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アシストがソフト流通事業“PowerBiz”を本格的にスタート

2000年02月03日 00時00分更新

文● 若菜麻里

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アシストは2日、ソフトウェアパッケージ流通事業の“PowerBiz”に関する説明会を開催した。同社では、'99年秋に、“PowerBiz Alliance”を発表した。これは、顧客の情報システムを構築するための商品群を提供するパートナー協業制度である。また、PowerBizの推進を目的とした、情報提供のためのウェブサイト“PowerBiz Online”の紹介もあった。

説明会に参加した約200人には、これらのサービスやメリットを紹介し、事業への参加を呼び掛けた。PowerBiz Onlineは、2月15日に商品紹介サイトをスタート。4月には、商品検索や見積もり、販売など、本格的なサービスが始まる予定だ。

説明会には、PowerBizに関心を寄せる約200人が集まった
説明会には、PowerBizに関心を寄せる約200人が集まった



メーカー、SIベンダー、アシストの営業による協業体制の基盤“PowerBiz”

PowerBiz Allianceでは、商品を提供するソフトメーカーを“アライアンス”、SIやシステム構築を担当する企業を“パートナー”と呼ぶ。アライアンスは、このシステムを利用することで、アシストの営業力や販売網を活用できるため、商品の認知度の拡大や売り上げの拡大が期待できる。

パートナーは、アライアンスの提供する数多くの商品を容易な手続きで仕入れられる。またソフトウェアパッケージに付加価値を付けたビジネスを行なったり、見積もり代行サービスやセールスガイドなどを受けることができる。顧客自身にとっては、PowerBiz(営業マン)に声を掛ければ、カタログなどには載っていないような生の情報が手に入り、多数の製品の中から選択できるというメリットがある。アシストのメリットには、製品を市場のニーズに合わせてタイムリーに扱うことができ、かつ顧客に対して提案の幅が広がることがある。そのため、継続的な取り引きがしやすくなる。

アライアンスの製品の取り扱いに関しては、3つの形態がある。アシストやパートナーが販売するケース(仕入れ販売方式)と、見込み顧客を紹介する形態(成約時に紹介手数料)、またアシストのウェブサイト“PowerBiz Online”に掲載する(無料)という形態だ。

現在、仕入れ販売方式で契約している製品には、ニチメンデータシステム(株)のエクストラネット構築システムの『Aventail Extranet Center』、ジェットフォーム・ジャパン(株)の電子帳票製品『FormFlow99』や『InTempo』、日本ユニシス(株)の分析ツール『Mining Pro 21』がある。また紹介契約の製品には、(株)シーエーシーの秘書システム『Olive』、(株)日産情報ネットワークの人事・総務システム『LifeStageAdviser』、富士電機情報サービス(株)のグループ向けウェブソフト『FLINEシリーズ』がある。

PowerBizによるアシストの売り上げ目標は、2000年に5億円、2001年に20億円、2002年に50億円である。5年後には、PowerBizによる売り上げがアシスト全体の約3分の1になることを目指す。

PowerBiz Onlineでは、今後3年間で2000パートナーと協業

専用のウェブサイト、PowerBiz Onlineでは、ビジネスソフトの選択から見積もり、調達までをトータルにサポートすることを目的としている。同サイトでは、ユーザーの立場で商品を評価する。例えば、各製品は、独自のテストやユーザーの声をもとに、機能、テクノロジー、信頼性、実績、日本語化、マニュアル、教育、サポート、価格、将来性について、5段階で評価し、サイトで公開していく。

PowerBiz Onlineのトップページ。立ち上げ段階のテスト画面なので、今後変更する可能性もある
PowerBiz Onlineのトップページ。立ち上げ段階のテスト画面なので、今後変更する可能性もある



アシストのマーケティング部長、三浦雅孝氏は、「通常のコンペでは、各社が自社のよい部分だけをアピールする傾向にあるが、PowerBiz Onlineでは、顧客からのフィードバックに基づいた客観的な情報をウェブに掲載していく。日本で最大規模のオンラインソフトディストリビューターサイトにしていくつもりだ」と意気込みを語っている。

また、「人と人との信頼関係を仲介する媒体」(三浦氏)として、各製品紹介のページでは、担当営業者の顔写真や、音声、文章によるコメントを掲載する。顧客とはメールでのやり取りなどによる双方向な顔の見えるサイトを目指すという。

このサイトでは、見積もり、発注、カタログ請求、サンプルのダウンロード、バナー広告などが可能。決済についてはオンラインでは行なわない。将来的には、営業マンの実際のセールストークと同様の効果を顧客にもたらす会話型の検索システムや、仮想店舗、XML(eXtensible Markup Language)を活用した電子帳票などをPowerBiz Onlineに導入していく計画だ。

事業規模としては、初年度に1億円、3年後に10億円のオンライン販売を目指す。また3年以内に、2000パートナー、200アライアンス、10万人の登録メンバー(顧客)が目標。

アシストの取締役事業本部長の野田信昭氏は、「PowerBizでは最初から100パーセントの仕組み作りはできないが、パートナーやアライアンスからの支援により、時間を掛けてすばらしいものにしていきたい。将来的には、国内のソフトウェアパッケージの需要と供給を一本化できる事業として育てていく」と抱負を語った。

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