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各社の最新デジタルカメラが一堂に――“フォトエキスポ 2000”開幕

2000年03月03日 00時00分更新

文● 編集部 小林伸也

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“フォトエキスポ 2000”が3日、東京・池袋のサンシャインシティ(コンベンションセンター、文化会館)で始まった。期間は5日までの3日間。“日本カメラショー2000”(主催:日本写真機工業会)と“写真映像用品ショー”(主催:日本写真映像用品工業会)の共同企画で、写真関連の国内最大の展示会。展示スペースが年々増えているデジタルカメラ関連では、各社から出そろった300万画素モデルに人気が集中。旭光学工業(株)(ペンタックス)が参考出品した200万画素タイプや、キヤノン(株)のEOSベースの一眼レフなど、国内では初披露のモデルも見られる。

大阪では3月17日~19日、マイドームおおさかで。名古屋では4月7日~9日、吹上ホールで
大阪では3月17日~19日、マイドームおおさかで。名古屋では4月7日~9日、吹上ホールで



注目の300万画素クラスの新製品

デジタルカメラでは、ニコン(株)とオリンパス光学工業(株)が発表した300万画素クラスの新製品に注目が集まった。両社ともブースの半分をデジタルカメラにあて、実機を数台おいて実際に操作できるようになっていた。実物が出展されるのは国内では初めてで、来場者は感触を確かめようとブースの前に列を作っていた。

オリンパスの『CAMEDIA C-3030ZOOM』。撮影間隔の短さに驚く来場者が多かった
オリンパスの『CAMEDIA C-3030ZOOM』。撮影間隔の短さに驚く来場者が多かった



ニコンの『COOLPIX 990』。来場者の注目ポイントは、ボディー裏側の測距点選択用の十字キー。十字に配列された5点の測距点を十字キーで選ぶ方式は、同社の一眼レフではおなじみだが、デジタルカメラでは初めて
ニコンの『COOLPIX 990』。来場者の注目ポイントは、ボディー裏側の測距点選択用の十字キー。十字に配列された5点の測距点を十字キーで選ぶ方式は、同社の一眼レフではおなじみだが、デジタルカメラでは初めて



国内初お目見えのペンタックス、キヤノンの参考出品モデル

ペンタックスは、米ヒューレット・パッカード社と共同開発中のデジタルカメラ『EI-2000』『EI-200』(名称は両製品とも仮称)を参考出品した。これは2月に米国で開かれたPMA(米国最大の写真関連ショー)で発表されたもので、日本で披露されるのは初めて。

左が一眼レフのEI-2000。レンズ交換はできない。右は実像式ファインダー搭載のEI-200
左が一眼レフのEI-2000。レンズ交換はできない。右は実像式ファインダー搭載のEI-200



掲示されたスペックによると、EI-2000は2/3インチで224万画素のCCDを搭載し、記録画素数は1600×1280ピクセル。35mm換算で34~107mmの3倍ズームレンズを搭載し、2cmまでのマクロ撮影が可能。ファインダーはTTL一眼ファインダー(視度補正付き)となっている。液晶ディスプレーは2インチTFT。露出モードは10モード、測光は3モード(多分割、中央部重点、スポットの3つだろう)、ホワイトバランスは5モード。記録メディアはコンパクトフラッシュで、インターフェースはUSBのほか、IrDA(バージョンは不明)、AV出力(NTSC/PAL)を備えている。

EI-200は、1/2.7インチの211万画素CCDを搭載し、記録画素数は1600×1200ピクセル。35mm換算で34~108mmの3倍ズームレンズを搭載しているが、こちらは一眼レフではなく実像式のファインダーとなる。マクロ撮影は10cmまで。2インチのTFT液晶ディスプレーを搭載、露出モードは10モード、測光モードは3モード、ホワイトバランスは4モード。記録メディアは同じくコンパクトフラッシュで、インターフェースもUSBとIrDA、AV出力(NTSC/PAL)を備えている点でEI-2000と同じ。

