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シャープ、ネットワークデバイスへの取り組みを説明――ワイヤレスLANに光ファイバーネットワーク、デジタル放送も

2000年03月10日 00時00分更新

文● 編集部 小林伸也

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シャープ(株)は10日、同社電子部品事業本部が手掛けるネットワークデバイスをテーマとした記者懇談会を都内の同社ビルで開いた。ワイヤレスLANや光ファイバーを利用したホームネットワーク構想や、日本でも開始が近いデジタル放送受信モジュールなどについて説明。試作品を含むさまざまなデバイスが披露された。

説明したのは同社取締役で電子事業本部長の谷善平氏。電子事業本部では、DVD読取用の赤色半導体レーザー素子や光ファイバー伝送システム、デジタル放送関連モジュールなどの開発を担当している。特にオプトデバイスの世界シェアは16年連続でトップとなっている。

シャープ電子事業本部長の谷善平氏
シャープ電子事業本部長の谷善平氏



懇談会での説明をもとに、同本部が手掛けるデバイスを紹介する。

地上波デジタル放送の受信用システムモジュール。同社は「デジタル化した放送はネットワークの一部」と位置づけてデジタル放送に取り組んでいる。だが欧米での普及率は伸び悩んでいるため、モジュールの出荷も足を引っ張られている状況という
地上波デジタル放送の受信用システムモジュール。同社は「デジタル化した放送はネットワークの一部」と位置づけてデジタル放送に取り組んでいる。だが欧米での普及率は伸び悩んでいるため、モジュールの出荷も足を引っ張られている状況という



これは地上波デジタル放送受信用のPCカード一体型チューナーのモックアップ。アンテナは伸縮式のバーアンテナだけ。同社がイギリスで受信実験を行なったところ、アナログ放送では伸縮アンテナではゴーストやひずみがひどかったが、デジタル方式では良好な画像が得られたという。デジタル方式では受信さえできれば、データ処理によって良好な画像を見ることが可能。そのためバーアンテナだけでも十分なのだという。自動車など移動体での快適な視聴も期待できる
これは地上波デジタル放送受信用のPCカード一体型チューナーのモックアップ。アンテナは伸縮式のバーアンテナだけ。同社がイギリスで受信実験を行なったところ、アナログ放送では伸縮アンテナではゴーストやひずみがひどかったが、デジタル方式では良好な画像が得られたという。デジタル方式では受信さえできれば、データ処理によって良好な画像を見ることが可能。そのためバーアンテナだけでも十分なのだという。自動車など移動体での快適な視聴も期待できる



同社が力を入れるSS(Spread Spectrum)ワイヤレス通信を実現するユニット。ワイヤレスLANの規格であるIEEE802.11もSSだ。NTT-MEのダイヤルアップルーター『MN128 SOHO Slotin』のワイヤレスユニットもシャープ製。パソコン同士のデータ転送のほか、ビデオカメラなどにモジュールを組み込むといった応用がありうるという
同社が力を入れるSS(Spread Spectrum)ワイヤレス通信を実現するユニット。ワイヤレスLANの規格であるIEEE802.11もSSだ。NTT-MEのダイヤルアップルーター『MN128 SOHO Slotin』のワイヤレスユニットもシャープ製。パソコン同士のデータ転送のほか、ビデオカメラなどにモジュールを組み込むといった応用がありうるという



これはコンパクトフラッシュサイズのBluetoothユニットのサンプル
これはコンパクトフラッシュサイズのBluetoothユニットのサンプル



シャープは、ソニー(株)と共同で“IEEE1394POF”と呼ばれる規格の策定を進めている。POFはPlastic Optical Fiberの略で、1本の光ファイバーで双方向の通信が可能なよう工夫されているという。金属線では電磁波ノイズが漏れて他の機器に影響を及ぼすため、あまり長く引き回せないのがネック。光ファイバーならノイズ漏れは完全に防げるため、電子レンジやDVD、パソコンなどを結んだホームネットワークの構築に適しているというわけだ。IEEE1394が基本のため、転送速度は最高400Mbps
シャープは、ソニー(株)と共同で“IEEE1394POF”と呼ばれる規格の策定を進めている。POFはPlastic Optical Fiberの略で、1本の光ファイバーで双方向の通信が可能なよう工夫されているという。金属線では電磁波ノイズが漏れて他の機器に影響を及ぼすため、あまり長く引き回せないのがネック。光ファイバーならノイズ漏れは完全に防げるため、電子レンジやDVD、パソコンなどを結んだホームネットワークの構築に適しているというわけだ。IEEE1394が基本のため、転送速度は最高400Mbps

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