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【Seybold Seminars Boston 2000 Vol.4】Adobeが惜しげもなくミレニアム新製品を続々と発表

2000年02月12日 00時00分更新

文● TERO MODA

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8日、マサチューセッツ州ボストンで開催している紙・電子出版のイベント“Seybold Seminors Boston 2000”の基調講演において、Adobe Systemsは出し惜しみすることなく、数々の新製品を発表した。

Bruce Chizen氏(Executive Vice President, Worldwide Products and Marketing)は、講演の最初に「これから6つの新製品を発表します」と述べたが、実際にはそれ以上の数の製品が登場している。

新製品は、『InDesign 1.5』、『InCopy』、『Stilton』、『GoLive』(バージョンは不明)、『InProduction』、『LiveMotion』、『eReader』、『PDF Merchant』である。

【InDesign】

InDesignは、プロフェッショナル向けレイアウトソフトウェア。基調講演のデモストレーションでは、Windows版が使用されていた。新バージョン『InDesign 1.5』では、パス上のテキスト入力、縦のジャスティファイ、組み込みのトラッピングなどの機能が追加されている。

また、昨年10月に発表されていたInDesign専用のテキストエディター『InCopy』のユーザーインターフェースも公開された。

基本講演での発表を前に、1月7日のチュートリアル
基本講演での発表を前に、1月7日のチュートリアル


“InDesign Marathon”の参加者には『InDesign 1.5』が
紹介されていた

Chizen氏を取材したところ、長らく発売が待たれていた『InDesign日本語版』は、今月16日から18日に幕張メッセで開催される“MACWORLD Expo 2000/Tokyo”で発表になる。ただし、バージョン番号は、現在発売されている英語版と同じ“1.0”となる。

【Stilton】

『Stilton』は、ワークフローのサーバーソフトウェア。インターネットで『InDesign』の作業データにアクセスし、ウェブブラウザー上で編集することができる。デモストレーションでは、Windows版が使用されていた。

ウェブブラウザーから、Stiltonサーバーに置かれている
ウェブブラウザーから、Stiltonサーバーに置かれている


InDesignのデータにアクセスしている。この画面から直接
編集できる

【GoLive】

『GoLive』は、HTMLオーサリングソフトウェア。現行出荷されているバージョンは、“4.0”になる。『GoLive』の次期バージョンでは、PhotoshopやIllustratorで作成した画像を作業ウインドーにドロップすると、フォーマットを自動的にJEPG/GIFフォーマットに変換する機能が追加される。デモストレーションでは、MacOS版が使用されていた。

『GoLive』の次期バージョン。左のパレットには、ローカル、
『GoLive』の次期バージョン。左のパレットには、ローカル、


リモートのファイル構造が表示されている

【InProduct】

『InProduct』は、Acrobatを機能拡張する5つのプラグイン。主に、印刷用ワークフローで活用される。2月8日にAdobe Systemsのホームページで発表になった。

“Preflight”は、PDFファイルの問題を検査、修正する。“Trim/Bleed”は、トンボや色見本をPDFファイルに付加する。“Color Converter”は、ICCプロファイルを使用してLAB、RGB、CMYKを最適なカラーに変換する。“Separator”は、色分解のために、マップカラープレートと出力ファイルを表示する。“Adobe in-Rip Trapping”は、RIP側で行うトラッピングのパラーメーター修正を、ページ単位、ゾーンベース単位で行なう。

オンラインでInProductの機能の1つ“Preflight”を試用
オンラインでInProductの機能の1つ“Preflight”を試用


できるウェブページ(http://preflightpdf.adobe.com/)

Adobe Systemsは、オンラインでInProductの機能の1つ“Preflight”を試用できるウェブページ(http://preflightpdf.adobe.com/)を用意している。

【LiveMotion】

『LiveMotion』は、ウェブブラウザーからの再生を前提にしたアニメーション作成ツール。デモストレーションでは、MacOS版が使用されていた。

『LiveMotion』は、『ImageStyler』に似たユーザーインターフェースと機能を持つ。PhoshopやIllustratorで作成した画像ファイルを、直接取り込める。また、取り込んだ画像の回転、縮小をリアルタイム表示しながら行なえる。作成したアニメーションは、アニメーションGIF、JPEG、SVG、Flashフォーマットで出力できる。

『ImageStyler』に似たユーザーインターフェースの『LiveMotion』
『ImageStyler』に似たユーザーインターフェースの『LiveMotion』



【eReader】

PDFリーダー『Acrobat Reader』の次期バージョンで、クロスプラットフォーム(Windows、MacOS、Palm)で動作する。デモストレーションでは、Windows版が使用されていた。

『eReader』は、単なるPDFを表示するためだけのソフトウェアではなく、“eBook”のブックリーダーに進化している。特殊な機能としては、PDFファイルを横置きにして表示できる。また、PDAや電子ブック(eBook)のカラー液晶モニターで表示されたテキストを読みやすくする新技術“CoolType”を搭載。

“CoolType”は、フォントのエッジ(ピクセル間の隙間)をカラー階調で埋め、スムースに表示、プリントを行なうもの。

『eReader』では、“Library”にストックした“eBook”のブックを、“Read”で素早く閲覧できる。デモストレーションで使用された『eReader』のメニュー画面にはブックを購入するための“Bookstore”が表示されていたが、この機能が残るかどうかは不明。

【PDF Merchant】

PDF Merchantは、暗号化したPDFファイルをユーザーに配信するサーバーソフトウェア。PDFファイルの料金を支払ったユーザーのみが、暗号の鍵を受け取り、ファイルを開くことができる。商業電子出版の要ともなる製品だ。

対応プラットフォームはWindows NTとUnixで、MacOSは含まれていない。デモストレーションでは、Windows NT版が使用されていた。

Bruce Chizen氏の話では、上記の製品に関するさらに詳しい内容は、今月16日から18日に幕張メッセで開催される“MACWORLD Expo 2000/Tokyo”で発表するという。

展示会ブースでは、『PDF Marchant』、『InProduction』、
展示会ブースでは、『PDF Marchant』、『InProduction』、


『InDesign 1.5』が早くも紹介されていた

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