カナダのCorel社と米インプライズ(Inprise)社は、株式交換方式によって両社が合併することで合意したと発表した。買収は、インプライズの株主に対して、1株当たり0.747株のCorel株を割り当てることによって実行される。形式的にはCorelがインプライズを買収することになり、インプライズは、Corelの子会社として位置付けられることになる。
新生Corelの社長兼CEOには、現Corelの社長兼CEOであるMichael Cowpland氏がそのまま留まり、インプライズの暫定社長であるDale
Fuller氏は、同会長に就任する。
新生Corelの社長兼CEOとなるMichael Cowpland氏 |
(写真は昨年3月のLinuxWorldで撮影したもの)
Corelは、CorelDrawをはじめとするWindowsアプリケーションメーカーとして知られるが、最近は、Linuxディストリビューション『Corel
LINUX OS』を開発し、同社のデスクトップアプリケーションをLinuxに移植するなど、Linuxソフトウェアビジネスを積極的に展開している。またインプライズは、DelphiやC++
BuilderなどのWindows向けRAD(Rapid Application Development)ツールベンダーとして著名だが、子会社のInterBaseでいち早くLinux対応を実現するとともに、昨夏には、DelphiのテクノロジーをベースにしたLinux向けのRADツール『Kylix』を発表し、Linuxへの対応を本格化している。
アプリケーションメーカーのCorelと、開発ツールやサーバ製品に強いインプライズが合併することによって、エンドユーザー向けから開発者向けまで、幅広いソフトウェア製品を提供できる総合ソフトウェアベンダーが出現することになる。特にLinux市場においては、プレスリリースのタイトルで『CorelInprise/Borland
Merger to Create Linux Powerhouse』と謳っていることからも明かなように、非常に大きな影響力を発揮することだろう。これまでのLinux市場は、LinuxをOS製品として提供するディストリビューションベンダーが牽引してきたが、新生Corelは、そうした流れを変える“台風の目”になる可能性を持っていると言えるだろう。