日本電信電話(株)(NTT)は14日、Javaを使ってビデオ画像中のオブジェクトを、マウスでインタラクティブに操作することができる技術『サイバーコースター』を開発したと発表した。
NTTサイバーソリューション研究所、インテリジェントメディアプロジェクト部長プロジェクトマネージャの外村佳伸氏 |
サイバーコースターは、NTT内のNTTサイバーソリューション研究所が開発した技術で、ホームページ上で提供されるビデオ映像の画面内にあるオブジェクトの操作を、マウスのドラッグによって操作することができる。
たとえば、ビデオ画像内に人物と引き出しが映っているとする。このとき、画像の引き出しにマウスポインターをあててドラッグすることにより、ビデオ画像中の人物が、引き出しを出す動作をする。
従来、このようなインタラクティブな動きをするコンテンツを作成する場合、コンピューターグラフィックスでさまざまな動きの画像を用意するという作業が必要だった。これに対して、サイバーコースターでは、いろいろな動きのビデオ素材を用意しておき、それをコンピューターに取り込んで、Windowsパソコン上のオーサリングソフトで加工することで、同様のコンテンツを作成することが可能だという。
サイバーコースターのシステム構成図 |
このコンテンツのビデオ画像は、JPEG画像を連続して表示することによって表わされているが、個々のJPEG画像には電子すかしが入れられており、通常の画像表示ソフトウェアでは見ることができない。実際にウェブ上におかれたデータを見るに当たっては、画像表示の際にサーバー側におかれたJavaアプレット(約50KB)がダウンロードされ、それが表示を行なう仕組み。
この技術は、インターネット上のコンテンツ流通の促進を狙ったもので、すでに発表済みの“電子すかし技術”と組み合わせて、ホームページ上での利用実験を本日から開始する。
サイバーコースターの実験は、(株)東京放送(TBS)と共同で、TBSのホームページ上で行なわれる。TBSで毎週金曜日の21時から放送されているドラマ“恋の神様”のホームページ(http://www.tbs.co.jp/koikami/)に、ドラマに出てくる部屋の画像がおかれ、その部屋の中で画像を操作しながら、宝探しを行なうというもの。
NTTサイバーソリューション研究所の外村氏は、サイバーコースター技術をすぐにビジネスに結びつけるといったことは考えておらず、今後も研究を続けていくとしている。