントを取った双方向印刷により、1度の走査で印刷できるため、カラー印刷の速度が50パーセント速くなる」と、新製品のアウトラインについて説明した。

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