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アイ・オー・データ機器がバーチャルドルビー対応のスピーカーを発売

2000年02月16日 00時00分更新

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周辺機器メーカーの(株)アイ・オー・データ機器は16日、2つのスピーカーでサラウンド再生を行なうスピーカーシステム“P2DiPOLE”の内覧会を都内で開催した。P2DiPOLEは、東京電機大学音響情報研究室の濱田晴夫教授を始めとするグループが開発した“ステレオダイポール”と呼ばれるバーチャル(疑似)サラウンド技術を製品化したもの。

発表会で挨拶をするアイ・オー・データ機器の細野昭雄社長。「ポストPCに向けてのスタートにしたい」と語った


発表会にはゲームソフト会社・スクウェアの武市智之氏も出席。「ステレオダイポールの発表があったときすぐに調査を命じた」とゲームサウンドへのこだわりぶりを話した。なお、プレミアムセットには5.1チャンネルで収録された同社製ゲームのムービーコレクションが添付される(数量限定) 発表会にはゲームソフト会社・スクウェアの武市智之氏も出席。「ステレオダイポールの発表があったときすぐに調査を命じた」とゲームサウンドへのこだわりぶりを話した。なお、プレミアムセットには5.1チャンネルで収録された同社製ゲームのムービーコレクションが添付される(数量限定)



東京電機大学の濱田晴夫教授も出席して、ステレオダイポール技術について解説を行なった 東京電機大学の濱田晴夫教授も出席して、ステレオダイポール技術について解説を行なった



DVD-Videoで採用されている音声フォーマット“DOLBY DIGITAL”は、映画館と同じ5.1チャンネル(前方左右、中央、後方左右、低音用のウーハーで構成。ウーハーの再生帯域が限定されているので0.1チャンネルとカウントする)のサウンドが楽しめるのが特徴だが、実際にこれを再生するにはDOLBY DIGITAL対応のデコーダーと5.1チャンネル対応のAVアンプ、そして6本のスピーカーが必要になる。これだけのシステムを組むのは設置スペース的にも、価格的にも負担が大きいという声が多く、これまでにも少ないスピーカーでDOLBY DIGITALを再生できる疑似再生タイプや、2チャンネルのサウンドをサラウンド風に処理する製品などが発売されている。基本的にはマルチチャンネルの再生時にリスニングポイントで耳にするのと同じ波形を最初から2本のスピーカーで出力することで実現している。

アイ・オー・データ機器のイメージキャラクタである釈由美子さんも会場に登場した アイ・オー・データ機器のイメージキャラクタである釈由美子さんも会場に登場した



ステレオダイポール技術の特徴は、2つのスピーカーの間隔を狭めた点にある。2つのスピーカーをほぼ正面に並べることで、これまでのように左右に離した場合よりも、リスナーの頭部付近での音の流れがスムーズになり、定位性も上昇。よりリアルなバーチャル再生が可能になるという。P2DiPOLEは、入力したDOLBY DIGITALの信号を内蔵したデコーダーチップでデコード。取り出した5.1チャンネル分のサウンドをDSPに送り、独自のフィルターと音響モデルを使って2チャンネル+ウーハーに再構成する。P2DiPOLEの入力はDOLBY DIGITAL用のSPDIF端子と2チャンネルソース用のミニプラグ端子を装備。それぞれのソースをバーチャルサラウンド化することができるほか、両端子を同時に使って、5.1チャンネル+2チャンネルというマルチサウンド環境も可能だ。DOLBY技術の総本山・米DOLBY社は、P2DiPOLEに対して同社が決めるクオリティをクリアした製品であると判断、すでに「Virtual DOLBY DIGITAL」のロゴマークを与えている。

P2DiPOLEは幅190ミリ、高さ272ミリ、奥行き193ミリと非常にコンパクト。目玉のような部分がスピーカー。基部のスタンドで角度を変えられる


電源スイッチや機能操作ボタンなど操作パネルは背面にある。2台のP2DiPOLEを接続する端子もある 電源スイッチや機能操作ボタンなど操作パネルは背面にある。2台のP2DiPOLEを接続する端子もある



使用イメージ。ベストポジションはスピーカーから約70センチ程度とのこと
使用イメージ。ベストポジションはスピーカーから約70センチ程度とのこと



発売は3月4日。価格はスタンダードモデルが1万9800円、ウーハーが付属するプレミアムセットが2万9800円となっている。同社は主に来月発売されるDVD再生が可能なプレイステーション2のユーザーをメインに今後非パソコン市場への浸透を狙っている。発表会には同社のキャンペーンキャラクターを務めるタレントの釈由美子さんも登場、「私も最近DVDを買ったので、これでいい音を聞きます」と語っていた。





ちなみに、P2DiPOLEは、浜田教授らが開発したステレオダイポール技術を産業に結びつける目的で設立された(株)ダイマジック(浜田教授が代表取締役会長)が技術を提供、SoundBlaster製品で有名なシンガポールのCreative Technologies社が製品を開発、そしてアイ・オー・データ機器がマーケティングと販売を担当する。ダイマジックは電気大の承認のもとに設立された会社で、P2DiPOLEはいわゆる“技術移転”(TLOと呼ばれる)の実例と見ることもできる。

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