このページの本文へ

【MACWORLD Expo/Tokyo 2000 Vol.16】アドビとマクロメディア、2大メーカーは、ウェブとダイナミックメディア分野を中心にデモ

2000年02月23日 00時00分更新

文● 千葉英寿

  • この記事をはてなブックマークに追加
  • 本文印刷

16日から19日の4日間にわたって“MACWORLD Expo/Tokyo 2000”が開催された。本稿ではデザイン&パブリッシングの視点から、本展示会をリポートする。グラフィック関連企業の出展はそれほど多くはなかったものの、アドビシステムズ、マクロメディアが大きなブースを出展していた。新製品としては、グラフィックソフトの『Canvas7』、3Dツールの『Light Wave 3D 6.0』などが登場した。

アドビは2つのパッケージソフトのワークフローを紹介

アドビシステムズの展示ブースでは、米国で発表した『Adobe LiveMotion』(Flashをサポート)をはじめとする新製品の公開に期待が寄せられていた。しかし、展示会においては特別な発表や新製品の紹介はなかった。

展示ブースは、同社の製品をソリューションごとにパッケージ化した2本柱のソフトウェアコレクション『Adobe Web Collection』、『Adobe Dynamic Media Collection』に沿って構成。

ブース規模は大きいものの、既存の製品のみの展示となったアドビブースブース規模は大きいものの、既存の製品のみの展示となったアドビブース



まず、『Adobe Photoshop 5.5』と『Adobe GoLive 4.0』を中心としたパッケージ『Adobe Web Collection』のデモを交えながら“Adobe Web Solutions”を展開した。
 
“Adobe Web Solutions”では、シームレスなウェブ制作のワークフローを紹介した。『Adobe Illustrator』や、ウェブグラフィック機能を強化した『Photoshop』で作成した画像データを、『Adobe Image Ready2.0』(『Photoshop 5.5』に同梱)を使ってウェブ用に最適化。最終的に、『Adobe GoLive 4.0』でウェブページをレイアウトし、サイトを構築するまでの流れを説明した。

一方、映画、テレビ、ビデオ、マルチメディア、ウェブなどの映像を配信するメディア制作者に向けた“Adobe Dynamic Media Solutions”も展開していた。ここでは、『Adobe Premiere 5.1』や『Adobe After Effects 4.1』を使って、映像制作パッケージ『Adobe Dynamic Media Collection』を紹介。

『Premiere』によるムービーの取り込みから編集、出力までの説明をしたり、『Illustrator』や『Photoshop』で作成した静止画データを『After Effects』によってモーショングラフィック効果を加えたりといった、ビジュアルエフェクトにより効果的な演出をする映像制作テクニックを披露していた。

具体的な事例として、『Aftere Effects』を使ったバラエティー番組のオープニングタイトル、『Premiere』を使ったミュージッククリップの実例など、メーキングを交えて紹介していた。

『Adobe Web Collection』(左)と『Adobe Dynamic Media Collection』(右)の2つのソフトウェアコレクション
『Adobe Web Collection』(左)と『Adobe Dynamic Media Collection』(右)の2つのソフトウェアコレクション



このほかに、『Adobe Acrobat 4.0』のMacintosh版に追加した新機能や、マスキングなどグラフィック機能を強化した『Photoshop 5.5』などの紹介もあった。

同社の目玉となっていた『Adobe InDesign日本語版』については、18日に開催されたスペシャルセッションのみでのお披露目となり、ブースでは紹介されなかった。

『Dreamweaver』と『Fireworks』を効果的に活用した制作テクニックを公開

マクロメディアは、 1月に発売を開始した『Macromedia Dreamweaver 3/Fireworks 3 studio日本語版』を中心としたウェブオーサリングツールなどを紹介した。製品カウンターでは、『Dreamweaver 3/Fireworks 3 studio』のほか、『Macromedia Flash 4日本語版』、『Macromedia Director 7日本語版』のセミナーとデモをしていた。

