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日本IBM、CRM構築サービス『Start Now Series』を発表――日本シーベルとのパートナーシップ締結で販売促進へ

2000年02月07日 00時00分更新

文● 編集部 小林伸也

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日本アイ・ビー・エム(株)は7日、CRM(Customer Relationship Management)システム構築サービス『Start Now Series』を発表した。同サービスはCRMシステムを構成する5つのパッケージが用意され、各パッケージはユーザー数や一部機能を限定することで、1000~2000万円と従来より安価な点が特徴だとしている。また同社は同時に、CRMベンダーの日本シーベル(株)とのパートナーシップ締結で合意したと発表し、両社の製品を互いの製品に組み込んで販売、マーケティングなどでも協力してCRM分野での販売促進を目指す。

日本IBM取締役(e-ビジネス事業担当)の木村正治氏(左)と日本シーベル社長の熊坂憲二氏
日本IBM取締役(e-ビジネス事業担当)の木村正治氏(左)と日本シーベル社長の熊坂憲二氏



同サービスは、“マーケティング・オートメーション(MA)”“セールス・オートメーション(SA)”“カスタマーサービス(CS)”“データ・ウェアハウス(DWH)”“リレーションシップ・マーケティング(RM)”の5パッケージで構成される。

MAはウェブによるワントゥワンマーケティングを可能にするもので、ウェブによるキャンペーン展開や顧客情報の収集などが含まれる。SAは営業部門の強化を狙いに、顧客情報の管理と共有や営業関連業務のサポートが提供される。CSはウェブとVoIP(Voice Over IP)との連携を視野に入れたカスタマーセンターの構築を目的とし、10席程度のセンターを構築可能という。3つの実践的なCRMで得た情報は共通のデータベースに統合され、DWHで販売情報や売れ筋情報を分析し、RMで新規顧客開拓や販売戦略の組み立てに役立てられるという。

これらはCRMシステムの構築を考えているユーザー向けのエントリーパッケージと位置付けられており、「とにかく早く始められるように」(同社)として、各パッケージにはサービステンプレートがセットされる。その上ユーザー数などを限定することでそれぞれ1000~2000万円程度に価格を抑えたとし、1億円以上はかかるとされる従来製品と比べ安価になっているという。また同サービスによって構築したCRMを、ERPなど基幹システムと連携させたり、グループウェアと連動させて営業やカスタマーサポートを効率化させるといった発展性も備えているとしている。
また日本シーベルとの提携も発表された。昨年10月の米IBM社と米シーベルシステムズ社との提携に基づくもので、営業と販売、技術、マーケティング、コンサルティングなど包括的な内容になっている。

両社は専任スタッフを置き、CRMサービスの販売を共同で行なうほか、IBMはシーベルのCRM製品を販売、シーベルはIBMの『DB2』『WebSphere』といった製品をサービスに組み込む。またシーベル製品をIBM製サーバーに対応させるため両社で技術協力を行なう。需要喚起に向け共同でマーケティング活動も行なう予定だ。

日本IBM取締役(e-ビジネス事業担当)の木村正治氏は、「電子商取引(EC)が始まり、そこで得たデータの高度な活用へのニーズが生まれてくるのが今年だ。IBMでは、ECビジネスとともにCRM分野へ力を入れていきたい」と述べた。

また日本シーベル社長の熊坂憲二氏は、「シーベルは世界市場では金融分野に強いが、日本ではまだ少ない。今回の提携で、日本IBMが強い力を持つ日本の金融分野や各業界の最大手へ食い込んでいきたい」と語った。

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