2月16日(現地時間)、カルフォルニア州Palm Springsで“Intel Developer Forums
Spring 2000”が開催された。今回のレポートでは、デスクトップのための3つの新技術に注目する。それは、今年後期(7~12月)に1GHz以上のクロックで投入される*『Willamette』(コードネーム)、600ドル(約6万6000円)以下のデスクトップ向けプロセッサー『Timna』(コードネーム)、そして“USB
2.0”だ。
*編集部注:Willametteは“ウィラメット”、Timnaは“ティムナ”と発音される。
Willametteは1GHz以上で登場する
15日の基調講演では、1.5GHzで動作するパフォーマンスデスクトップ向けの新型32bitマイクロプロセッサーWillametteのデモが行なわれた。このとき、Willametteは冷却装置なし(通常のファンのみ)で動作していた。冷却装置なしで1.5GHzで動作するWillametteのデモが行なわれた。1GHzで動作するPentium IIIも紹介されたが、この製品は、ごく短期間での少量出荷となるとしている |
インテルは、Willametteの投入を今年後期(7~12月)に予定している。動作クロックは1GHz以上、システムバスクロックはPentium
III(100/133MHz)の3倍または4倍の400MHzとなる。“Streaming SIMD Extensions 2”を搭載し、メモリーには“RDRAM”が採用される。チップセットには、*『Tehama』(コードネーム)が使用されることになる。
*編集部注:Tehamaは“テハマ”と発音される。
Willametteでは、パイプライン処理を20ステージとしたことで、高クロックを目指す。これは、Pentium
IIIのパイプライン処理(10ステージ)の2倍にあたる。またシステムバスは、クロックが400MHzでバス幅は64bitなので、毎秒3.2GBの帯域(あるいは最大データ転送速度)を持つ。
Willametteには、Pentium IIIに搭載されたマルチメディア命令セット“Streaming
SIMD Extensions”がさらに拡張された、“Streaming SIMD Extensions 2”が搭載される。これにより、ビデオのエンコード、デコード処理、暗号化、モデリングやシミュレーションなどで、MMXの2~3倍の高速演算を行なうことができるという。
600ドル以下のデスクトップに搭載されるTimna
基調講演でアルバート・ユー(Albert Yu)氏が披露した“Timna” |
Timnaは、600ドル以下のデスクトップに搭載することを想定したマイクロプロセッサーだ。128KBの2次キャッシュメモリー、3Dグラフィックスコントローラー、メモリーコントローラーが統合されている。IDFでは、Timnaを搭載した斬新なデザインのデスクトップが多数紹介された。
Timnaを搭載したマザーボード。HDDと見間違うほどの大きさだ |
Timnaを搭載したPC。小さな筐体の上部には、ペンやカードのホルダーがついている |
Timnaを搭載したファッショナブルなデスクトップ。こちらも、片手で持てるほどの大きさだ |
USB 2.0対応スキャナーが披露
15日の基調講演では、インターフェースに“USB 2.0”を採用したイメージスキャナーのデモが行なわれた。現在の“USB 1.1”で使用されているものと同じUSBケーブルを使い、USB 1.1(12Mbps)の約40倍である480Mbpsの転送速度を披露した。このデモでは、米NetChip Technology社が試作したスキャナーインターフェースチップ、NECが試作したトランシーバーチップを搭載したスキャナーが使用された。デバイスドライバーにはNetChip Technologyの“NetChip USB 1.1”を使用し、USB 2.0のホストコントローラーをエミュレートしていた。
USB 2.0を採用したスキャナーを紹介するパット・ゲルシンガー(Pat Gelsinger)氏 |
USB 2.0は、昨年12月にRev 0.9がリリースされ、現在、米コンパックコンピュータ社、米ヒューレット・パッカード社、米ルーセント・テクノロジーズ社、米マイクロソフト社、日本電気(株)、オランダのフィリップス社など、35の企業が年内に対応製品を発売することに合意している。OSは、今年下半期からUSB
2.0に対応することになる。