注目の発売時期や価格については未定とのこと。だが一度デジタルカメラで失敗しているペンタックスが満を持して発売する製品だけに期待も大きい。

キヤノンが参考出品したEOSベースのレンズ交換式一眼レフデジタルカメラ
キヤノンが参考出品したEOSベースのレンズ交換式一眼レフデジタルカメラ



キヤノン(株)は、同社の銀塩一眼レフ“EOS”シリーズをベースにしたレンズ交換式一眼レフデジタルカメラを参考出品した。PMAやCeBIT(ドイツで開催された情報通信関連の見本市)では展示されていたが、こちらも国内での披露は初めてとなる。

同製品で分かっているのは、300万画素以上のCCDを搭載し、同社の“EFレンズ”が使用可能、発売は今年秋――という点だけ。担当者にさらに聞いてみたところ、ボディーは『EOS Kiss』ベースではなく、新たに設計し直したものという。測距点の数などは不明だが、オートフォーカスのスピードなど、全体のレスポンスはハイエンド機に比べれば遅くなりそうだ。製品名は“EOS Dxxx(xは数字)”が有力。

注目の価格だが、製品が「ハイアマチュアからプロのサブカメラを想定している」(担当者)だけあって、可能な限り安く設定してくるのは間違いなさそう。「開発側に『20万円以下なら売れる』と進言したところ、悲鳴を上げていました」(同)とのことで、果たしてどうなるのか。

(株)リコーのブースでは昨年発売の200万画素機を展示。CeBITで参考出品した300万画素モデルは「発売日、価格ともまったく未定」とのことでブースには展示されなかった
(株)リコーのブースでは昨年発売の200万画素機を展示。CeBITで参考出品した300万画素モデルは「発売日、価格ともまったく未定」とのことでブースには展示されなかった



(株)セイコーエプソンは、パソコンレスでデジタルカメラの画像をプリントできる“プリントン”シリーズの新製品をデモ
(株)セイコーエプソンは、パソコンレスでデジタルカメラの画像をプリントできる“プリントン”シリーズの新製品をデモ



デジタルカメラも多く出品されたフォトエキスポだが、今回の本命はやはり銀塩最高級一眼レフの『EOS-1V』。48点測距、毎秒10コマの連写性能を誇る最新プロ用モデル。前機種の『EOS-1N』と操作感がほとんど変わらないのもプロ用機の証明
デジタルカメラも多く出品されたフォトエキスポだが、今回の本命はやはり銀塩最高級一眼レフの『EOS-1V』。48点測距、毎秒10コマの連写性能を誇る最新プロ用モデル。前機種の『EOS-1N』と操作感がほとんど変わらないのもプロ用機の証明



会場でもっとも人だかりができていたのは、最新カメラを展示した大手メーカーのブースではなく、なんと(株)コシナが出品していた“フォクトレンダー”ブランドのレンジファインダー機『BESSA-R』の展示スペース。ハイスペック化とデジタル化への反動からか、特に中年世代が熱い視線を送っていた
会場でもっとも人だかりができていたのは、最新カメラを展示した大手メーカーのブースではなく、なんと(株)コシナが出品していた“フォクトレンダー”ブランドのレンジファインダー機『BESSA-R』の展示スペース。ハイスペック化とデジタル化への反動からか、特に中年世代が熱い視線を送っていた



カメラマニアにとって“パナソニック”は汎用ストロボのブランドである。松下電器産業(株)/ウエスト電気(株)の最新ストロボは“スレーブ機能”を搭載する。別のストロボの光を感知してほぼ同時に発行するもので、これを応用すればシンクロ接点のないデジタルカメラでも増灯撮影が可能になるだろう
カメラマニアにとって“パナソニック”は汎用ストロボのブランドである。松下電器産業(株)/ウエスト電気(株)の最新ストロボは“スレーブ機能”を搭載する。別のストロボの光を感知してほぼ同時に発行するもので、これを応用すればシンクロ接点のないデジタルカメラでも増灯撮影が可能になるだろう



老舗の三脚メーカー、スリック(株)は小型三脚をPR。小さいので三脚を胸にあててがっちり固定する、といった使い方もできる。CCDやレンズの性能を云々する前に、まずは手ぶれを追放しよう
老舗の三脚メーカー、スリック(株)は小型三脚をPR。小さいので三脚を胸にあててがっちり固定する、といった使い方もできる。CCDやレンズの性能を云々する前に、まずは手ぶれを追放しよう

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