常に黒山の人だかりの人気だったマクロメディアブース常に黒山の人だかりの人気だったマクロメディアブース



また、メーンステージでは、Fireworks関連書籍の執筆やメールマガジン“日刊デジクリ”で著名なウェブデザイナー、森川眞行氏による“プロフェッショナルウェブデザイナー森川氏によるウェブグラフィック制作はここが肝心!”というプログラムもあった。森川氏は、最新バージョンの『Dreamweaver』と『Fireworks』を効果的に活用した制作テクニックを披露。クリエーター必見のセッションとなった。

このほかにも、Flashマンガで人気のイラストレーター、YOUCHANなどの著名クリエーターによるセミナーや、同社製品担当者によるデモなど数々のセッションもあった。

まったく境目が分からないシームレスな作品を作れる『Canvas 7J』

アドビ、マクロメディアには新製品がなかったものの、そのほかのブースでは、いくつかの新製品が展示されていた。

日本ポラロイド(株)ブースでは、同社が国内販売代理をしている米デネバ・ソフトウェアのグラフィックソフト『Canvas 7J』を出品。発売を目前にした初公開となった『Canvas 7J』は、“Sprite技術”と、150以上にのぼる新機能や改善点を加えた『Canvas』の最新バージョンだ。

『Canvas 7』は店頭とウェブで販売されている『Canvas 7』は店頭とウェブで販売されている



『Canvas 7』のデモでは熱心なユーザが集まった『Canvas 7』のデモでは熱心なユーザが集まった



“Sprite技術”とは、ベクトルドローイングやイメージをブレンドさせたり、ぼかしを入れたりしても、まったく境目が分からないシームレスな作品を作れる“Sprite Technology”を備えている。これによって、ベクトルの精密さでペイントでき、かつソフトブラシの持つ柔らかさで表現できる。

また、『SpriteEffects』は、どのようなオブジェクト(ベクトル、テキスト、ビットマップ、オブジェクトのグループなど)にもイメージ編集用フィルター(Gaussianぼかし、Ripples、Noiseや外部プログラムからのイメージのプラグイン)を掛けられる。最大の特長は、どのオブジェクトもすべて編集可能な状態に維持されている点。つまり、フィルターを掛けたあとでも、テキストはテキストのまま、ベクトルはベクトルのままで維持されるということだ。

『Canvas 7J Professional Editionフルバージョン』は、6万8800円で発売が開始された。

『Light Wave 3D』の次期バージョンVer.6.0も出品

(株)ヒューリンクスのブースでは、ユニークなプラグインフィルター『EYECANDY』を紹介していた。同製品には、Photoshop用プラグインフィルター『EYE CANDY 3.0 for Photoshop』と、After Effects用プラグインフィルター『EYE CANDY 3.1 for After Effects』がある。

前者は、21種類のフィルターを持っており、立体効果のベベルやドロップシャドウに匹敵する効果を得られる。また、後者は、『After Effects』に完全に対応した、ビデオやアニメーション編集のための20個のフィルターセットを備えている。

また、(株)ディ・ストームのブースでは、人気の3Dアニメーションツール『Light Wave 3D』の次期バージョン6.0を出品していた。

『Light Wave 3D Ver.6.0』は、3月末、遅くとも4月上旬には市場に投入される予定だ『Light Wave 3D Ver.6.0』は、3月末、遅くとも4月上旬には市場に投入される予定だ



Ver.6.0の大きな特徴は、新しいアーキテクチャーとなる『Hub』だろう。『Light Wave 3D』は、3次元オブジェクトを作成する“モデラー”と、そのオブジェクトを読み込み、アニメーションの設定やレンダリングをする“レイアウト”で構成する。その架け橋となるの存在が『Hub』である。

これにより、『Light Wave 3D』だけではなく、『Hub』に対応するプラグインやアプリケーションを連携して使用できるようになった。

カテゴリートップへ

注目ニュース

ASCII倶楽部

プレミアムPC試用レポート

ピックアップ

ASCII.jp RSS2.0 配信中

ASCII.jpメール デジタルMac/iPodマガジン