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インプライズ、ビジュアル開発ツール『Borland C++Builder 5』日本語版を発売、発表会場で大木社長がコーレルとの合併について説明

2000年02月14日 00時00分更新

文● 編集部 桑本美鈴

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C++Builderは、ANSI C++準拠のコンパイラーとビジュアル開発環境を統合した開発ツール。最新バージョンであるC++Builder 5では、インターネットに対応したシステムを開発するための機能が強化された。ウェブサーバーアプリケーションを構築し、動的なデータをウェブブラウザーへ提供できる“Internet Express”機能と、多層分散アプリケーションを開発できる“MIDAS”機能を利用して、ウェブ対応システムを構築することが可能。XMLとHTML 4をサポートする。

“InternetExpress”画面
“InternetExpress”画面



開発者の生産性を向上させる機能も追加されている。開発者が開発作業を行なっている間に、バックグラウンドでコンパイルを行なえるようになったほか、通常のデバッグ作業ではみつけにくいメモリー操作に関するバグを自動検出できる“CodeGuard”、プロジェクトに必要な作業を記録できる“ToDoリスト”、Windowsのコントロールパネルにアプレットを追加できる“コントロールパネルモジュール”などを搭載する。ビジュアル環境で作成したフレームを部品化して再利用することも可能。

また、データベース開発用の機能として、マイクロソフトのADO(ActiveX Data Object)とOLEDBを利用して、企業内のさまざまなデータに高速にアクセスできる“ADOExpress”や、データベースアプリケーションの設計支援ツール“データモジュールデザイナ”を搭載する。

大企業などがチームでアプリケーションを開発する際、生産性を向上させる機能として、開発チーム全体で既存のソースコードの変更を管理できる“TeamSource”、開発したアプリケーションを他国向けにローカライズできる多言語対応支援機能“Borland Translation Suite”が用意されている。

C++Builder 5は、初心者向けの『Borland C++Builder 5 Learning』、プロフェッショナル向け『Borland C++Builder 5 Professional』、エンタープライズ向け『Borland C++Builder 5 Enterprise』の3製品が用意されている。価格は、Learningが2万円、Professionalが6万8000円、Enterpriseが36万円。対応OSはWindows 95/98/2000/NT4.0。なお、『C++Builder 5 Professional』には『Delphi 4 Standard』と『JBuilder 3 Standard』が、『C++Builder 5 Enterprise』には『Delphi 4 Professional』と『JBuilder 3 Professional』がバンドルされる。

また同社は、マイクロソフトの開発ツール製品利用者を対象にした“C++Builder 5 Professional 乗り換えキャンペーン”を実施する。同社ウェブサイト“インプライズストアー”で『C++Builder 5 Professional』を注文すると、特別価格の3万8000円で購入できるというもの。実施期間は3月9日から6月24日まで。

本日、同社で行なわれた発表会の席上で、同社取締役RAD(Rapid Application Development)ツール事業部長の安藤由男氏は、2000年度の同社RADツールの事業戦略について「C++Builder 5を3月24日に発売するほか、InterBase 5.6を第1四半期にリリースする。また、今後の製品計画として、EJB 1.1に対応し最新のJava関連機能を盛り込んだJBuilderの次期バージョン、Linuxプラットフォーム初のRADツールでDelphiとC++BuilderのLinux版である『Kylix』を今年度中に発売する予定だ。『Kylix』は米国で2000年中ごろにリリースされるだろう。『JBuilder Foundation』、『Borland C++ 5.5 Compiler』の無償ダウンロードを行なう」と説明した。

また、カナダのコーレル社と米インプライズ社が2月7日(現地時間)に発表した両社の合併について、同社代表取締役社長の大木博氏は「合併の詳細な情報については、日本にもあまり多くは入ってきていない。今回の合併の最大のポイントは、今後普及、拡大が予測されるLinux市場において、Linux上で動作する言語、グラフィック、オフィスアプリケーション、エンタープライズシステムなど、Linuxを中心としたトータルソリューションを提供する会社が誕生するということ。両社の内部的にも、競合する製品はほとんどなく、互いに補完できるような広いレンジの製品を提供できるだろう。今後はLinuxにフォーカスをあてるが、Windows、UNIX、Macintosh製品も引き続き提供していく」

「今回の合併は前向きにとらえている。今後90日以内に、米国で株主による承認や法的手続きなどが90日以内に終了し、合併が完了する予定だ。日本でのビジネス調整もこれから行なう。コーレル社の日本代理店はメディアヴィジョンなので、今後メディアヴィジョンとの話し合いの場がもたれる。合併終了後の存続会社はコーレルで、本社はカナダのオタワ。インプライズはコーレルの100パーセント子会社となる。新会社の売上規模420億円、社員数はワールドワイドで2000名、ユーザー数は5500万人となる」と語った。

同社の大木代表取締役社長同社の大木代表取締役社長

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