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'99年は液晶ディスプレーやCD-R/RWが大幅な伸び――JEIDAの情報端末市場調査

2000年03月02日 00時00分更新

文● 編集部 小林伸也

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(社)日本電子工業振興協会(JEIDA)は2日、'99年の情報端末関連機器の市場実績を発表した。情報関連市場の伸びに合わせて軒並み前年を上回り、特に液晶ディスプレーは国内、世界とも前年比2倍近くの大幅増。またCD-R/RWドライブも世界で同1.7倍の出荷増となった。

 調査結果を報告するJEIDAの担当者ら
調査結果を報告するJEIDAの担当者ら



液晶とCRTが明暗を分ける

液晶ディスプレーは世界全体では469万台(前年比193%増)、国内は220万台(同175%増)。ノートパソコン用のパネルは世界で1921万台(同26%増)、携帯情報端末用パネルは世界で660万台(同47%)となった。JEIDAでは、「価格の低下と品揃えの充実で需要が急拡大し、出荷実績は当初の見込みを大幅に上回った」とし、今年以降も各社の増産を予測。液晶ディスプレーは2002年、世界全体で1274万台の出荷を見込んだ。

これに対し、CRTディスプレーは国内で300万台、前年比12%の減少となった。低価格パソコンの人気で健闘したものの、液晶ディスプレー普及の影響が大きかったという。ただ19インチ以上の大型タイプは法人需要に支えられ堅調だった。

インクジェットプリンターが順調、低価格化で金額は小幅な伸びに

プリンターは、世界全体で7295万台(同16%増)、金額で3兆8178億円(同5%増)。国内では618万台(同35%増)、4939億円(同16%)となり、前年に引き続き順調に伸び続けている。

方式別では70%以上がインクジェット式で、世界で5123万台(同22%増)、1兆3274億円(同1%減)、国内で469万台(同45%増)、1573億円(同19%増)となっている。台数の伸びに比べ、金額の伸びは世界全体ではマイナス、国内でも小幅にとどまった。JEIDAは「米国では100ドル(約10万700円)プリンターがヒットするなど、平均価格の下落が響いている」と分析している。

今後の予測として、「単にパソコンに接続するだけでなく、ゲーム機やテレビに接続して使用するなど、ホーム市場向けに新しい形態の製品が登場するだろう」と見ている。

スキャナーは国内のみの集計。コンシューマー向けのフラットベッドタイプは237万台、同46%増の高い伸び。カラーインクジェットプリンターの普及と歩調を合わせるように増加を見せおり、インターフェースにUSBを採用したタイプが受けたと見ている。これに対しフィルムスキャナーは9万3000台と同35%の減だった。

今後の見通しでは、フラットベッドタイプを中心に2002年には503万台まで増加。フラットベッドタイプは2001年に解像度600dpiタイプがピークとなり、2002年に1200dpiタイプに置き換わっていくと予測している。

国内で高い割合の2.5インチHDD、CD-R/RWドライブがMOドライブを上回った

HDDはコンピューター需要の伸びに伴い、順調な増加傾向を見せており、「コンピューターシステムにおけるプライマリーなストレージとしての地位は今後も変わらない」とした。世界全体では1億6577万台(同16%増)で、国内は545万台(同29%増)。うち2.5インチタイプの割合は世界で13%なのに対し、国内では38%と高くなっている。JEIDAでは、国内におけるノートパソコンの生産比率の高さを理由として挙げている。

光ディスク装置では、デスクトップ用ハーフハイト型のCD-ROMドライブが減少し、厚さ17mm以下の薄型タイプが世界全体で2240万台、同64%増の好調だった。またDVD-ROMドライブは世界で1600万台(同141%増)、国内で150万台(同133%増)と著しい伸びを見せた。

CD-R/RWドライブは世界で1550万台(同174%増、日本で135万台(同45%増)の飛躍的な伸び。おもに3.5インチMOドライブが属する“その他の追記・書換型装置”は国内で110万台(同106%)で、CD-R/RWドライブがMOドライブを上回ったことが明らかになった。

今後の予測では、2002年にはCD-ROMドライブとDVD-ROMドライブの出荷台数が逆転。またCD-R/RWドライブは2002年に世界で5500万台、日本で487万台と引き続き大きく伸びるとしている。

FDDは手軽さと低価格で、'99年は世界全体で1億3400万台が出荷されたとしている。だが今年後半から普及が始まるとされる“レガシーフリーPC”によりFDDの搭載率が低下。2000年の出荷はほぼ横ばいで、今後はマイナス成長になると予測した。

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