ノベル(株)は25日、都内において、同社がインターネット分野でどのようにビジネスに取り組んでいくのかを説明する、戦略説明会を開催した。
同社から、代表取締役社長のフィリップ・ウエルチ(Philip K. Welch)氏、事業推進室長の高柳智雅氏が参加して行なわれた。
フィリップ・ウエルチ社長 |
ウエルチ氏は、インターネット分野のビジネスについて、「IT業界だけでなく新ビジネスを立ち上げようとするベンチャー企業が続々と登場するでしょう。これからのビジネスは、ビジネスをインターネットといかに連動させることができるかが鍵となるでしょう」と述べた。
「NDSがあれば、企業内ネットワークのインフラとインターネットを連動させることができます」と、ウエルチ氏のあとに高柳氏が説明を始めた。ノベルのこれまでのビジネスは社内に限定したサービスであったが、これからの同社のビジネスは、同社の『NDS
eDirectory』や『NDS Coprate Edition』を活用して、インターネットサイドに企業のリソースやコンテンツを出していく仕組みを提供することだという。
高柳智雅事業推進室長 |
高柳氏によると、米国ではすでに広告のみというビジネスモデルはすでに終わっており、これからはASP(Application
Services Provider)が個人や企業に向けてコンテンツを提供していく形のビジネスが主だとしている。そして、同社のビジネスターゲットは全てのインターネット人口で、2000年に1800~2000万人といわれる日本のインターネット人口のうち、「今年中にまず200万人をおさえたい」と述べた。「サービスや技術を利用している人にはノベルが行なっているとはまったくわからないと思います」と付け加えた。
コンテンツのカテゴリーとして、オンラインバンキング、証券取引などの“個人向け大規模ASP”、中小規模のオンラインショップなどの“個人向け小規模ASP”、ERPなどの“企業向けASP/従業員向けASP”があるという。ASPを実現するのには、ID/パスワード認証、PKI認証、10憶単位の個人プロファイルが管理可能なスケーラビリティー、コンテンツへのアクセスコントロールなどの技術が必要であるとしている。
また高柳氏は、現在のインターネットにおいては、サイトごとに重複して個人情報を入力しなければならないことについて触れ、それを解決する、同社の“digitalme”というツールを紹介した。これは、NDSにエンドユーザーが簡単に個人情報を収納できる、フロントエンドを作成するためのモジュールとAPIを集めたツール。ASPは、digitalmeとNDSにより個人情報を集中管理できるようになるという。
下の画面はdigitalmeで同社が作成した一例で、右側のカードをクリックするだけで決済したいカードを選べたりするという。
digitalmeの画面 |
個人向け大規模ASPや個人向け小規模ASPにはdigitalme/NDSを、企業向けASPには会計システムのA社のディレクトリー、人事システムのB社のディレクトリーといったものをNDSで管理していく形を同社は提案していくという。また、従業員向けASPでは、ASPをIT部門、顧客を従業員と置き換えることで、企業向けASPを適用できるという。このASPを導入すると従業員を1ヵ所に集める必要がなくなり、従業員は自宅やモバイルでいつでもリソースにアクセスできるようになるとしている。
先に挙げたカテゴリーのほかに、ホームオートメーションやホームセキュリーティー会社向けの、家庭内にある情報機器やAV機器、センサーなどをNDSで管理するビジネスモデルも紹介した。このケースでは、企業側は管理や配信などをNDSで実現できるという。
このほか高柳氏は、すでにアメリカで運用されている事例の紹介を行なった。