このページの本文へ

SGI、米本社のビショップCEOが来日--バックエンドシステムに関する事業を縮小し、SI事業に注力

2000年02月29日 00時00分更新

文● 編集部 伊藤咲子

  • この記事をはてなブックマークに追加
  • 本文印刷

日本SGI(株)は29日、米SGIのロバート・ビショップ(Robert Bishop)CEOの来日記者会見を行なった。同氏は'99年8月にCEOに就任、国内で記者会見を行なうのは今回が初めて。明日3月1日に都内で開催するプライベートショー“SGI Solution Forum 2000”に先立ち、同社の事業戦略について語った。

米SGI社CEOのロバート・ビショップ氏。なお同氏は、スケジュールの都合により、明日のプライベートショーには出席しない 米SGI社CEOのロバート・ビショップ氏。なお同氏は、スケジュールの都合により、明日のプライベートショーには出席しない



同氏は今後の事業展開を説明するにあたり、どの市場を狙った製品・サービスを展開するのか、全体的なビジョンを説明した。

「21世紀におけるテクノロジー分野の進展は、技術と人々の持つ才能との融合によって果たされるであろう。SGIは、例えばコンピューターエンジニア、科学者、クリエーターなど、ことに“才能”に関する分野に特化したサービス・製品群を提供しようと考える」

「そのためには、高速かつ膨大なデータに対応できる処理能力、可視化といった能力を持たなければならない。具体的にはSGIは今後、(1)テレコミュニケーションの分野、(2)教育や医療、化学を含むサイエンスの分野、(3)自動車や飛行機など製造業の分野、(4)政府の情報機関や軍事防衛などインテリジェンスの分野--、以上4つの分野と、ビジネスインテリジェンスの分野に、コンピューティング能力を提供したい」

バックエンドシステムの事業を縮小し、SI事業に注力

続いて同氏は、今後の会社運営方針として「今後は、アプリケーションやモジュールなどソフト資源を持つパートナー企業と一緒に、SI(System Integration)事業を展開したい」と語った。現在、同社のハードウェアとソフトウェアの売上比率は8.5対1.5だが、3年後にはそれを6:4にしたいという。

さらに同氏は、「バックエンドのシステムについては、市場から安くて良いものを調達し、コンポーネントレベルでの製造を徐々に減らしたいと考える」とし、この方針にともなう具体的な事業の再構築として、以下の2つを挙げた。

・同社は'96年、スーパーコンピューターメーカーの米クレイ・リサーチ社を合併したが、この部隊が担当していた部分を、他の会社に譲渡する
・同社は'92年、ミップスコンピューターシステムズ社を合併、プロセッサーの開発事業を手がけるミップステクノロジーズ社を設立し、その65パーセントの株式を保有しているが、これを段階的に売却する

なお、同じく企業買収によって設立したもう1つの会社で、グラフィックアプリケーションの開発事業を行なっているエイリアス・ウェーブフロント社については、現状のまま展開する。一方、CPUについて、同社はこれまでR14000などMIPS系CPUの製造を独自に手掛けてきた一方で、インテルアーキテクチャーの採用も行なってきたが、これについても特に変更を行なわないという。

カテゴリートップへ

注目ニュース

ASCII倶楽部

プレミアムPC試用レポート

ピックアップ

ASCII.jp RSS2.0 配信中

ASCII.jpメール デジタルMac/iPodマガジン