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三洋電機、複数の圧縮形式に対応したデジタル携帯プレーヤーを発表--音楽配信サイトも開設

2000年03月01日 00時00分更新

文● 編集部 伊藤咲子

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三洋電機(株)は1日、携帯型デジタル音楽プレーヤー『デジタルメモリプレーヤー SSP-PD7』を発表した。MP3とAAC方式という2種類の音楽データに対応する。

また、“マルチデコードシステム”と呼ぶ技術を独自に開発し、MP3/AAC以外の音楽データも再生できるようになるという。同機の開発と製造およサポートは、三洋テクノ・サウンド(株)。4月21日発売で、価格は3万7000円。

『SSP-PD7』。愛称は、“Solid State Audio Player”。“マルチデコードシステム”を開発するにあたり、テキサス・インスツルメンツ社のプログラマブルDSPの供給を受けた 『SSP-PD7』。愛称は、“Solid State Audio Player”。“マルチデコードシステム”を開発するにあたり、テキサス・インスツルメンツ社のプログラマブルDSPの供給を受けた



独自方式で複数のフォーマットを再生可能

“複数の圧縮方式の再生に対応する”携帯型音楽プレーヤーは、すでに市場に出ている。これらの携帯プレーヤーでは、本体が再生できる圧縮形式は1つで、実際は付属のデータ変換ソフトを使って再圧縮を行なった上、プレーヤー本体(の記録メディア)にデータを送信するという方式を採用している。この場合、元データを複数回圧縮してしまうことから、データの劣化が1つの問題となっている。

『SSP-PD7』では、独自開発の“マルチデコードシステム”を採用。このシステムは、音楽データにデコードプログラムをバンドルした形で、パソコンからプレーヤー本体にデータを送るというもの。プレーヤー本体にはデコードモジュールがインストールされているが、このモジュールを更新することで、MP3/AAC以外の圧縮フォーマットでも再生を可能にするという。

1枚の記録メディア内に複数の圧縮形式のデータを混在させることも可能。モジュールの更新データは、同社サイト内で配布する予定。

ただし、圧縮方式の追加スケジュールは現在のところ未定。同社によれば、ATRAC3など他の圧縮形式も技術的には再生可能だが、権利問題などハードルが残っているという。

著作権保護にSR3を採用

また、同機は著作権保護技術として、ポータブル携帯型プレーヤーとしてはじめて、米リキッドオーディオ社の“SP3(Secure Portable Player Platform)”を採用。これは、SDMIに対応した技術で、不正な書き換えやコピーを防止するというもの。記録メディアはMultiMediaCardで、32MBのメディアが1枚付属する。圧縮レートは64Kbpsから128Kbpsまでの4段階から選択でき、32MBのメディアの場合、総録音時間は64Kbpsで約60分。

左が『SSP-PD7』の裏蓋を開けたところ。記録メディアと電池が見える 左が『SSP-PD7』の裏蓋を開けたところ。記録メディアと電池が見える



パソコンとの接続インターフェースはUSB。リキッドオーディオ社と共同開発した音楽再生・管理ソフトを付属し、3分の曲を10秒でダウンロードできるという。付属ソフトの対応OSはWindows 98。

プレーヤー本体の電源は、単4のアルカリ電池またはニッケル水素電池。アルカリ電池の場合、約5時間の連続再生に対応する。本体サイズは、幅38.6×奥行き24.8×高さ83.5mmで、重さは電池と記録メディア込みで58g。

三洋テクノ・サウンド企画部用品開発部部長の横田十九雄氏。「本体の小型・軽量化を目指した結果、記録メディアはMultiMediaCard」 三洋テクノ・サウンド企画部用品開発部部長の横田十九雄氏。「本体の小型・軽量化を目指した結果、記録メディアはMultiMediaCard」



同機の月産台数は2万台、三洋テクノ・サウンド企画部用品開発部部長の横田十九雄氏は、「今回発表したプレーヤーで、10パーセントの市場シェアを狙う」と語った。また、今後の商品展開について、2000年半ばのリリースを目指してヘッドホンタイプのプレーヤーの開発を進めているという

音楽配信サイトも開設

また同社は同機の発売に合わせ、音楽配信サイト“SOUND BOUTIQUE”を4月21日に開設する。音楽配信技術はリキッドオーディオ社の“リキッドオーディオ”を採用し、データ圧縮方式はAAC。

販売する楽曲は、上田正樹などナビゲーターのお勧め曲、韓国、香港などアジア発のワールドミュージック、関西発のアマチュアバンドなど。価格は1曲200円より。決済方式は、同社が運営するインターネットプロバイダー“SANNET”の会員決済で、夏より電子マネー決済に対応する予定。


“SOUND BOUTIQUE”の画面例。同社が、3月中旬に実証実験を開始する音楽コンテンツ販売端末の名前も“サウンドブティック”

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