2月16日(現地時間)、カルフォルニア州Palm Springsで米インテル社が主催する“Intel
Developer Forums Spring 2000”が開催された。その期間中、『K6-2』や『Athlon』など、x86プラットフォームのプロセッサーを出荷する米AMD社は、IDFの会場から少し離れたホテルのスイートルームで、IDFに集まった報道陣に対して個別ミーティングを行なった。
![]() | 椰子の木に囲まれたPalm Springsの風景。IDF Spring 2000の期間中には、珍しく雨が降った |
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1.1GHz動作のAthlon
2月7日(現地時間)にAMDは、サンフランシスコのホテルで開催されたInternational Solid-State Circuits Conference(ISSCC)において、記者発表を行ない、Athlon-1.1GHzのデモを行なった。デモで使用したAthlonは、銅配線技術を使った、0.18μmプロセスのものであるという。AMDはこの技術によるAthlon製品の出荷を、今年第2四半期末に開始するとしている。Palm Springsで行なわれた個別ミーティングは、AMD製品についての最新情報を公開し、Athlon-1.1GHzのデモを見せるというものだった。AMDはまた、サンフランシスコでIDFと同じ日程(15~17日)で開催された“Windows 2000 Conference & Expo”の基調講演会場(Bill Graham Civic Center)においても、同じ内容の個別ミーティングを行なった。
![]() | 1.1GHz動作のAthlonが搭載されているというPC |
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銅配線は問題ではない
個別ミーティングが行なわれたホテルのスイートルームには、Athlon-1.1GHzを搭載しているという2台のPCが置かれていた。ただし、筐体の中をのぞいてAthlon-1.1GHzを確認することも、キーボードに触れることも許されず、ディスプレーに表示されるAMDが用意した画面を眺めるほかはなかった。![]() | 1.1GHz動作のAthlonを搭載したもう1台のPC。残念ながら実機には触らせてもらうことはできなかった |
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AMDのマーク・ボード(Mark Bode)氏(Division Marketing Manager, Athlon Product
Marketing)によると、Athlon-1.1GHzは、2MBまでの2次キャッシュメモリーを搭載できるが、正式出荷される製品の容量は未定。また、Athlon-1.1GHzには銅配線技術と、0.18μmプロセス技術が活用されているが、配線素材にすべて銅を使用しているのかどうかは、「答えることができない」という。
半導体業界では、配線素材としてアルミニウムが長年にわたって使用されてきたが、アルミニウム自身が持つ物理特性上の限界から、プロセッサーの高速化に対応することができなくなったとされる。このため、アルミニウムを銅、銀、金のいずれかに置き換えるための技術が待たれていたが、これらの金属はいずれも、チップの配線に必要な微細な処理がアルミニウムよりも難しい。また、チップのシリコンウエハーに染み込んで電気特性を変化させてしまいやすい問題があるため、高度な技術が要求されるという。
「銅配線かどうかは問題ではない。1.1GHzで動作しているということが重要なのだ」とボード氏は語った。
![]() | “Windows 2000”ではプレスルームのスポンサーだったAMDだが、展示会場にAMDのブースはなかった |
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