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【Windows 2000 Expo Vol.8】「NT 4.0のサポートも継続」--MS関係者インタビューと展示会場レポート

2000年02月22日 00時00分更新

文● TERO MODA

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米サンフランシスコにて、15日から17日の3日間(現地時間)に渡って開催された、Windows 2000 Conference & Expo。本稿では、展示会場の様子と、Windows 2000のプロダクトマネージャーを務めるクレイグ・ベイリングソン(Craig Beilingson)氏のインタビューをお伝えする。

“Windows 2000対応”がテーマとなった展示会場

ビル・ゲイツ氏による基調講演は、展示会場のMoscone Centerからクルマで5分ほどのBill Graham Civic Auditoriumという別会場で開催された。両会場を往復するシャトルバスが用意されており、基調講演が午後12時30分に終了した関係から、17日の展示会場は午前11時30分から午後5時までオープンしていた。

基調講演の会場と展示会場を往復するシャトルバス。展示会場が閉まる午後5時まで運行していた。サンフランシスコ市内は交通量が多いため、10分ほどの道のりとなる基調講演の会場と展示会場を往復するシャトルバス。展示会場が閉まる午後5時まで運行していた。サンフランシスコ市内は交通量が多いため、10分ほどの道のりとなる



展示会場に使われていたのはMoscone Centerの南ホールで、100を越す企業がブースを出展した。これらのブースの多くでは“Windows 2000”を謳いはするものの、新製品に乏しかった。

展示会場への入口となった、Moscone Centerの南口。道路をはさんだ反対側にある北ホールでは、全く関係のない別のイベントが開催されており、Windows 2000 Expoは意外と小さな規模で開催されていた展示会場への入口となった、Moscone Centerの南口。道路をはさんだ反対側にある北ホールでは、全く関係のない別のイベントが開催されており、Windows 2000 Expoは意外と小さな規模で開催されていた



たとえば、今月ボストンで開催された“Seybold 2000”では米アドビシステムズが6つの新製品を発表しているが、Windows 2000 Expoのブースではこれら新製品についてのプレゼンテーションがあるわけでもなく、現行製品の操作説明を淡々と行なっていた。

アドビのブースでは新製品の展示はなく、アプリケーションの講習を行なっていた アドビのブースでは新製品の展示はなく、アプリケーションの講習を行なっていた



目新しい製品の展示はなかった展示会場

コンパックやIBM、日本電気や東芝といった、PCを生産するハードウェアメーカーのブースには、Windows 2000対応製品の情報を求める多くのユーザーが立ち寄っていた。

コンパックのブース担当者は、「コンシューマーモデルにはWindows 98、ビジネスモデルにはWindows2000というOSの棲み分けを行なっている。現行機種がすべてWindows 2000に対応しているわけではない」と語っていた。

すでに購入した製品、またはこれから購入しようとする製品がWindows 2000対応かどうかについては、各メーカーのウェブサイトなどで確認できる。また機種によっては、マザーボードをWindows 2000に対応させるために、BIOSのアップデートプログラムも用意されている。

コンパックのブース。コンパックのブース。

同社のサイトにて、Windows 2000のサポート情報を公開している

東芝のブース。東芝のブース。

同社のサイトにて、Windows 2000のサポート情報を公開している

IBMのブース。IBMのブース。

同社のサイトにて、Windows 2000のサポート情報を公開している

NT 4.0のサポートは今後も継続

17日の基調講演終了後、マイクロソフトでWindows 2000プロダクトマネージャーを務めるクレイグ・ベイリングソン(Craig Beilingson)氏にインタビューを行なった。

--フリーのLinuxを選択できることを考えると、Windows 2000の価格はあまりにも高くはないか?

ベイリングソン氏(以下同)「安定性、機能、パフォーマンスを考えると、Windows2000は決して高くはない。また、Windows 2000はコンシューマーではなく、企業をターゲットにした製品だ。Windows 2000の導入による生産の向上を考えると、コストパフォーマンスはかなり高いとものだと考えられる」

--Windows NT 4.0の出荷を継続するのはなぜか?

「Windows 2000への移行をシームレスに行なわせるためだ。いきなり企業内のすべてのサーバーや端末を、NT 4.0からWindows 2000に切り替えさせようというのは現実的ではない。当然、NT 4.0のサポートも継続して行なってゆく」

--Windows MillenniumとWindows 2000 Professionalの棲み分けがわかりにくいとは思わないか?

「Windows 98の次期バージョンであるWindows Millenniumは、あくまでもコンシューマーを対象にした製品だ。Millenniumでは、ホビーユーザーや初心者向けの機能が強化されている」

「Millenniumの次期バージョンでは、2000と同じWindows NTカーネルを採用するが、“コンシューマー向けOS”というスタンスは保つことになる」

--Windows 2000では、ディスプレーからフォントジャギーをなくすための技術“ClearType”が採用されているが、印刷には対応していない。なぜ対応しなかったのか?

「ClearTypeは担当でないので、よくわからないが、これはeBookのための技術だと思う。ディスプレーで文書を読むことを目的としたeBookのために、印刷を考慮する必要はないのではないか」

スポットライトのないステージで

ベイリングソン氏のインタビューを終えて部屋を出ると、その日、基調講演の最後を飾ったカルロス・サンタナの音楽が、基調講演会場から再び聴こえてきた。会場を覗くと、スポットライトのないステージで、彼らは基調講演会場を後片づけしている従業員たちのために延々と演奏を続けていた。

1曲が終わると、カルロス・サンタナは「次は何の曲にする?」と従業員たちに声をかけ、演奏は延々と続けられた。1曲が終わると、カルロス・サンタナは「次は何の曲にする?」と従業員たちに声をかけ、演奏は延々と続けられた。



日本では発売と同時にAcrive Directoryでの日本語取り扱いなどで不具合が発見されたWindows 2000だが、「バグを見つけ次第報告する、我々の姿勢の現われ」と、早速修正ファイルが公開された。

Windows 2000が出荷された現在、ユーザーがもっともマイクロソフトに望むものは、スポットライトから外れた地道なメンテナンス作業だ。今後のマイクロソフトの対応に期待したい。

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