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オンライン特許市場の米yet2.com、トヨタやシーメンスら19社が取引に参加と発表

2000年03月13日 00時00分更新

文● 編集部 小林伸也

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知的財産のオンライン市場を運営する米yet2.com社は13日、同社の市場にトヨタ自動車(株)や独シーメンス社など大手企業19社が新たに参加したと発表し、都内で記者発表会を開いた。同社では「眠っている特許をインターネットを通じて企業が利用し合うことで、研究開発の効率化が図れる」としている。

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yet2.comは、特許技術など企業が持つ知的財産をインターネット上で取引する市場。米化学大手のデュポン社らの出資で昨年設立され、今年2月初めにサービスを開始した。

サイトでは、参加企業が登録した特許技術の概略を公開。ある企業が掲載された技術の利用を希望すれば、同社を通じて企業間で交渉が行なわれる。取引が成立した場合、同社は手数料として取引額の10パーセント(最高5万ドル(約525万円)まで)を受け取る仕組み。このシステムについて、同社ではビジネスモデル特許を出願中としている。

今回新たに参加したのは、トヨタやシーメンスのほか、(株)東芝や富士写真フイルム(株)、東レ(株)、三井化学(株)ら国内の10社と、英BT社、オランダのフィリップス・エレクトロニクス社、独ポルシェ社など海外9社の計19社。すでに参加している米3M社や米ボーイング社らと合わせ、参加企業は合計36社となった。

右から花王取締役の美濃順亮氏、yet2.com社長のベン・デュポン氏、同社アジア太平洋販売担当副社長の玉川惟正氏。デュポン氏はデュポン社創業者の8代目。同サイトのアイデアを考案した 右から花王取締役の美濃順亮氏、yet2.com社長のベン・デュポン氏、同社アジア太平洋販売担当副社長の玉川惟正氏。デュポン氏はデュポン社創業者の8代目。同サイトのアイデアを考案した



記者発表に出席した同社社長のベン・デュポン(Ben du Pont)氏は、「yet2.comは売り手と買い手を効率よく結びつける市場。知的財産など無形資産が有形資産と同様に重要になっている。インターネット上の市場を利用することで、企業は有益な知的財産を効率良く活用することが可能になる」と同社サイトのメリットを強調。さらに200社が参加を表明しているとし、年内には登録技術1万件、参加企業500社を目指すという。

新規参加企業の代表として出席した花王(株)取締役の美濃順亮氏は、「企業が取得した特許のおよそ3割は休眠しており、投資した企業だけでなく、その特許を利用してほかの開発ができるかもしれない企業にとってもロスとなる。知的財産共有のプラットフォームとしてyet2.comに期待したい」と語り、企業にとってもインターネット経由で素早く技術が入手できる場は有益だとした。

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