(社)日本オフィスオートメーション協会は、企業ユーザーを対象としたネットワークインフラの活用と21世紀に向けたビジネス戦略についてのカンファレンス“Office
Automation Conference 2000”を都内ホテルで開催した。
Office Automation Conference 2000では、“世紀を超えて―つなごう未来へのビジネス戦略―”を統一テーマに、ECビジネスや情報ネットワーク構築、および情報化社会に対応した企業経営について、事例を交えたさまざまなセッションが行なわれる。
初日の今日は、オートバイテル・ジャパン(株)代表取締役社長の佐々木経世氏による“オートバイテル・ジャパン(株)におけるビジネス戦略”と題した基調講演が行なわれた。
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| オートバイテル・ジャパン(株)代表取締役社長の佐々木経世氏 |
同氏は、ECビジネス展開のポイントとして、「インターネットの普及は今後ますます加速し進行していく。米国には3～4年遅れているが、日本にもECの波が確実に押し寄せている。2003年時点でのEC市場規模は、BtoCで3兆円、BtoBで70兆円になると言われている。EC市場へ参入することで、企業の生産性の向上、コストの削減、株価の上昇といったメリットがあるだろう」
「参入ポイントとしては、スピードが何より重要。通常のビジネス展開のスピードでは遅く、ビジネスモデルを短期間で作成しなければならない。オートバイテル・ジャパンの場合はビジネスモデルを1週間で作成し、3～6ヵ月間で、米国との交渉、パートナー企業のオーガナイズ、マーケティング、システムローカライズなどすべて行なった。EC分野は魅力ある市場だが、ビジネスの立ち上げ当初から全力疾走しなければならない」
「オートバイテル・ジャパンは、インターネットでも安心して車が買える仕組みを持っている。'99年11月1日のサービス開始以降、2ヵ月で総ページビューは2000万ページビュー、見積依頼件数5万2000件であり、自動車間連載とでは実質日本のトップサイトになったと思っている。今後のサービス展開として、今春にアフターサービス、中古車販売仲介、パーツ提供の本格事業展開を行なう」
「ECビジネスでは、消費者の声を聞いて対応していくことが重要。ホームページ画面などの氷山の一角だけを見るのではなく、その画面の下にある、地に足のついたしっかりとしたビジネスの仕組みを持つことが必要だ。現在、インターネット市場には風が吹いており、必ずしもすべて揃っていなくても、ある程度前に進むはず。そうして進んでいくうちにインターネットビジネスの本質がわかってくると思う。皆さんもECビジネスに積極的に取り組んでほしい」と語った。
続いて行なわれたパネルディスカッションでは、パネラーとして、佐々木氏のほか、東日本電信電話(株)取締役営業本部副本部長の潮田邦夫氏、ダットジャパン(株)代表取締役社長の片山敏雄氏、コーディネーターとして(株)野村総合研究所の情報技術本部情報技術調査室長である久保川俊彦氏が登場した。
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| 左から、佐々木社長、潮田取締役営業本部副本部長、片山社長 |
潮田氏「インターネットはすごい力を持ったもの。体験することでその能力のすごさを理解できる。使いこなすにはそのまま利用するだけではだめで、価値観を変えなければならない。従来、ビジネス展開を行なうには、確実になるまで内容を詰めてから動きだすケースが多かったが、IT時代はスピードが重要。そのスピードに対応するには、80点ではなく60点になった時点で走り出すことが必要だ。そのかわりフィードバックが重要となり、傷口が大きくなるまでに修正することが大切」
片山氏「同じ結果になるのであれば事業展開は速いほうがいい。情報ツールはメール。無からの挑戦なのでスピードも速まるだろう」
佐々木氏「スピードを稼ぐためには、その分野に特化したパートナーとの連携が重要」
潮田氏「各企業は、ECビジネスの必要性を感じつつも、価値観を変えることに戸惑いがあるようだ。そこの切り替えができないとうまく流れに乗れないだろう。日本人は、発明はできないけど使いこなすことは得意だから、インターネットもうまく使いこなせるはず。数年後には日本のEC分野は米国を追い抜けるだろう」
“Office Automation Conference 2000”は明日2月2日まで開催、“ビジネスソリューションコース”と“e-エコノミーコース”に分かれてセッションが行なわれる。
