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【CeBIT 2000レポート Vol.5】インテル、インターネット企業への転換を強調、新プロセッサーのデモは控え目に

2000年02月25日 00時00分更新

文● 編集部 小林伸也

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“CeBIT 2000”会場で、米インテル社はプレス向けにカンファレンスを開いた。同社は「我々はe-Businessを実現するビルディングブロックのサプライヤーだ」と強調。単なるプロダクト指向の企業ではなく、次世代e-Businessの構築に積極的に関わるインターネット企業を目指す同社の姿勢がはっきり打ち出された。1.5GHz動作のWillametteコアやサーバー用次世代プロセッサーItaniumのデモも行なわれたが、あくまでe-Businessを実現するキーパーツとしての位置付けで、デモ自体は控え目なものとなった。



プレスカンファレンスには、同社e-Businessマーケティング担当副社長のジョン・デービス(John Davies)氏と、エンタープライズサーバーグループ担当副社長のマイク・フィスター(Mike Fister)氏が出席した。

ジョン・デービス氏 ジョン・デービス氏



まずデービス氏は、「すべてのビジネスはe-Businessになるだろう」として今後数年間で企業間の電子商取引(EC)の規模が数倍に跳ね上がることを指摘。同社もまた、受発注などをオンラインに移し、インターネットでの売上では世界最大の企業となっていることを示した。

ただこれまでのe-Businessは、「物を単に販売したり、トランザクションを行なうだけにとどまっている」と指摘。今後はBtoC(企業対消費者)からBtoB(企業間)までシステムを統合し、顧客に対するウェブの徹底的なカスタマイズや取引(BtoB)の自動化など、顧客志向のe-Businessが必要になると説いた。

次世代のe-Businessでは、顧客側ではPDAや携帯電話などモバイル機器の活用が進む。この時、デスクトップパソコンはビジネスの情報を統合する“パーソナルサーバー”になるとした。このパソコンに搭載されるのが、1GHz動作のPentium IIIであり、次世代のプロセッサーコアであるWillametteだという。

Willametteのデモは、画面に動作クロックを表示してみせただけ
Willametteのデモは、画面に動作クロックを表示してみせただけ



このマシンがPentium III-1GHzを搭載しているという。そのことはOutlook 2000を利用したパーソナルサーバーのデモの最中、デモンストレーターとデービス氏との掛け合いで明らかにされた。「ところでこのマシン、プロセッサーの動作クロックは?」「1GHzですよ」「ほほう、1GHz」。これ以上の紹介はなかった
このマシンがPentium III-1GHzを搭載しているという。そのことはOutlook 2000を利用したパーソナルサーバーのデモの最中、デモンストレーターとデービス氏との掛け合いで明らかにされた。「ところでこのマシン、プロセッサーの動作クロックは?」「1GHzですよ」「ほほう、1GHz」。これ以上の紹介はなかった



ここでフィスター氏が登場し、統合化とカスタマイズを実現したe-Businessのプラットフォームとして、独SAP社のサイト“mySAP.com”を紹介。このようなシステムを支えるサーバー用プロセッサーがItaniumだとした。フィスター氏によると、Itaniumは733MHzと800MHzの2種類が用意され、5つのOSをサポートするという。フィスター氏は、「Itaniumはe-Businessにすぐに利益をもたらすだろう」として新プロセッサーにかける意気込みを表した。

マイク・フィスター氏 マイク・フィスター氏



再度登場したデービス氏は最後に、「我々は1GHz動作のデスクトップパソコン用CPUや、モバイル用のStrongARM、サーバー用のItaniumといった製品をそろえている。インテルは、ちょうど始まったばかりの次世代e-Businessを構築するビルディングブロックサプライヤーだ」と述べた。インテルにとってプロセッサーは極めて重要な収益源である点に変わりはないが、製品をe-Businessという加速する流れの中に位置付け、e-Businessの世界でもキープレイヤーを目指している。同社が昨年から強調している戦略が全面に押し出されたカンファレンスとなった。

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