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ビデオリサーチネットコム、インターネット“視聴率”調査を4月に開始――ビデオリサーチはBSデジタル対応視聴率測定機を開発

2000年01月24日 00時00分更新

文● 編集部 小林伸也

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視聴率調査会社の(株)ビデオリサーチは24日、都内で記者会見を開き、2000年における同社の事業活動計画を発表した。計画では、インターネット“視聴率”調査専門の子会社(株)ビデオリサーチネットコムが、4月にインターネットユーザーのプロフィールデータ調査を開始する。ユーザーのパソコンに専用ソフトをインストールし、インターネットの利用形態や訪れるサイトなどを調べるもの。今後、サイトごとに訪問者の絶対数や広告到達率を調べるサービスも開始する予定で、テレビ視聴率と同様に業界標準を目指すとしている。

ビデオリサーチネットコム社長の大木眞熙氏、ビデオリサーチ常務の安武優一氏、同社社長の塩幡一二氏、同社常務の猪熊治彦氏
ビデオリサーチネットコム社長の大木眞熙氏、ビデオリサーチ常務の安武優一氏、同社社長の塩幡一二氏、同社常務の猪熊治彦氏



ビデオリサーチネットコムは昨年12月、ビデオリサーチの100パーセント出資子会社として設立(資本金2億円)。インターネットサイトを訪れるユーザーを調べ、テレビの視聴率のようなマーケティングデータを得て、広告主らに提供することを目的としている。

事業計画では、インターネットユーザーのプロフィールデータを調べる“インターネットユーザーパネル調査”を4月に本格的に開始する。この調査では、まず電話調査により全国約10万世帯にインターネットの利用の有無を確認し、そのうち利用世帯から無作為に抽出した3000世帯が調査の対象となる。対象者のパソコンには調査用の専用ソフトをインストールしてもらい、パソコンとインターネットの利用時間帯や利用時間数、頻繁に訪問するサイトなどの情報を、性別や年齢別に分けて集める。専用ソフトや結果を集計するシステムはエヌ・ティ・ティ・アドバンステクノロジ(株)(NTT-AT)が担当する。

同社では今後、依頼があったサイトを訪問したユーザーの絶対数を測定する“全数調査”、バナー広告をクリックした回数などを調べる“広告到達調査”の開始も予定している。両調査では、オーストラリアのIMR社が開発したシステムを使用する。このシステムでは、JavaScriptを使用してユーザーからアクセス履歴を取得する方式を採用しており、従来把握が難しかった、プロキシーサーバー経由のユーザーなどもカウントでき、より実態に即した測定が可能になっているという。

同社では、調査で得た“利用者プロフィール”“利用者絶対量”“広告到達量”の3インデックスを広告主らに提供していく。同社によると、これらのインデックスを1社で提供できる企業は例がないという。「テレビ視聴率と同様に、インターネット分野でもスタンダードを目指す」(同社社長の大木眞熙氏)として初年度の売上2億7000万円目指している。

従来型視聴率測定機(右)と、3分の2ほど小型になった『デジタルメータ』。さらに後継機として、セットトップボックスやHDTV(高品位テレビ)、家庭用ゲーム機の接続に対応する『ニューメディアセンサー』を開発中としている
従来型視聴率測定機(右)と、3分の2ほど小型になった『デジタルメータ』。さらに後継機として、セットトップボックスやHDTV(高品位テレビ)、家庭用ゲーム機の接続に対応する『ニューメディアセンサー』を開発中としている



また記者会見では、BSデジタル放送対応の視聴率測定機『デジタルメータ』の開発が終了したことが発表された。測定可能チャンネル数が、従来機の144チャンネルから1000チャンネルまでと大幅に向上。8台までのテレビを接続できる。

BSデジタル放送は今年12月からの開始が予定されているが、放送開始当初は、地上波の調査サンプルである27地区5900サンプルをそのまま利用し、世帯視聴率を集計する予定としている。デジタルメータは、サンプル世帯の中でBSデジタル放送が視聴可能になった世帯から順次、従来機とリプレースしていく方針。また当初は番組ごとの視聴率は提供しないつもりだが、「普及率がある程度を超えたら考えたい」(ビデオリサーチ常務の安武優一氏)としている。

これらの事業計画について、ビデオリサーチ社長の塩幡一二氏は、「インターネットとBSデジタル放送、特にデータ放送において、通信と放送が融合していくだろう。両者からデータを測定できるものを開発していく必要を感じている」と述べ、新分野に積極的に対応していく考えを示した。

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