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日本AMDがプレスミーティングを開催――2000年の目標はK6とAthlonの拡販

2000年01月21日 00時00分更新

文● 編集部 佐々木千之

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日本AMD(株)は21日、東京・新宿のホテルに記者、編集者を招いて“Press Meeting 2000”を開催した。席上、昨日発表された'99年度第4四半期の決算報告と2000年度の事業目標、今後のプロセッサーのロードマップなどが説明された。

堺和夫代表取締役社長
堺和夫代表取締役社長



最初に挨拶に立った堺和夫社長は、「AMDの'99年の目標だった“K6ファミリープロセッサーの世界パソコン市場におけるシェア20パーセント”については、達成され、とくに企業向けパソコンについては、日本でもNEC、富士通、東芝と大成功をおさめることができた」「2000年はK6に加えてAthlonの拡販につとめる。国内ではAthlon搭載のメーカー製パソコンがなかなか登場しないとの指摘もあったが、先日の富士通に続き、あまり間をおかずに数社から発表される」などと述べた。

特にAthlonプロセッサーについては、K6プロセッサーのような低価格製品向けだけでなく、ハイエンド向けのラインアップを持つことができたとして重要性を強調した。また、Athlonの高クロック製品の出荷が順調であることにも触れ、「今まではインテルが最高クロックのものを出して、AMDがときどきそれに追いつくような状況だった。それが、AMDが最高クロックのものを出して、インテルがそれに追いついてくる、という状況に変わっている」とした。

吉沢俊介取締役
吉沢俊介取締役



続いて吉沢俊介取締役が、昨日発表された'99年度第4四半期(9~12月)決算発表について説明した。第4四半期に純利益が6500万ドル(約68億円)となったことを受けて、開口一番「やっと黒字になった」との言葉が出た。「'99年通年ではまだ8900万ドル(約93億円)の純損失だが、年間売り上げは過去最高の28億5800万ドル(約3000億円)を記録することができた」とし、「Athlonを'99年中に100万ユニット出荷するという目標があったが、これも第3四半期に20万ユニット、第4四半期に80万ユニットとクリアーすることができた」、低価格パソコン向けのK6とハイエンド向けのAthlonという2つのラインアップとなったことで、今後の事業の安定と好転が見込めると述べた。

Athlon-800MHzを出荷したことなど、0.18μmプロセスへの移行は順調で、「ウエハーレベルでは2月中に100パーセント移行を完了する。これはインテルにキャッチアップしているのではないか」と、技術的なトラブルのないことを強調した。AMDプロセッサーの日本で出荷されているパソコンにおけるシェアも22パーセントと好調であることも示された。

そのほか、証券アナリスト向けに示された内容についても触れられ、今年はドイツのドレスデン工場に8億ドル(約840億円)の設備投資を行ない、生産能力を増強することが明らかにされた。また、Athlonについても850MHz版を第1四半期中、900MHz版を850MHz版投入後まもなく、さらに1GHz版については下半期に投入することも明らかにされた。この投入時期については、インテルのPentium IIIの高速クロック版が前倒し発表傾向にあることもあってか、以前の説明よりも早まっているというニュアンスであった。


K6ファミリーはK6-2のみに

コンピュテーション製品グループマーケティング部の小島洋一部長代理
コンピュテーション製品グループマーケティング部の小島洋一部長代理



次に小島洋一部長代理から、2001年にかけてのプロセッサーコアロードマップが示された。昨年11月に示されたロードマップから大きな変更はなかったが、0.18μmプロセスで2次キャッシュを統合する『AMD-K6-2+』と同時期に予定されていた、0.18μmプロセス版『AMD-K6-III+』がなくなり、K6ファミリーはK6-2のみになることが明らかとなった。

AMDプロセッサーコアロードマップ
AMDプロセッサーコアロードマップ



K6-2+の2次キャッシュ容量については明らかにされなかったが、投入時期は2000年上半期で、モバイル向け製品では、インテルのSpeedStepテクノロジに対抗する省電力技術“Gemini(ジェミニ)”が搭載されるという。

“Sledge Hammer”の説明スライド
“Sledge Hammer”の説明スライド



また、コードネーム“Sledge Hammer(スレッジ・ハンマー)”で呼ばれる64bitプロセッサーについては、2001年末に投入予定であることが示された。Sledge Hammerは、インテルの64bitプロセッサー『Itanium』と異なり、従来の32bitのx86プロセッサーを拡張する形で64bit化するため、「ダイサイズの増加は数パーセント程度ですむ」という。さらに浮動小数点演算がさらに高速化されること、およびダイサイズが小さいことから、「1つのダイに2つのプロセッサーを乗せるというソリューションもある」と述べた。

そのほか、Sledge Hammerの投入とほぼ同じ時期にLDT(Lightning Data Transport)という、I/Oのバンド幅を広げる技術を投入するという。これは、現在毎秒133MB~266MBの、ノースブリッジとサウスブリッジ間のデータ伝送速度を毎秒3.2GBまで高速化するというもので、サーバーなどの性能向上をねらった技術だ。

会場に置かれた、2000年度に投入されるAthlonプロセッサーの製品の特徴
会場に置かれた、2000年度に投入されるAthlonプロセッサーの製品の特徴

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